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1巻レビューでも書きましたが、
これはぜひ2冊揃えて読んでいただきたいです。
2巻では1巻の人形たちのその後、といえばいいのかな、
が描かれています。
やはり読後感の苦さとなんとなく漂う「死」のイメージは健在。
意外なところで別な人形のエピソードが出てきたり。
何度も繰り返し、
なおかつ2冊を読みまくってこそ謎が解けるものです。
別に謎解きがメインじゃあないですが。
そういう意味ではスルメですね。かめばかむほど。
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彼の本の読み方として私のソレは外れていると思うのであるが
現代社会の日常に身を置いていると自由という概念に注意が向くことはあまりない、特に西洋と日本における自由概念の差異を感じることは全くと言っていいほどない。
ただ私の様に、西洋の思想なりなんなりを少し学んでいると西洋と日本の背景の違いに押しつぶされそうになるのだが、この作品ではそれがいとも簡単に超克されている。
これは性=生と死を中心テーマとして扱っていながらも純真であるが故に西洋の伝統からの決別が出来ている。「なるたる」においても「理性」の汚れをしらない少年少女の真っ白なセイが描かれていることに驚愕させられたが、「人形」の「少女」を題材としていながら―していることにより西洋の価値観から見事な決別を果し、その上で「自由」が語られている。確かにヴァン翼が描かれている舞台はフランス革命後のヨーロッパであり、それを暗示している箇所は幾つも見受けられるがヨーロッパ的精神の扱われ方が如何に空虚な飾りに終始しているかは読んでもらえれば分かるだろう。
西洋を通り越して描かれている「自由」「人形」「少女」は総会ですらある。
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そこから産まれ そこに還る か
オレまであの娘の 子供のような っておめーも違うんだっけ
さようなら 小さな黒い翼の器
街へ戻ったら大きな黒い翼を作ろう 名も知らぬ母のことを想って
(第7話 ヴァンデミエールの火葬)
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1巻に出てくる人々やヴァンデミエール達のその後も、書かれています。
1巻と2巻を照らし合わせて読むと、あぁこういう選択をしたのかと
キャラクター一人一人の選んだ人生に心を打たれます。
2巻は総じて、「死は新しい生を生む」ことがテーマとなっており
命のサイクルと新しい命の躍動が感じられました。
1、2巻通して本当によくまとまってる話だと思います。面白かったです。
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未レビュー消化。人間にごく近い人形の話。その人形のほとんどは翼を持ち、自由への象徴として羽ばたいていく姿が印象的でした。気に入ってるのは第7話のヴァンデミエールの火葬。他の姉妹とは違う世界との繋がりが希薄な彼女が、自分の身体を燃やすことで世界と繋がり、少女の糧として羽ばたいていく行程がとてもキレイだった。
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良くまとまっていると思うし、この人は短編でも
きちんと内容に深みのあるものをつくれる人だと思う。
でも、個人的にこの作品は趣味じゃないな。
多少のグロさはこの作品には必要だったと思うし、
読んだ後どうしようもないやりきれなさが残るところは
すきではあるなんだけどな。
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あ、なんか割といい話なのか。でもカタルシスはない、あくまで静かな感じ。最後までよくわからなかったけど、読後感は悪くなかったな。
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1巻とは違って残酷さはあるものの、いい話が多くてよかったと思う。最後に話が繋がってよかった。2巻で終わりなのがちょっと寂しい。
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この作者は「ぼくらの」「なるたる」が有名らしいが、
読んだことがあるのは「短編集 残暑」のみ。
線が細く、華奢で、絵そのものが切なさを感じさせる。
淡々とした描写。
機械式人形という魅力的ではかない存在。
話も故意にわかりづらくしているのか、接続詞がない映画みたい。
しかし全編を通して伝わってくる情感は、驚くほど、濃い。
「ポーの一族」を少し髣髴とさせる。
ともかく傑作。
うまく感想がまとめきれない。
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1〜2巻 よかった。舞台設定としての世界観は「ラピュタ」みたいなのだが、その中での少女+人形(こう書くとちょっとアブナイな)に対する視線は、まさに「異形としての哀しみ」に満ちている。じっくり読み直して自分なりの読みを細かく書き起こしたい。