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孤児シリーズの2作品目。
少女たちの成長と恋愛模様もたのしめるけれど、
この作品は、自分が年を重ねていくほどに、深みの
感じらるせりふがたくさんちりばめられている。
それは主人公の少女たちの周りにいる大人の女性
が苦しい恋愛の中でみつけた、真実の愛について
の考え方であったり、人生そのものの輝きでもある。
そしてなにより作者がとてもロマンチックで、
もっと知りたくなる価値観を持っていたことが
垣間見られる。
肝心の企業のお家騒動については、この作品で
大まかなことがわかる。
ロマンチックな作品。
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史郎さん、が個人的にすきですきで。
細かいところでいろいろと繋がっているのがなんともいえないです。
すごいなあ。
いろいろ思い出したし、考えさせられました。
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耽美で全編詩のような文体で綴られる
企業戦争に巻き込まれた少女たちの物語です。
いわゆる「孤児シリーズ」。
捨て子の少女が
その境遇から救い出してくれた男性を
密閉された環境の中で愛する―。
というのがこのシリーズの特徴です。
双子のように育った少女のどちらが、
会社社長の忘れ形見なのか。
幼い記憶の底でそれぞれ愛し合った男性は
誰だったのか。
難解な謎解きは、ある意味心理ミステリ。
でも、少女達の愛憎なかばする友情や
どこかひそやかで捻じれた愛を描く方に
力が注がれています。
閉塞した、でも何不自由ない環境は、まるで孤城。
少女たちは蒼白く病んだ姫君たち。
好きな人には、偏愛してしまいそうな
嗜好性を発揮させる作品。
私自身は第一作「雪の断章」の方が
青春小説として読んだとき、友人との関係が爽やかで
良いと思います。
男性側の主人公「高杉」の薄暗さが、どうにもやりきれなくて。
こんな裏表の有りそうな男なら、愛さない方がいいな…。
雪の断章に登場した史郎が、ここにも出てきます。
彼のファンは最後の場面、お読みになるといいかと。
こころが疲れ切っている時に読んだので
厭世的になってしまいました。
少女の片割れはこの世を去りますが、それが
私には後味が悪かった。
ふっと向こう側に行ってしまいたくなりました。
馬鹿らしい…。