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【my room】銀行に勤めるサラリーマンにとって、真面目に働き、円満に会社を退社するのが一番の目標かもしれない。少なくとも主人公、岩沢千秋にとってはそうだった。本作品は、そんな彼の銀行退社の1日を時系列に追っていく。しかしながらその1日が、彼の会社員人生一ついていないのだ。1日を何もなく無事に終え、退職金を貰って残りの人生を新しく始めようと思っているのになかなかそうは行かない。そんな日に限って、様々なトラブルが起きるのだ。読んでいて全く飽きないのがこの作品だった。スピード感が割にあって読みやすい。しかしながら、4月から会社と言う組織で働く者としては、もう少し明るい会社人生を望みたいものだがこちらの方が現実に近いと言うことだろう。頑張れ、中年のおじさん。
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銀行の業務を興味深く読めた。ドタバタとテンポ良く楽しんで読めたが、最後はどうやってまとめるのか期待していただけにちょっとがっかりした。再読するほどではない。
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この作家の初めて読んだ小説だけど、テンポがいいし語句の説明もわかりやすいのでスラスラ読めた。
退職を迎える日、何の問題もなく一日を穏やかに過ごして退職金をもらおうという日に、様々な事件がコメディ作品。
キャラの立て方もありきたりかもしれないけど、そこが逆に読みやすい。
奥田英朗に近い?
最後は、出来すぎた形で終了。
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--俺は、東大経済学部を出ているのに、住宅地の個人客相手の支店長で終わる。なにが、近くていいなぁ、だ。あれは俺をばかにして笑ったのだ--
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エンタテインメントとして読むなら秀逸な銀行小説。
銀行のオペレーションをくまなく知っている著者ならではのストーリー展開だけど、細かいところでの詰めの甘さはまぁ小説と思って読むしかないんでしょうね。全体的にはどこで笑っていいのかわからないところがいくつかあったのと、無駄に伏線を張らしている感じが否めなかったが…
でもタイトルと現実はかけ離れているところを見ると、もう少し違う見せ方のほうが売れたんじゃないかなぁ。
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円満退社できない物語。
今日が退社日という日に数々のトラブルが勃発。
ここまでくるとクスクスと笑いが出てきちゃうわ。かわいそうだけど、笑えるユーモアのある内容。
楽に読めますわ。
ただ退職間際の人は読まないほうがよいかも。
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ドタバタの一言につきます。
支店長退職の日にこんなに事件が起きるわけない…と、突っ込んではいけません。
こんな事件が日々あるんだと、それを面白おかしく伝えようとするとために1日に詰め込んだ訳です。
最後の夫婦が関係を修復するあたりは、ちょっとご都合主義が過ぎるという感想です。
作者もしくは銀行員の金融庁への憎悪は興味深いものでした。
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仕事上のミスはつい隠す。そのちょっとした事が冷や汗ものになる事って経験あります。人間お金に弱い、そして人に厳しいのに自分に甘い、仕事をしているとストレスの連続ですが、人間捨てたもんじゃないですよね、仕事の仲間、夫婦、人を変えるのではなく自分が変わる事が幸せの一番の近道だと思いました。とっても面白く、読んでいて共感してしまう場面も沢山ありました。
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銀行という、自分とは一生縁のない職場を舞台してるだけあって、仕事内容や現場の様子などが詳細に描かれていて勉強になった。
ストーリー自体は至ってふつう。
ひとがどんな想いで、ひとつの会社組織に勤め続けるのか。そんなことに考えを巡らせると、なんとも言えない気持ちになる。
なお、エンディングはもうちょっと、どうにかしてほしい。
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岩沢千秋、56歳。銀行で34年勤めあげ、悪妻との結婚生活を、26年過ごしてきた。そんな日々も、今日で終わり、のはずだったのだが…。行員の失踪、横領の発覚、右翼への利益供与、融資の承認前実行、様々なトラブルが立ちはだかる。果たして岩沢は、無事に退職金を得て、「円満退社」できるのか?
みんながみんな、責任逃れして、逃げ道をさがして、言い訳ばかり。ここまでくると、笑える(苦笑)おかげで、勉強(教訓?)にはなったけれども。会社でのトラブルと、妻との問題が、どう繋がるのかと思ったら…。うーん、ちょっと無理があるけど、仲直りしたんだから、まぁいいか(笑)
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退職の日に巻き起こるめっちゃドタバタ喜劇。ここまで色んな事があると笑ってしまうくらいに。
後半にいくにつれ、失速感が否めないし、無理やりに丸くおさめたのかな。
奥さんの件は先が読めるだけに蛇足だったのかも。
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江上剛氏が、こんなにも面白い小説を書いていたのは知らなかった。
旧第一勧銀に勤務されたので、銀行マンを描くのはお得意なのかもしれないが、、、
主人公 岩崎千明56歳。
東大卒業後一流企業のひまわり銀行に勤務。
年功序列で、宮仕え26年。
その間に、妻を娶ったが、子供もなしで、太った体に、家事もおろそかな悪妻。
定年退職の日、すんなりと、退職金をもらって、仕事から身を引くことになると思いきや、、、、、
銀行の中の職員の怠慢さ、不合理さ、使い込み、犯罪手前の契約、総会屋、、、1日、てんやわんやの騒動が持ち上がる。
円満退社で、退職金を貰えるはずが、パ~になってしまうかどうか迄、発展していく羽目になる。
そして、自分の銀行が、合併になってしまうのを目のあたりにしてしまうのである。
みんなドタバタを、うまく切り抜け、退職金も口座に入って、これからは、悪妻とも縁を切ることができるとおもったら、、、、、
メールの顔も見えず、やり取りの相手は、、、、
なんと、我妻、悪妻であったが、今一度、二人が、認め合い仲良くなるのである。
これで、本当の「円満退社!」と、思った。
コミック的なんだけど、バブルのつけに、銀行の苦戦に、中小企業の悲しさが、描かれている。
もうバブルの時代を知っている若者が少ないだろうから、一度読んでみてほしいものだと、思った。
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定年退職日に次々と事件や不祥事が暴かれたり、イヤイヤ中々無いだろーって、ツッコミ満載だがとても面白かった。
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2021.07.18、1回目スタート
2021.07.18、1回目読了
2022.11.27、売却・処分済へ
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本作を読んで何か複雑な気分になった。
本作は、サラリーマンの最終出勤日を描くコメディ系エンタメ。2005年が初版だから時代設定がやや古びれた感があるが、内容は普通に楽しめた。
ではこの複雑な気分・もやもやは一体何か。自分に問うてみました。
それはきっと、恵まれた上の世代への羨望や嫉妬かもしれない、と思い至りました。
私は1975年生まれ、留年や大学院を経て就職をしたのは2001年。このあたりはいわゆる就職氷河期の底であった。就職は何とか出来たが、これまで出世とは無縁だった。自己研鑽は今も続けているつもりだが、会社には認められなかった(まあ実力なかっただけですが)。外国に飛び出た今となっては定年時の退職金もなし、年金も覚束ない(国民年金は任意で収めていますが)。
そんな我が身と比較しつつ、主人公は年功(学歴?)で支店長にまで昇格し、うだつが上がらないと言いつつも今や3,000万円の退職金を得ようとしている。きっと貯金だって相当にあるに違いない。それでもなお会社への文句、部下への文句、業務へのオーナーシップのかけらもない責任転嫁的発言が半端ない。なんなんだよ!嫌ならやめちまえよ!(って私も何度か言われましたよ、証券会社とか銀行とかで)
失礼しました。
まあ20年前の作品です。色々な変化がありました。だから、きっと本作のような舞台や人物は日本ではもう絶滅したことでしょう。エスカレーター式に部長・支店長になれる。昼休みにゆっくり昼食を取りコーヒーまで飲んで帰ってくる(これはまあいいか)。銀行での裏金づくり。支店から右翼への裏金供与。ローンの承認前実行。投信の無資格販売。
40代半ばの私よりもう一回り下の人間は、ある意味歴史小説・別次元の話として読めるのかもしれません。へえー、昔の銀行って結構ヤバかったんすね、みたいな。私からすると小説の舞台はつい昨日のような過去に感じてしまい、ついついルサンチマンに満ち満ちた状態で読んでしまい、精神衛生上も健康によろしくありませんでした笑
・・・
まとめます。エンタメ小説としては結構面白かったと思います。最後のハッピーエンドは若干納得しかねますが、まあでも面白かったです。ちょっと古びていますが、若い世代は歴史小説だと思って読みましょう。金融業界に関連・興味のある方、昭和の企業文化(の残滓、ですかね。時代的には平成が舞台ですから)に興味のある方にはお勧めできると思います。