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とても参考になります。 歩く速さが、75歳平均で時速3.6キロ。 1秒に1メートル。 1秒に2歩はむつかしいので、歩幅が50センチ以上必要ということになります。 これが横断歩道を安全に渡れるぎりぎりの速さ。 ということで後期高齢者の入口ということらしいです。
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超高齢社会(高齢化率21%を超えた社会)について。2030年問題のこと。まさに基礎です。
今後の高齢社会の進展にともなう、
・高齢者の健康度の改善と虚弱化・死亡の先送り
・疾病構造の変化と医療技術の進歩がもたらした光と影
・疾病予防と介護予防の必然性と明確化
・国民の医療と福祉にたいする価値観の多様化
・高齢者本人の自助努力による自立と尊厳の確立
など広汎なテーマについて、科学的データを織り込みながら概観
(目次)
第1章 2030年超高齢社会のニッポン
1.「高齢社会」の高齢化
2.増え続ける老人たち
3.いま、団塊の世代は元気だけれど・・・・・・
第2章 寿命と健康の変化
1.なかなか死ななくなった日本人
2.データは雄弁に語る
3.たしかに若返っている一方で
第3章 病気予防と介護予防
1.メタボ検診に未来はあるか
2.これが老年症候群だ
3.介護保険制度が発足して何が変わったか
第4章 老化について科学的に議論するために
1.科学的試験によって実証する
2.尿失禁と認知症の予防
3.筋肉の衰えを予防する
第5章 予防の先にあるもの
1.人生晩年の「分岐点」
2.ピンピンコロリの幻想
3.どこで死ぬか
第6章 超高齢社会に挑む
1.後期高齢者医療制度をむぐって
2.地域包括ケアシステム
3.「生きがい」と「歩み」
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きたる超高齢社会について、科学的な視点から解説がなされている。
横断歩道は秒速1メートルを基準に作られているので、年をとって歩くのが遅くなると渡れなくなるというのが新しい発見だった。
歩く速度はとにかく大事らしい。
これから、どんどん高齢化が進む。知っておくべき内容。
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高齢化時代に向かう医療提供者にとって把握しておくべき重要事項が、的確且つ論理的に纏められており、読んでいて飽きることがない。
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散々な批判を浴びた,後期高齢者医療制度についてきちんとした論拠を示した部分が山場.そこに持ってくるまでのエビデンスを著述に網羅している.著者も断っているとおり,医療経済的な記述は薄い.しかし,医学的知見は高齢者問題を論じる基礎知識であることは実感した.
・北欧モデルは人口が余りに少ないので,参考にならない.
・歩行速度別によるI-ADL低下発生率
・変曲点で見切る重要性
・介護予防における運動の重要性
・手段的自立,知的能動性,社会的役割の加齢変化
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タイトル負けしておらず、
久しぶりに手放しにオススメできる本かもしれません。
日本で高齢化が著しいスピードで進んでいることは疑いないことでしょう。
といっても、それが具体的にどんな現象で、
どのように問題として顕在化するのかを、
きちんと説明できる人は多くないのではないでしょうか。
この本は、長く老年医療に携わってきた著者が、
きわめて科学的な視点から高齢化という現象を考察したものです。
例えば、昔に比べて医療や福祉、公衆衛生レベルが向上した結果、
高齢者は元気になってきている(若返ってきている)現実があるのにも関わらず、
いまだ政策等で65歳以降を「高齢者」と一括りすることの妥当性の低さを指摘しています。
後期高齢者とされる75歳以上は統計学的にも生活機能の低下が著しく、区別する妥当性はあるということ、
男女間においても、加齢による身体の衰弱過程に大きな差があるということ(女性は筋骨格系の老化の進行が速い一方、男性は動脈硬化などによる血管病変が進みやすい)、
(=ゆえにたとえ粗くても高齢者を4つのクラスタには分けるべきだということ)
など。「高齢化」を一括りに論ずることは危険なようです。
また、特定健診などにより生活習慣病を予防する「病気予防」(メタボ健診が代表的)と、
お達者健診などによる「介護予防」に関して、
それぞれ有効なライフステージには時間差があるため、
財政的な面からも効率性や見切りも必要だということが論じられています。
“後期高齢者医療制度”がかつてマスコミ等からボコボコに叩かれたことは記憶に新しいかと思われますが、
著者はこの制度を高く評価していて、当時の批判が全く本質的でなかったことを本書後半で嘆いています。
この主張をするための論拠がそれまでに散りばめられていて、「なるほど」と思わせる場面もしばしば。
最後は胃瘻・経管栄養と患者のQOLの話を取り上げて、
死生観に関する教育の必要性という、非常に大きな問題にも言及しています。
都市づくり行政に今後携わっていく身として。
今後重要性の増す「在宅医療」という領域に関して、
「住宅」にも一定の役割があるということ。
また、高齢者が要介護状態になる過程において、
日常の外出や買い物、金銭管理の能力は比較的長く維持できる(なんとか独りで生活できる)一方で、
「社会との交流や関係性の低下」が閉じこもりを招くということ、
ゆえに“社会といかにかかわり続けられるか”というところに、都市づくり行政の大きな役割があるのかなと感じました。
あまりケチをつけるところがなかったのが若干悔しいですが笑、
非常に勉強になり、何度も読み返したくなる良書でした。
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高齢社会を非常に科学的に、データ的に解説してくれる。特に予防介護の項は勉強になる、これでもか、というくらい実証実験のデータをもって、認知症の発生率やその予防介護の効果を解説。
こんなに超高齢社会の予防に向けてのデータ(10年単位の長期的実験)を日本はしてるのかーと、勉強になる。
介護予防て遺伝子とかデジタルデータで見れるようになったらすごいビジネスだよなー、マジで。(あなたの5年後の歩行障害の発生率何パーセントで、認知症の発生率何パーセントとか。)運動機能の低下予測はナイキあたりが出しそうだが…
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高齢者が増える社会を、前期高齢者増加時期と後期高齢者増加時期に区分して、身体機能の変化に即して今後考えるべきことが述べられている。前期は多くの人が健康だが、後期になると体が衰える可能性が高い。男性は血管系疾患が多く、女性は転倒等の外傷により、要介護状態に陥る。対策は性別によって異なるが、運動は大切ということだった。
団塊世代は日本の高度成長と共に生きてきた人たちであり、価値観は多様化する。そうした人たちをマスで捉えるのではなく、個別ニーズに対応する、というのが企業が向きあう高齢化社会なんだろう。
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75歳以上の高齢者になると、「どういう変化・問題が生じるのか?」を医学的かつ生活の質の視点から、多面的に述べられている。
病気予防と介護予防の健診の指導ポイントは、「やせること」と「太ること」の全く逆。75歳を超えると、健康リスクの分布が変化するらしい。
「歩ける」力(秒速1m以上)を維持することが、認知症やサルコペニア(筋肉量減少症)予防、そして「生きがい」のために、重要なポイントとのこと。
本書に書かれている科学的根拠を持った実践を、全ての高齢者が享受できるまちづくり、これこそが地域包括ケアなのだろうと思った。
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泣けてきました。嘆いても仕方ないのですが、泣けてきました。
なぜなら、今は「こうすりゃいいじゃん」と思うことも、その時が来たら、きっと苦しくて辛いだろうと想像してしまうからです。
如何にして生きようか、ファイトも湧いて来ました。足靴を大切にします。ありがとうございます。
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右肩上がりの経済が絞み始め、収入が落ち込む。過去の大量消費文化にどっぷりと浸かった日本人は巨額な医療費・介護費をはじめとする現在と今後の社会負担の凄まじさとそのリアリティに愕然とし、ただただ戸惑うばかり。今後、超高齢化社会を迎え、この国の膨大な借金と急増する高齢者の借金をどうするのか。間違いなく言えるのは、これまでのような低負担中福祉はもはやありえないということ。巨大な借金と少子高齢化の中で中負担低福祉なのか高負担中福祉なのか、どちらかを選択しなければならない待ったなしの時期に来ている。身の程を弁え息の長い高齢社会を目指しての合意形成が求められている。
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もっとも興味を持って読めたのは、やはり前期高齢者、後期高齢者の健康に関するところでした。老化は足からくる、ということです。だんだん歩けなくなるということが、介護を受けてしまう方向への下り坂をあらわしている。歩けなくなると、まず転倒の恐れがある。転倒は高齢者にとっては、骨折してしまうことも多く、そこから寝たきりになったり、または転倒そのもので命を危うくするリスクがあります。次に、歩けなくなると、尿失禁を防ぎにくくなる。こうなると、オムツを履いたりすることになり、尿がいつ漏れるかという怖れから、外に出ることが不安になって、社会との関わりが薄くなっていき、それによって認知症のリスクが高まります。続いて、歩けなくなると、認知機能の低下そのものの予防もできなくなる。歩くこと、運動をすることで、認知機能を維持したり回復したりできることが、実験からわかっているそうです。最後に、歩けなくなると、筋肉量減少症(サルコペニア)を予防できない。高齢者になると筋肉の量が減っていって、痩せていく人が多いそうです。そうしていくと、認知機能の低下の可能性が高まる疑いがあるそうです。これら、老化の負のスパイラルに陥らないためには、歩くこと、運動すること、という自助努力、そしてそれらを促す周囲からの助け(共助)もときに必要になるんです。人間にとって歩くことって本当に大事なようですよ。といいつつ、ネットのニュースで、
一日一万歩健康法のウソ、みたいな記事の見出しを見ましたが…。まあそこは本書のほうを信じることとします。
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漠然としか認識していなかったこの国の一面を、くっきり明確にしてくれる一冊です。「高齢化社会」と「高齢社会」と「超高齢社会」の違いにはじまって、高齢者を対象にとるべき対策<病気予防>と<介護予防>の区別とその境界年齢、
はたまた性差によって異なる陥りやすい疾患、などなど、統計データを駆使し、現状から今後の動向までクリアに解析。グラフの意味を知れば、(その意味する内容の重さはさておき)その曲線が美しくさえ見えてしまいます。
今ある長寿は、戦後50年以上かけて実現した医療・衛生面と栄養面の向上の賜物。
でもどんなに予防しても必ず必要となる介護について、制度や運営の構築に50年かけてはいられない。客観的でコンパクトな解説に、ぐいぐい引き込まれました。
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超高齢社会の基礎知識をまとめた本。
そもそも高齢、高齢社会の定義とは何か、という点から、なぜ高齢社会になったのか、老化とは何か、などを様々なデータをもとにまとめており、非常に分かりやすい
また、個人的にも健康を維持するためにどうするか、
どのように死を迎えるか、という万人が考えるべき
テーマが改めて提示されている
●ポイント
・福祉などを語る際に北欧の国々が題材にされるが、
その国は人口500~900万人程度なので、参考は難しい
・今後日本は単身高齢者が増えていく
2009年:23% →2030年:38%
特に女性は67%が単身(未婚、死別、離別)
・大都市特有の団地での高齢化対策が必要
地方はすでに高齢化が進んで、割合は変わらない
ただしコミュニティ消失の可能性が出ている
・日本人はなかなか死なない国民(医療の発達)
だが、必ず死ぬ。生老病死の中で死が遠い存在
もっと「死を想う」必要がある=メメント・モリ
ラテン語で自分が(いつか)必ず死ぬ事を忘れるな
→「いつ、どこで、どのように死を迎えるか」
各人が真剣に考え、答えを出すテーマ
・生活習慣病の予防策は、ほぼ飽和状態
・老年症候群は年齢のせいと思いこみ、病院へ行かない
ケースが多い。また病院側もマニュアルがなく整備が
されておらずに対応できないのが現状
・介護サービスだけではなく、介護予防サービスが
存在するが、利用率は低く、低迷
・歩く速度が健康と比例
移動が最初に衰える生活機能であることが多い
・予防策
転倒予防プログラムにより改善が大きく見られる
尿失禁も下腹部の近力を鍛えることで改善
認知に関しても脳の動きを活性化せる運動により
発生率を低下させることが判明
・社会的な繋がり
老化では、まず社会的な繋がり、知的活動、自立的な
日常生活の順番で衰えていく
社会的な繋がりを維持させるかは課題
・介護視点での衰え
歩行→排泄→食事の順番で衰える
・超高齢社会では「歩行」をいつまで維持するかが
最も重要なテーマとなる