紙の本
読みやすいから気をつける必要あり
2017/01/29 18:59
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栞ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
2人の作者の対談形式となっているため、話言葉で書かれていて、すらすらと読めてしまいます。
ただし、この本には事実誤認を指摘する意見や、内容を批判する本もだされているなど、100%鵜呑みにすることはおすすめできない。
できれば、キリスト教、ユダヤ教などの基本的な知識を持ち、いろいろな解釈や考え方があることを承知の上で読むとよいと思います。
電子書籍
ふしぎな面白さ
2019/11/05 13:06
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はな - この投稿者のレビュー一覧を見る
西欧の文化をもっと楽しむにはキリスト教やギリシア神話の知識が必要だということで、とりあえず取っつきやすそうな本書を読んでみました。理解度はさておき平易な語り口で読みやすかった。
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大澤真幸と橋爪大三郎の対談、しかもテーマは「キリスト教」…
決して期待を裏切らないすばらしい内容でした。新書で、しかも入門書ということもあり、個々の問題についての解説はそれほど詳しくありません。しかしながら、キリスト教の特徴について聖書や歴史から具体例を引き合いに出しながらユニークな語り口で話が進んでいくので、最後まで飽きることなく読めると思います。というか、大澤真幸のある種キリスト教に対する皮肉な言い方がとても面白くて、声を出して笑ってしまいました。
キリスト教って興味はあるけど、そういう宗教的な話ってなんだか胡散臭い気がして近づきにくいんだよね…という人にはおすすめの本ですね。決してキリスト教に対する信仰心を掻き立てられることはないと思うので(笑)
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キリスト教的な考え方がより良く解った。祈りとはGODとのコミュニケーション。奇跡と科学は両立する。聖書は矛盾があるから解釈する。GODの計画を知ることが科学である。プロテスタントが資本主義や自然科学、社会科学を作ったなど。またユダヤ教、イスラム教、仏教、儒教、神道にも触れられていて違いが分かりやすい。ヤハウェが元は火山をイメージした戦争神だったというのが目から鱗。だから嫉妬深く、怒りっぽいんだ。聖母マリアと聖人の位置付けも知りたかった。
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「キリスト教をわかってない度合いが最も高い」日本人向けに、大澤さんが聞き手、橋爪さんが答え手となって切り込んでいくキリスト教入門書。ただし信仰書ではない。非キリスト教徒である大多数の日本人が持っているであろう素朴な疑問から本質的な問題までを、社会学的な視点から回答したものである。その底に流れているのは、「日本人が新たな社会を築いていくためには、近代社会の源泉であるキリスト教を知らなければならない」という大澤さんの主張である。ありがちな「キリスト教がわかる」的な本とは異なり、キリスト教徒がどのように物事を捉えるのか、またどのようにしてキリスト教が世界的なデファクトスタンダードとしての地位を築けたのかを分かりやすく論じている。本書の内容は日本人に一定の納得感を与えることができるのかも知れない。ただし私自身は本書でいう「福音派」のクリスチャンなので、本書の内容をそのまま自分のものとすることはない。信仰者の視点でみた場合には本書とは違った答えになるのはもちろんなのだが、日本人のキリスト教に対する疑問の持ち方を知るという意味では、大変興味深く読むことができる。
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西洋思考様式のバックグラウンドにあるキリスト教のフレームワークを、当代随一の語り手2人の対談で明かしていく。専門用語を多用せずに通俗的な言い回しで話してくれるので、「そういうことだったのか!」と気づく点多し。西洋が法治国家でアジア圏が日本含めなかなか定着しないのはなぜか、とかかなりガッテン
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キリスト教について、自分でも掴めていなかった漠然とした疑問が的確にフォーカスされ、理不尽に思っていた事柄が「理性的に理解」できた。
ユダヤ教の発生と、キリストの意味、キリスト教への発展、「西洋」の形成など、時系列で纏められており歴史的なダイナミクスが感じられた。
あえて「理性的に理解」としたのは、否が応でも日本的な倫理観で育ってきたために、真の理解はできないのだろうと思ったから。
しかし、この本を通じて理解しようとしたことで、西洋から発生したものをより楽しめるようになったし、日本のものもまた新たな視点で楽しめると思う。
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芒種:[芒ある穀物の種蒔きをする頃]
こんな譬えがあった。
「昔むかし、あるところに、
七人家族が暮らしていました。
家族は両親と五人の兄弟。
いい子たちでした。
でもある日、
五人とも養子だったことが分かります。
他所の家から貰われて来たのです。」
昨夜遅く
訃報を受けた。
彼の落とした種は
いずれどこかで芽吹くのだろうか。
私の種は
いずこかの地に
落つるのだろうか。
そして
私の知らぬ地で
芽吹くのだろうか。
種。
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日本人が根本的に解らないキリスト教の疑問について、橋爪大三郎と大澤真幸の対談形式で解説してあります。
よく一神教について聞くのが「神様信じていても、あの人不幸じゃない」って意見ですが、そもそも一神教の神様は祈ったからといって利益誘導してくれる種類の神様じゃないというのが日本人には理解できないところだと思います。「じゃあなんで信じているの?」って。
そういう意味では私も「ヨブ記」の物語なんかものすごく納得いかなかったのですが、神様に「ご利益」を求める視点ではなく、自分ではどうにもならない過酷な運命を合理的に受け入れる為の方便と考えれば納得いかないまでも解りはします。
そうすると幕末まで侵略の危機に晒されたことのない、日本の特殊性が宗教観にも大きく影響していると思います。
第3部では西洋の近代化にキリスト教がどう関わっているかが解説されています。
キリスト教のみが近代化に貢献しているとは考えませんが、キリスト教のユダヤ教やイスラム教と違うファジーな部分が、近代化と信仰を並存させる余地を与えたと思います。
最後の方の日本人の考える無神論が面白かったです。
これは西洋人の考える自由と日本人の考える自由が違うのにも影響があると考えます。
西洋の自由は「信仰の自由」が基本にある感じがするけど、日本人の自由は「神からも束縛されない自由」が「自由」だと思っている感じとか。
後書きにあるように、日本の戦後思想はキリスト教圏である西洋から来たものである以上、そのルーツであるキリスト教を理解することは大切だと思います。
その点宗教色やオカルト色なく論理的に、キリスト教に対して日本人が抱く疑問について解説した本書は大変良いと考えます。
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キリスト教のなんか理不尽なところや、納得いかないところを丁寧に説明してくれていてとても面白かった。グローバルな昨今、「西洋」を理解するにはベースにあるキリスト教を理解しましょう。というのがこの本の主旨だけど。なんかこれっておかしいよ。ってことを跳ね除けるんじゃなくて、どのようにしたら成立するのか考えることはとても面白いし、もしかするとそれこそが愛なのではなんて思ったり。クリスチャンではないけれど、聖書をもうちょっとちゃんと読んでみたいなと思いました。
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結構面白く読んでいたんだけど、途中から「なんでもかんでもキリスト教のお蔭かーい!」と突っ込まずにはいられなかった。科学者の辺りとか特に。おいおいおい。
そういえば前読んだ天皇の血縁者が書いた本ではなんでもかんでも天皇制のお蔭にしてたんだった。何からでも話の持っていき方次第だね。
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海外の文化に触れるときには宗教観というのは重要な観念。文学、映像、美術、音楽どんな分野においても。
自分の場合は海外文学を読むときの大きな手助けとなった1冊。
高校の授業で教わるレベルの知識しかなかったが、対話形式で書かれており、文章もわかりやすい。
宗教の話となると警戒してしまう筆者が多いと思うが、この本はばっさり書かれていて遠慮があまりないところが良い。
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キリスト教教徒だというひとと話すときに感じる、様々な違和感が少し晴れた気がする。
「宗教とは、行動において、それ以上の根拠をもたない前提をおくことである(p.329)」
大澤さんが繰り返しているけど、宗教自体にが持つ性質も重要だけど、はからずもそれがうみだしてしまったものも、同じように重要なんだと思う。
いちいちちゃんとつっこみをいれてくれる、ありがたい本。
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ふしぎなキリスト教 @ ウィキ
http://www32.atwiki.jp/fushiginakirisutokyo/pages/1.html
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学生の時に宗教学の授業を取っていたのだけど、先生はキリスト教徒でもなく、かと言って、アンチでもないという、
何を主張したいのか良く分からない授業で、キリスト教の歴史や
組織がどうなっているのかとかをガリガリとノートに書かされた記憶があります。
聖書は新約だけでなく旧約もすべて読まされたけど(自己申告の課題)聖書についての解釈はまったくなし。
聖書はひとりで読んでもまったく意味が分からないので、苦行のようでした。
「神様、仏様・・・」とまとめてお祈り(というかお願い)してしまうことにまったく疑問を感じない日本人には、一神教という考え方は良く分からないかも。
だから、一神教とはどういうものか、というテーマの部分は良かったと思う。
日本における神道というのは、神様と個人のかかわりではなく、家とか親族とか集落などの集団と神様のかかわりであるから、同じ「宗教」「信仰」と言われても、
まったく別のモノのように感じてしまうんじゃないかってのが私の考えなんだけど。
ちなみに、何か悪いことがあった時の日本人の考え方は「罰があたった」だけど、キリスト教では「試練」と考える。そういう違いも興味深い。
ちなみに、仏教に関しては、宗教をどう定義するかに寄って宗教かそうでないかという判断が分かれそうなので、ちょっとおいておく。
この本の感想だけど、うーん・・・ってな感じだったりする。
私もキリスト教のことが分かっているのかと言われたら、ほとんど分かっていないわけだけど、
私以上に知らない人たちがこの本を読んでありがたがるのは、マズいのではなかろうか。
結構、アレ?と思うことが書かれているし、結論ありきの解釈でかなり強引さを感じる。
イエスが神だと言う前提で話が進んでいたり、宗教画=偶像崇拝だとか、
あまりにもアッサリと書いてあるので、読んでる人は、何の疑問も持たずに
「そうなんだ~」と思ってしまうではないか。
・・・危険、危険。
ただ、ある程度、知識のある人とか、そういう捕らえ方する人もいるんだね~というスタンスで
読める人には、まぁ、面白い本かもしれない。
なんの疑いも持たずに、本に書かれていることが正しいと思っている人には、オススメできない。
この対談しているお二方、社会学では有名な先生だけど、きちんと宗教の研究をしているかというと
それはちょっと疑問。
神がアブラハムに声をかけた事を「渋谷でナンパするようなもの」と言っちゃう先生方に倣って言わせてもらえば
居酒屋で知識をひけらかしたいおっさん達が当事者じゃないのにオタクな妄想を広げて喜んじゃっているような
印象の一冊でした。
まぁ、そういう観点で読めば面白いので、星ふたつ。