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大阪関係の本を探していて、出逢えた一冊。
史実とどうなのか調べていないからまだわからないけれど、この本を読む限り、江戸期大阪の天文学者のレベルは凄かったよう。
ちょうど、大阪の街づくりの本なんかを読んでいると、公儀よりもずっと自分たちのために商人やなんかが中心となって大阪というまちを作っていっていた事が知れて、目を見張っていたところだったので、大店質屋の十一屋が江戸の陰陽師らの天文予想をはるかに超える蘭学での天文実測で名を馳せていたという話にはリアリティを感じた。ぞんがらす(太陽観察用のガラス)の事とか、大阪の天文学の展開について、興味深くさらに知りたいと思った。
街を歩くシーン、当時の食べ物、着物、まるで観てきたよう歩いて来たように書かれていて、作者はどれほど勉強して来られたんだろうとも舌を巻く。
そして、その基盤がしっかりしているからこそ、物語がすらすらと読めてしまう、時代ものミステリーになっている。
キャラクターも魅力的で、シリーズがこの後2作あるけれど、どうなるのか、楽しみでならない。