電子書籍
時々、天才が現れる
2014/02/07 21:19
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投稿者:HigeTaka - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに天才肌の作家に会った気分です。
素直で、男と女の感情を両方抜群に持ち合わせた作家さんです。
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投稿者:石の庭 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読みました。日常の何気ない人々の営みが巧みに描かれています。
芥川賞受賞作だけでなく、他の2作品もクオリティが高くいい感じです。
夏休みの1日、都会に生きる人たちに思いをはせながらごろ寝して読みました。
楽しめる1冊でした。
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伊藤たかみ氏の描く空気感が好きです。
ずっと前から。
久々に読んだなぁ、伊藤さんの本。
やっぱり好きでした。
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芥川賞受賞作。
芥川賞選考委員が好きそうな話。
現実を現実的に描き切ると、やり切れない思いが残る。
小説を読んでまでこの気持ちにならなくても。と思う人は結構いるかもしれない。
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図書館でジャケ買いならぬ表紙借りしちゃった本が、伊藤たかみさんの『八月の路上に捨てる』
芥川賞の作品を読むのは、綿矢りささんの『蹴りたい背中』以来だ。
離婚を目前にした男と離婚歴のある女の掛け合いが静かに表現されている。
90ページ足らずの短編ですぐに読み終わった。
日常をそのまま切り取ったかのような描写で、過去と現在の想いが交錯する。
読んでいてなんだかせつなくなった。
人の心って複雑でどうにもできない。
思い出は心の宝で、でもそれが大切になればなるほど失ったときの悲しみは大きい。
本にはもう1篇の短編が収録されていた。
『貝からみる風景』という30ページ程度の短編。
こちらも日常の小さなすれ違いを描いたものだった。
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ああ、わかるなあ、ほんと、結婚生活ってこういうところあるよなあ…・・と、少しずつ、大切に文章を拾っていきながら読みました。
初めの一つからずれて置かれた上に、積み木を積み上げていくような結婚生活。グラグラと揺れながら積み上がっていく危うさ。初めから積み直せばいいのに、もう、面倒臭くてそれも出来ず、最後は崩れるしかない。その一つを置くのが自分なのか相手なのか。
些細なことが重なって、本当に一つ一つは些細なことなのに、それがどんどん我慢出来なくなっていく。小さなことに拘って後に引けなくて、馬鹿みたいに譲れなくなってしまう様は、哀しくて、滑稽で、静かに痛かったです。
話をしようと座れと促すのに、頑なに座ろうとせず、ドアノブにしがみつくのを必死に引きはがして争うあたりは可笑しいのに哀しいし、最後のデートで二人で思い出の場所を巡りながら、お互いの嫌だったところを論う場面では微笑ましくさえ感じて、自分も大概な性格をしているな、と思いました。
静かに壊れていくのをどうしようもなく感じながら歩いて行く。最後の五行が秀逸でした。この五行で、この作品がとても好きになりました。
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8月下旬 芥川賞っぽい。表題作がよかった。日常がどんどんずれてくずれていく感じ。伝わってくるイライラがちゃんとこっちに迫ってきて、無駄じゃない小説な感じがした。
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◆あらすじ◆
三十歳の誕生日に離婚する予定の敦は、自動販売機の補充に回る車内で同僚の水城さんに結婚生活の顛末を話して聞かせる。
社会のひずみに目を向けつつ、掛け違っていく男女を描いた、第135回芥川賞受賞の代表作ほか、単行本未収録の「安定期のつれづれ」等、夫婦のそれぞれのあり方を鮮やかにとらえた3編。
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伊藤たかみは、青春もの(学生の甘酸っぱい感じ)の小説しか読んだことがなくて、大人が主役だと、このひとはどんな物語を書くのだろうと思っていた。この本に、すごく胸をつく一文がのっていた。その一文からタイトルがきている。その一文のための小説のような気がした。主人公は紛れもなく大人。何者にでもなれると信じていて、でも何者にもなれなかった大人。でもこれも青春。むしろこれこそが。まぎれもなく青春の物語だと思う。
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たんたんとした日常の中の、現実のやり切れなさや物悲しさ。
お客様の手紙でスーパーのスナック菓子への問い合わせに「妻も泣いています」と応援コメントするくだりがお気に入り。
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短い本にしては時間がかかった。
離婚とか夫婦の話とか自分が共感できないのはやっぱり読みにくいね。
でも人間関係とかはおもしろかった。
読み始めたら読みやすかったし。
自分的には表題作より「安定期つれづれ」の方がおもしろかった。
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2010.08.07 A
「八月の路上に捨てる」:表題作。敦と知恵子の関係、特に喧嘩のシーンが秀逸、リアル。
だからお互いに欲しいのは…、のくだりが、本当に素晴らしい表現。
水城さんみたいな人でも、また誰かと居たくなるのか、と考えさせられた。
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離婚を目前にした結婚生活の回想、男女の関係がどうしようもなくなっていく時ってこんな感じなんだろうと思う。「旧姓の実印」という言葉の圧倒的なリアリティ!そして最後のデート。芥川受賞の表題作はとても良かった。残り二編はハッピーエンドすぎて物足りない感じもするけど、後味の良い話。いずれも女性作家の描く男性主人公だからファンタジー入ってるかもしれないけどね。
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結婚生活を終えようとする男性の心の描写が、すでに離婚し、新たに歩み始めた女性を軸に書かれている。みんな、真剣なんだよな、と思った。よかった。
伊藤たかみは「ミカ!」「ミカミカ!」以来、久々。
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脚本家になる、という夢を
追うことも諦めることもできないまま自販機の飲み物補充のバイトで日銭を稼ぐ主人公。
バツイチの女性社員と、仕事の合間に
自身の結婚や離婚について語る。
妻だった女性への愛情や、
愛ゆえに切り離せない憎しみのようなもの
平坦でいられない、その「仕方なさ」は
すごくリアルでもの悲しくもあるし
客観を保ちさえすれば微笑ましくもある
灰色の日常、穏やかな寂寥、
その中の諦めと肯定。
必要にも邪魔にもならないかわり、
文章はさすがにさらさらと綺麗。
併載作には「鮎子」キャラ。レア!☺
三作ともただよう色は似てるけど
共感さえしなければ、
きっと平和で美しい小説だとおもう