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投稿者:むさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「堕落」という言葉を使っているので誤解が生じるが、偽りの正しさ、しがみついているものから脱却するということを言っているんだな。
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読みました。読めました。
堕落論も白痴も、まぁいってみれば私たち人間への警告文です。
戦争という時代背景なしにしても、私たちは常に悪いほうへ悪いほうへと流されている。
むしろ自由を手に入れた今こそ、危機にさらされているのです。
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原作から読もうと思ってちょっと読んだけど、難しかったからやっぱり漫画から。
戦時中は、お国のためにとか、天皇のためにとか、そういったもので国が一丸となって取り組んでいるということに美学を感じていて、それが「美しい」と言っているけど、そんなのはむなしい「美しさ」であって、真実の美しさではないと。じゃあいったい人間の正しい姿って何?ってことを言っています。
で、じゃあそれは?というと、欲しいモノを欲しいと言い、好きなモノを好きとい言い、嫌なモノを嫌いと言い、好きな人を好きと言う、という本当にしたいことをすることなんだよってことです。
戦争だって本当はしたくないのに、天皇の命令だから、それが国のためだからって言って、さもしたいことのように言っているけど本当は違うでしょ?そんなことやめようよ!って話でした。
それが安吾の言う「堕落」らしいです。深い。原作読んで深そうって思って漫画から読んでみたけどやっぱ深かった。耐乏の精神とか、神風とか、すべて歴史的大欺瞞だと。天皇制も歴史的カラクリでしかなく、天皇がしたから〜とか言って天皇を利用しているだけだと。
こんな考えしたことないわ〜。
そして最後の結論もおもしろい。この歴史的カラクリ、歴史的大欺瞞に気づいても、人間は落ちきれない存在で、結局このカラクリに頼ってしまうという。
だから歴史は繰り返されると!
漫画でも理解困難だったし。。。
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マンガで読破シリーズ。堕落論(前編)→白痴→堕落論(後編)という順番で書いてあります。
堕落論は、論説文を無理矢理マンガにしたようなものなので果たしてこれが原作に忠実かといわれると少し微妙な気がするのですが、まあわかりやすくできていると思います。特攻兵の表情の、なんと自信に満ち溢れていることか。「靖国で会おう」って約束も何だか実際にしてた人がいそうですよね、これ。
戦争という負の部分を美しかったと表現し、物欲に支配され利益を求める人間を堕落しているとするならば、現代人は全て堕落していることになります。それどころか資本主義、なんて名乗っていれば全て堕落しているといえるでしょう。しかしそれは人間らしいことであり、決して悪いことではないと、この本は語りかけます。
白痴は、検閲が蔓延る戦争時代に芸術家であろうと試みようとする伊沢と、おそらく知的障害がある人妻サヨの人間愛に関する話なんですが、マンガにしてしまうと何だか人間的にリアルな部分の魅力が薄れてしまうなあ、と感じました。私がマンガを読みなれてるせいかもしれませんが、豚に乗るサヨの描写のところで、原作では明らかに「奇妙だ」と取れる行動も、マンガにすることで「ユニーク」「シュール」くらいに印象が和らいでしまうような気がするのです。伊沢が圧倒的な威圧感を覚え、この話の核ともなるサヨが爆撃に怯える描写も、白目になって、大きく口を開けて…などといったことを再現してみると確かにマンガのようになるとは思いますが、原作を想像しているものと大分異なるような気がします。故に「人」というより「キャラ」という印象が抜けず、イマイチ身近にリアルを感じ得ない、という。
これが小説とマンガの創造性の違いなのか…これに関してはやはり原作を読まないことにはどうしようもないかなあ。
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お国の為に死ねますか、時代を生きるものたちへのメッセージ。
その昔、政府は戦意向上を作らせるのに必死になってた、こんなクソみたいな映画なんて作りたくない伊沢だったが、生活の為に流されて行く、そんな不満な状態の中、異端な女サヨに出会い奇妙な同棲生活を送る事になる、生きるとは何か、脱落とは何かを教えてくてるヒューマニズムストーリー。
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おそらく文章だけだったら「読破」できなかったと思いますが、本当に読んで良かったです。タイトルから想像していたのと中身も違っていたので、さらに驚きました。今の時代でも読むべきものだと思いました。
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悪くないんだろうが、まんがで読破シリーズに少し飽きてきている。やはり漫画では伝わらない深さがあるということか。
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戦後日本の堕落した部分。
小説であれば難しく読めなかったであろうが
このシリーズですんなりと読むことができた。
アンゴが時代を移動することで
このような時代があったということをわかりやすく
紹介しており読むことができてよかった作品である。
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いつかは読もうと思ってずっと読んでない坂口安吾。大学の時からだから、かれこれ20年近くこの状態でした。今回この本で、読んだ気になってしまいそうですが、やっぱりいつかは読みたいと思います。
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人間は生き、人間は堕ちる。
人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。
人間という生のどうしようもない弱さ、その冷徹な事実と共にそれでも生きる一筋の光を観ている。
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まんがで読破シリーズ。坂口安吾が書いたのは堕落論と文学史で丸暗記しただけで、原著は読んだことはない。
堕落論はエッセイで、白痴は小説でともに終戦すぐに発表されたもの。その二つを組み合わせてまんがにしているんだけど、特に堕落論の部分が原著をオマージュにして現代につなげた書き方で書いているものだから、余計にわかりにくい気もする。
とりあえず、先の大戦を生き抜いた人たちがどんな思いをしていたかということを、終戦の日直前に、胸に刻んでおこうと思う。
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墜落論を前後編に分け、間に白痴を挟み込んでの漫画化。
坂口安吾の視点も現代から過去に飛んで描かれている構成になっている。
第二次世界大戦が終わって、日本は急速に変化した。
戦時中にあんなに一体化して、虚しい美しさに溢れていた。
「あの偉大な破壊の下では 運命はあったが 墜落はなかった 無心であったが充満していた」「しかし人間の真実の美しさではない」「人間の正しい姿とは何ぞや?」
・・・まず、戦時中が美しいかったということにも、そして、人が墜落してゆくのは戦争のせいではない、と言うのにも驚いた。
人が墜落するのは人だからだ。人間は元来、そういうものだ。
墜ちて墜ちて、そして這い上がれと。
時代が変わって価値観があべこべになったように見えても、それは上面の皮の上だけのこと。
天皇の制度についても、「祭り上げる」ほうが実権を握るに楽だからだと。
今読んでもなかなか刺激的な内容でした。
白痴についても、現代では描きにくい題材だと思う。けど、空襲の最中、サヨの死を願いつつも見捨てては行けず、未来に不安を抱えつつも、捨てていけるほどの張り合いもないと一緒にいる井沢にホッとする。
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学生の時に読んでいたが、もう一度読み返して見ようと思った。
でも、読み返しみても分かったような、分からなかったような、とにかく内容が難しい。
人間は流されて生きている、というのを言いたいのかな、とそんな曖昧なことしか感じ取れなかった。
もっと色んな本を読めば分かるようになるだろうか。
学生の時もあまり意味を理解できていなかったと思う