決して最良のクリスティーとは言えない作品
2004/10/20 23:47
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名づけえぬもの - この投稿者のレビュー一覧を見る
この『ねじれた家』という作品を読み終わってまず持った感想は、エラリー・クイーンの或る作品(ネタバレになる可能性があるのでここでは作品名を明かさない)に似ているということである。状況設定も犯人像も類似している。しかし、クイーンのその作品は堂々たる本格ミステリーという態をなしているのに対して、『ねじれた家』は何か喰い足りないような印象を与える。その理由の一つとしてはまず、いわゆる探偵役がここには存在していないということがある。もちろんこの作品にはチャールズという主人公がいて素人探偵のようなことをするのだが、彼はいつも何か頼りない印象でクイーン作品に出てくる探偵とは全く異なる人物像をなしている。さらに、クイーン作品とは異なり、『ねじれた家』では犯人を見つけ出すための様々な痕跡、証拠、アリバイ、証言などが列挙されることはなく、ただ漫然と犯人を探し出すためのヒントがちりばめられているだけであり、犯人発見も探偵が論理的推理に基づいてなされるのではなく、また漫然と外部からもたらされるという印象を受ける。
結論を言えば『ねじれた家』という作品はゆるくなった或るクイーン作品以上のものではないだろう。
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「一番怪しくない人物が犯人」というセオリーどおりの展開なんですが…現代の犯罪事情を先取りしているとみるべきか、話を面白くするこじつけとみるべきか…。
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衝撃的な形で犯人が分かるのだけれど、その文章を読んだ時には、しばらく本を読む手が止まってしまった。意味を反芻するのに時間がかかった。かなり好きな作品。
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トリック、謎解きといった部分をほぼ排除し、ねじれた一家にのみいスポットをあてた風変わりなミステリー。
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クリスティらしさの溢れた本。名探偵は出て来ませんが良い味出しています。中の描写がエラリィのYの悲劇に似ている気がします。うろ覚えですが。
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2009-10-08読了
アガサは最後までわくわくしながら読めるからいいよね。
小さい頃好きだったのって大人になっても変わらず好き。
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「これこそほんとに悪夢よ。よく知っている人たちの中を歩きまわり、その人たちの顔を見る——と、突然、顔が変わってしまうの——もうそれは、知ってる人じゃない——見知らぬ人、それは残忍な見知らぬ人なのよ・・・・・・」
クリスティ、ねじれた家でした。
あぁーー読後が何となく悪いのだ。
なんだか、どよーーんとしているというのか、すごいっていうのか、まさかまさかと行った展開に唖然としました。。。
凄い「えぇっ」という驚きではないのだけれど、「うわぁ・・・」という少し愕然とした感じでしょうか。
さて、次は何を読もうかなぁ。景気よくポアロなんて読みたい気分。
【1/14読了・初読・大学図書館】
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解説(末國善巳)P380~381にかけて、明らかな間違い有り。
ロジャーの妻クレメンシイは舞台女優。フィリップの妻マグダが科学者となっている。逆である。
私が読んだのは、第2刷なので、間違いをそのままに重版している。
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アガサ・クリスティの作品に惚れ込むきっかけになった本です。たまたまタイトルに興味をもち手に取りました。この本に出会わなかったらこのあとクリスティの小説を何十冊も読むことはなかったと思います。一番好きな作品です。ぜひぜひ
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ねじれた性格の家族が集う富豪一家。
あの有名な海外ミステリと同じような結末。
でもクリスティーならではの人物描写でぐいぐいと読ませてしまう。
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本書は、名家の娘との婚約。
家のことを話さずに婚約しようとしう話は、個人主義の時代の賜物だろうか。
富豪の性格を引き継いだのは、ジョセフィンだと思った。
てきぱきしていて、情報の裏を取る。
経営者には必須の能力のように思えた。
正確な情報、行動力、どれをとってもすばらしい。
跡継ぎの可能性については、まったく想像外。
犯人もまったく想像外。
後妻の役割が、いま一歩、薄い気がしたのはなぜだろう。
それに大して、アリスタイドの義姉の役割の大きさに驚いた。
ps.
探偵物、捜索物を読んでいると、似た設定、似た展開のものが多いことに気がつく。
SFでも同様のことがあるが、SFの場合には名前、時代を容易に変更できるので、自分では気がつかないことも多い。
アガサクリスティは、全部Reviewを記録して、比較してみることにしようと思った。
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もうアガサ先生の作品は”悪”という観点でしか見きれなくなった。
悪というのは純粋であるからこそ、犯人は子供というのはすごく単純かな。
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2回読みたくなる作品だなと思いました。
きっと真の犯人に驚かされると思います。
バッドエンドぽいのが終わってもなおゾクゾクさせてくれました。
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海外ミステリを読もうシリーズ。
殺しについては、"誰でも簡単に実行可能だった"という条件から、犯人を当てるのは難しい。それよりもレオニデス家の風変わりな人々の描写をじっくり楽しむべき作品だと感じた。実際、第二の殺人が起こるまでは特に物証や決め手となる新事実が明らかになるわけでもなく、レオニデス家の人々について淡々と述べられている。それがやや退屈だとは感じたことは確かだ。
時間を置いて、もう一度読み直したい。
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2年間の海外赴任から帰国したチャールズ。恋人のソフィアとの再会。彼女の祖父アリスタイド・レオニデスの死。殺人事件として疑う家族。父親である警視総監ヘイワードの協力でレオニデス家にやってきたチャールズ。アリスタイドの若い後妻ブレンダ。ブレンダとの関係を疑われる家庭教師ローレンス。事件直前まかされていたレストラン・チェーンを破産させた長男ロジャー。消えた遺言状。チャールズに事件の秘密を語るソフィアの妹ジョセフィン。ジョセフィンが見たというブレンダとローレンスの恋文。事件の秘密を知ると公言するジョセフィン。何者かに襲われ重傷を負うジョセフィン。事件直後に荒されたジョセフィンの部屋と恋文。