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選民意識を軽蔑する一方、市政の人々の暮らしなど皆目見当もつかない。いつの時代にも見られる話。まさに歴史は繰り返すか。
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第4巻。妹ルクレツィア、工場の放火騒ぎ、フィオレンティーナ団ジョヴァンニとラファエーレ枢機卿との晩餐会、護衛なしで街探索。
ミゲルとアンジェロの関係にも良い変化があります。アンジェロのセリフ「自由とは場所に存在しているわけじゃないんだ。真の自由とは人の心の中に存在するんだ」は印象的でした。表向き、この時代では理想論にしかならないのでしょうが。
しかしミゲルがかっこいい。そしてまさかジョヴァンニにもほっこりすることになろうとは。マキャヴェッリの関連本も読みたくなります。
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ペドロ・ルイス、切れ者お兄様っぽかったけど、暗殺されちゃったんだー。そして、つかの間の休息に、チェーザレにも魔の手が!
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借りたもの。
チェーザレの妹・ルクレツィア。近親相姦の噂がついて回る美貌の姫君のお姿を遂に拝顔……可愛らしいそのお姿。
今では抵抗のある、女性に対しての教養不要論…(マナーや美しさは重要視されるけど)男の寵愛を争う女の闘いが不穏でもある。
当時のカトリックの価値観で、聖職者に妻帯は許されないにも関わらず、関係を持つ婚姻を結ばない女性を“淫売”と蔑み、その二人の間に生まれた子供は庶子となる……
領主のような当時の聖職者。彼らの抱える男性優位な矛盾は現代との差から一般人には抵抗を覚える。
チェーザレはメディチ家との繋がりを持って父ロドリーゴの教皇選出への後押しをする地盤固めをするものの、ロレンツィオの体調不良や工房の火災などのトラブルが。
間諜をこなすマキャヴェリの有能さよ。
彼の言葉から、フィオレンティーナの勢力争いの均衡の危うさが伝わってくる。サスペンス感がたまらない。
また、さらっとチェーザレの血――レコンキスタを支えたボルジア家一族――の解説もされる。その勇猛果敢・猪突猛進ゆえに世界に変革をもたらし、疎まれ破滅する……
後半のお忍びでフィオレンティーナの祭りを楽しむチェーザレとアンジェロ。街並み、人々の描き込みがやはり素晴らしく、活気が伝わってくる。
庶民の生活からだいぶ浮いてしまうチェーザレの言動に振り回されるアンジェロが微笑ましい。
“過ぎたるは及ばざるが如し”正に。
巻末の『マキャヴェリとチェーザレ・ボルジア』は、『君主論』にイメージされるマキャヴェリのチェーザレ礼賛ではなく、史実と照らし合わせ、マキャヴェリが冷静にチェーザレを分析していたことが伺える。