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日本人の宇宙飛行士が誕生以来、宇宙飛行については随分と身近な話題になりその船内生活風景などもかなり知られるようになってきた。とは言えそれらは一種の「公式広報」であり「表の顔」であることは言うまでも無い。宇宙開発初期の数々の試行錯誤の逸話や宇宙飛行船内生活には人に言えない側面や噂の域を出ない都市伝説も沢山ある。そのような逸話・都市伝説を解き明かそうと果敢にNASAの挑んだのが本書だ。
有人飛行に先だって打ち上げられた猿のエノスは異常にマスターベーション好きだったことから、ニックネームは「Enos the Penis」だった。それで宇宙飛行中にあそこをいじりだしたしないようにカテーテルを挿入されていたが、怒ってそれを引き抜き、始めてしまった姿が監視カメラで映されてしまったというが本当にNASAにそのフィルムはあるのか?
無重力空間でセックスをした飛行士は居ないのか?無重力状態では血液も普段は重力で下半身に集まっているが横隔膜を下限として上半身に行くので男性の道具は貧血状態になる、とNASAは説明するが本当か?(日本人初の飛行士秋山さんは「朝起ちした」とテレビで言っていた記憶があるが著者は知らないようだ・・・)
著者メアリー・ローチの興味はまだまだ尽きない。長期間狭い空間に押し込められた人間関係がどうなのか、宇宙船内でのセクハラ事件の真相、宇宙空間でのトイレの方法などなど俗な疑問をお持ちの方は是非本書をどうぞ。
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宇宙旅行において、一番厄介なのは人間である。
うーん、ちょっと下品なところはあるが、そもそも、現実に起きていることなんだよな。
むっちゃ面白かった。
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日々行なっている本当になんでもないようなことが、一歩大気圏外に出てしまうと非常に困難になってしまうということ。微に入り細に入り検証を重ねる研究者たちの日々の苦労はいかほどのものかと尊敬の念を抱いてしまう。それに普通の人なら躊躇してしまいそうな話にも遠慮なく突っ込んでいくこの筆者もまたすごい。今までの本のタイトル見るとそういう芸風っぽいのね。売れっ子という紹介にも頷ける。他の作品も見てみよう。
宇宙空間に地球と同様かそれに近い生活環境を構築できるようになるのはいつのことになるか…月面基地あたりが一番可能性高いのだろうか?それにしても数百年はかかるだろう。もう少し遅く生まれたかった。
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宇宙には、人間がいきていくために必要なものが何一つとしてない。空気、重力、あったかいシャワー、生鮮食料品、プライバシー、ビール・・・
人間はそれらなしでどこまで耐えられるのだろうか?一年間歩かず、セックスもせず、花の香りもしない空間にいたら、体にはどんな変化が起こるのだろう?宇宙遊泳中にヘルメットの中で吐いてしまったらどうなる?宇宙開発研究たちは、さまざまな難問解決のために、日夜シミュレーション実験を繰り返している。
そこで、メアリーローチはひらめいた。
「ひょっとして、地球にいながらにして宇宙を体験できちゃうんじゃない?」
筑波宇宙センターの宇宙飛行士採用試験から、スペースシャトルの訓練用トイレまで、口の堅いことで有名な宇宙開発研究機関の扉をこじ開けて、われらが、突撃サイエンスジャーナリストは、わたしたちに楽しい宇宙の旅に連れ出してくれる。(扉紹介)
テーマ設定も取材内容もなかなか充実しているが、ひとつ注文つけるなら訳があまり上手くないので非常に読みにくいというかストレスを感じてしまった。できれば別の人に訳しなおしてもらいたいぐらいだ。
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宇宙飛行士が国際宇宙ステーションから生中継、というのもそれほど驚異的な映像では無くなったけれど、その映像からは伝わらないものが山ほどある。
宇宙船の中ってどんな臭いだろう?
お風呂にもシャワーにも入ってないらしいけど、痒くならないの?
無重力空間でウンチするのってどんな感じ?
それらの疑問は宇宙飛行士を宇宙に飛ばす前、あらゆる方向から吟味され、実験されている。
莫大な費用をかけて、「柔らかいウンチは無重力ではカールする」ことを突き止めるのがNASAのお仕事、なんて誰が想像できるだろう?
「ちょっと知りたかったけど誰も教えてくれない」情報が満載で、宇宙開発当事者のインタービュー郡を元にして作られた、貴重な一冊だと思います。
1つのテーマに注目しているはずなのに、ポロポロと横道にそれる傾向が多く見られるので、そこだけちょっと気になるかな。
でもとても面白い本でした。
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一見華やかな宇宙旅行に隠された、凄まじいまでの労力の記録。死体や霊魂、セックスなど、ちょっと変わったテーマでの突撃取材を得意とするメアリー・ローチの新作は意外なことに宇宙開発だった。
宇宙開発関連というと、どうしても技術開発などのテクノロジー関連の話が中心になりがち。でも、ローチの関心はロケットや人工衛星にはなかったみたいで、宇宙に飛び出す人間に向けられてる。宇宙飛行士に向いている特性とは?宇宙空間での入浴って?トイレはどうなってるの?宇宙空間で船酔いしたらどうなる?無重力に長時間晒されると人の体はどうなるんだろう?そんな疑問をNASAやJAXA(!)にぶつけて、お得意の突撃取材を敢行。
その結果、見えてくるのはヒトを宇宙に出すということの想像を絶する大変さ。そして、そこに至る大変な苦労。例えば、被験者が数ヶ月寝たままになることで人体に起こる影響を調べる実験や、数ヶ月、密室に数人の人間を閉じ込める実験、カロリーを凝縮した宇宙食を食べさせ続けての影響を見る実験などなど。数多くの研究者(と被験者)の地道な研究の積み上げで、宇宙にヒトが飛び出していけてるんだ、という事実を描き出すことに成功している。
取材はかなり大変だったようで、NASAからもかなり嫌な顔をされたっぽい。でも、これはNASAはもっとアピールしてもいいんじゃないかな。この本を読むと無重力という未知の領域にヒトを送り込むにあたり、NASAは相当慎重に実験と検証を繰り返した様子が見て取れる。何度かの不幸な事故はあったけれど、多くの飛行士が宇宙へ行き、無事に地球に帰還できたのは、その地道な努力のおかげなのだ。確かに「下」の話や下世話なものも含まれてはいるが、それも含め、誇るべきことだと私は思う。
ローチ本は4冊目のNHK出版ということで、ジョークが散りばめられた軽いノリの文章を上手く訳してくれてる。原注がなかなか笑える内容が多く、見開き左に固めた本の構成も素晴らしい。が、参考文献が無いのは残念(原書にも無いのかもしれないけど)。
宇宙開発に興味のある人なら是非読んでみるべき一冊。トリビア的に笑える部分も多いけど、実は大いに考えさせられる、いい本です。
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女性ジャーナリストによる無重力体験エッセイ。
宇宙開発については、技術的科学的な観点で様々な本が出ていますが、この本は宇宙船での生活に焦点を当てたものです。著者は無重力の生活がどのようなものであるかを自ら取材、体験しながらレポートしています。
宇宙での無重力の環境が人間にどのような影響を与えるか、、例えば衣食住、睡眠、感情、性の問題、排泄物など将来の長期間の宇宙旅行(火星を想定している)で想定される問題を考察しています。とにかくユーモア溢れる文章で読んでいてなかなか楽しい。もし宇宙旅行の時に一番気になるのは、排泄物の処理かもしれない。これは昔から宇宙飛行士が苦労している問題で、うまく行かなかった時には悲惨な結果になることが想像できる。実際、ジェミニ計画では物が漂って大変なことになったらしい。また衣服も交換できないので、数日で悪臭が漂うこともある。狭い空間であるし、空気で拡散されることもないので、些細なことでも気になるようです。
各章には補足の注記があって、いろいろなエピソードを紹介しています。これも併せて読むと面白いです。
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お風呂に入りながら、あるいはベッドに潜りながら寝る前に、1章好きなところを読むのがいい感じの本。ついニヤッとしてしまう本当の宇宙ルポ。
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途中放棄。宇宙飛行士に関する雑学を集めたノンフィクション。致命的に訳が読みづらい。おそらく原文の文体の味もコピーしようとした結果だと思うが、逐語訳になってしまっていて日本語の文章に仕上がっていない。内容も陳腐だったので諦めた
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相変わらずNHK出版の翻訳ものは読みづらい…
後半の方が興味深い。
重力がない
ということが当たり前の地上では考えられない、
本当に「想定外」の出来事が起こるのだなぁ。
常識って常識ではないのだ。
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グロテスクな記載があったり、下世話な話があったりするけど、でも人間を人間たらしめているのも、人間を宇宙に向かわせているのも、好奇心以外の何物でもないから、好奇心に満ちた作者の追求は面白い。
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よくここまで調査したなあと思います。この本読んだ後にまだ宇宙飛行士目指そうとする人は偉いなあ。もっとも重要なことなんだけどね。
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宇宙開発の一番の悩みは人間。機械と違って統一規格がないし、文句も言う。閉所にいる事でストレスを溜め、無重力に酔い、入浴を我慢し、大変な思いをしてトイレをする。これらの問題を大真面目に研究しているNASAでのエピソードを紹介した本。
「宇宙でセックスは可能か」って章を目当てに買ったけど、それ以外も全部おもしろかった。ジョークを入れまくってるのでサクサク読める。
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アメリカで最も愉快なサイエンスライターと評されるメアリー・ローチが連れて行ってくれる宇宙は予想のやや斜め上を行く。メアリーのこれまでの著作のテーマは死体、霊魂、セックスで、下世話な話題を扱いながら本書でもみられるように独特のユーモアを交えながら下品にならない軽いタッチが特徴だ。原題は「Packing for Mars」火星探検に行くためにこれまでの宇宙開発を下敷きにどう準備するかを広範に取り上げている。
「宇宙開発のエキスパートにとって、あなたは巨大な頭痛の種だ。」無重力も狭い閉鎖空間も当然ながら人間が長期に暮らすには向いていない。食事、お風呂、トイレ、洗濯と日常生活の全てが頭の痛い問題になる。短期間のミッションなら我慢しろというのが一番簡単な解決法だが火星まで行こうかとすると数年がかりのミッションになるので宇宙飛行士の健康だけでなくモチベーションも大事な要素になる。これがすごく厄介なのだ。
最初の場面はJAXAの宇宙兄弟で有名な閉鎖空間試験現場から。第一期宇宙飛行士に求められたのは勇気やカリスマ的な才能だったが現在ではストレス耐性や協調性が重視されている。これはミッション期間が長期間になるからだ。例えばNASAでチームワークに関する研究を行った所男女混成>男性のみ>女性のみだったらしい。火星に行くならベストなチーム構成は?アポロ計画の飛行士マイケル・コリンズによれば去勢済み男子クルーがベストだとか・・・。ちなみに体型が小柄で協調性の高い日本人は宇宙飛行士に向いてると言う評価だ。狭い部屋にも慣れている。
無重力下ではトイレが大問題になる。地球上のトイレは重力を元に設計されているので宇宙では全く役に立たない。当初使われたのは糞便バック、袋の開口部に粘着剤がついていてぴったり張り付けて用を足す。問題はこれで終わらず、口を閉じたままほっとくだけだと大腸菌の働きでガスが出て破裂してしまう。”逃亡者”を作らないためには殺菌剤をふりかけもみ込まなくてはならない・・・。スペースシャトルでは宇宙用便器が開発されたが開口部はわずか10センチ、正しい位置で使用すれば気流で回収するので”逃亡者”は逃げられない。NASAでは正しい位置合わせの訓練用におまるカムつき便器でトレーニングする。自分のお尻をみながら座る位置決めをするのだが、メアリーはチャレンジしようとするも断念。しかし火星に行くには尿も貴重な水分と言うことで濾過した自分の尿を飲んでみせる、チャレンジャーだわ。
無重力空間では平衡感覚が無くなる。重力下では耳石が転がりどちらが下かわかるが宇宙で頭を急激に動かすと耳石はでたらめにぶつかり、目から入ってくる情報との狂いから宇宙酔いを起こす。船酔いにしてもそうなのだがなぜ吐くのかはよく分からない、吐いても解決にならないのだから。海の上なら魚が集まってくるぐらいだが、宇宙ではこれも大変。バイザー内がゲロまみれで何も見えないのではニュータイプでない人はモビルスーツに乗るべきではない。ただの水でも表面張力で肌に貼り付くのでゲロは凶悪だ。閉鎖空間では臭いがこもりもらいゲロを誘発、うわぁ〜っ。おならですら空気の流れがないとそこにずっと漂い続ける。
お風呂も問題で基本は入らないのだがこれも悪臭のもとだ。足、股間、脇の下が特にひどい。ずっと着替えない不潔実験では最初の1週間は皮脂の分泌量は変わらない。衣服は汗と汚れのほとんどを吸収する。ジェミニ7号の2週間のミッション終了後には地上での実験以上に宇宙飛行士のパンツはひどい有様になっていた。その頃使ってた集尿器は時々豪快にお漏らししたらしい。無重力下ではシャワーの水滴は集まり大きな塊になるのでからだを洗う役には立たない。現在では日本女子大の開発した宇宙下着が素晴らしい成果を上げている。光触媒の作用により汚れを分解し、抗菌剤が菌の繁殖を防ぐ。若田光一さんは28日間同じ下着を履き続けても不快感はなかったらしい。光触媒を働かせるにはパンツ一丁の時間が長かったのだろうが・・・
食事もいまでは美味しく食べれる宇宙食が増えているらしいが当初はとにかく少量でハイカロリーが標準だった。毎食エナジーバーみたいな物だ。しかも水分は減らして唾液で戻す。逆にぱさぱさなものはくずが出るのでNGになる。また食事はそのままトイレの問題に直結する。ペットが喜んで食べ糞の処理が楽なそんな食事が理想なのだ。
無重力セックスは可能なのか?やはりそう来たかというところだがポルノ映画会社が無重力体験の弾道飛行を貸し切ったことはあるらしい。メアリーが調べた限り真実は不明だ。無重力空間では血液が上半身に集まる。映像でみる宇宙飛行士の顔がむくんでいるのはそう言う理由でへそから下には血液は集まらないらしい。と言うことは・・・。
他にも骨密度を調べるための寝たきり実験や、アポロは実は宇宙に行っていなかったと言う陰謀が生まれた国旗の秘密、着陸時の重力加速度の影響を調べるマネキンの落下実験はエイリアンの噂を呼び、アストロチンプ(宇宙チンパンジー)が当初チンポノート(セーラーパンツをはいた猿になる)と言われた話などコネタの脚注が満載。厄介な荷物を火星に運ぶためには滑稽に思える様な莫大な努力の積み重ねが続けられている。宇宙兄弟には出てこない日常の時間がミッションの時間以外の全てを占めるのだから当然なのだが。