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藤沢周平作品は、何度でも読み返したくなる。
20数年ぶりの再読。
著者が作った架空の町=本所しぐれ町に暮らす人々の日々の暮らしの哀歓を描いた市井もの。
登場するのは、女癖が悪く女房に実家に戻られた若旦那、女房に若い男と出奔された夫、性悪女に騙される隠居、裏店で健気に生きる子供たち、等々。
脇役が次の話では主役になったり、また別の主役が今度は脇役になったりと、回り灯篭のような連作12編。
著者は、人間の弱さへ共感しながら、彼ら彼女らを愛情を込めて描いている。
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しぐれ町という架空の江戸の町を舞台にした短編集。ところどころ差し挟まれる「ねこ」タイトルの話。タイトルで「お、きたきた」って思っちゃう(笑)。あのしょーもない男はどうしてんだか…って思っちゃう(笑)。
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市井の人達の日常的(?)な話しで、後が気になるのは小間物屋の栄之助、自分が描いた商売の方向と反対へ向かわざるを得ない事を暗示させて終わっているからです。
藤沢周平さんの作品は好きですが、何故かこの作品は間に他の作者の作品を二冊読んだり時間が掛かりました。
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20140421 市井に生きる人達の物語。ストーリーの展開が巧妙に絡み合っていてだんだんふくらんでくる。生きるということはきれいごとではないが何処かに救いがあるから最後は暖かい気持ちになるのだと思う。
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旦那の浮気現場を見ちゃって、家出した奥さんが、大家さん達になだめられているシーンで、奥さんが「このおっさんたち何笑ってんの?!」って感じで怒ってたけど、なんでそういう女性の気持ちを男性なのにちゃんと理解して、しかも表現できちゃうんだろ?凄いなぁ、作家って。
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鼬の道
猫
朧夜
ふたたび猫
日盛り
秋
約束
春の雲
みたび猫
乳房
おしまいの猫
秋色しぐれ町
一見平穏に暮らす人々の心に、起こっては消える小さな波紋、微妙な気持ちの揺れをしみじみ描く連作長編。
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江戸の架空の町での住人の機微を物語る。ちょっとした悪さ、失敗をやらかすが、根っからの悪人はいない。どちらかといえば、人の弱さが丸出しになるような滑稽ささえ垣間見えるところが、読んでて安心する。2016.6.10
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内容(「BOOK」データベースより)
浮気に腹を立てて実家に帰ってしまった女房を連れ戻そうと思いながら、また別の女に走ってしまう小間物屋。大酒飲みの父親の借金を、身売りして返済しようとする10歳の娘。女房としっくりいかず、はかない望みを抱いて20年ぶりに元の恋人に会うが、幻滅だけを感じてしまう油屋。一見平穏に暮らす人々の心に、起こっては消える小さな波紋、微妙な気持ちの揺れをしみじみ描く連作長編。
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途中まで読んで、ひと月あまり中断してしまったので、せっかくの連作をふいにしてしまったのが残念。
作品の素晴らしさ十分に味わえず、もったいないことをした。
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江戸深川、本所しぐれ町。
市井の人たちの人情物語。
人情味溢れ、温かな物語。
読んだ後に、思わず笑顔になってしまう。
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♪~わびしさよ せめて傷心のなぐさめに ギターをとりてつまびけば どこまで時雨ゆく秋ぞ トレモロ寂し身は悲し~♪ 酔っぱらいの父親熊平を支え、与吉、おけいの弟、妹を養い、父親が卒中で死んだあとは父親が遺した借金を「親の借金は子の借金」と高利貸しから借金して返し自分は女郎屋に。そんなおきち10歳に呆然とするも、料理屋に採用されほっと一息。それにしても、栄之助、佐之助、与次郎とダメな男のオンパレード(怒)。茶漬け屋「福助」、飲み屋「おろく」、一度行ってみたいです(^-^) 藤沢周平「本所しぐれ町物語」、1990.9発行、12話、連作短編。
畠山健二さんの「本所おけら長屋」(シリーズもので、続行中)、とても面白いです。藤沢周平さんの「本所しぐれ町物語」(1990.9)もなかなかですw。連作12話、再読。12話が微妙なインタバルでつながっているので、名前、店、男女関係などの識別・フォロウが難儀でしたw。「福助」「おろく」「亀屋」、一杯飲んでみたい店です。健気な10歳の女の子、おきちに幸多かれと思います! 男女の仲ほど不思議なものはないですね(^-^) そして、一寸先が闇なのは、昔も今も変わらないことでしょう。
居酒屋の女将さん(ママさん)、聞き上手で、ちょっと色っぽくて、少し儚げな佇まい・・・。単身赴任で過ごした松江、札幌、宇治、そんな居酒屋で随分お世話になりましたw。藤沢周平さんの描く本所しぐれ町、この町にもおりきさんが営む「福助」があります。連作12話の長編物語「本所しぐれ町物語」、1990.9発行、再読。一番の白眉は、飲んだくれで、借金をこさえ、でも子供の躾はしっかりしてた父親が卒中で急死、10歳のおきちは、借金を借りた金で返し、自らは花町に。でも、世間はそんな律儀な子供を見放さなかったです!
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架空の町「本所しぐれ町」に暮らす人々の様々な人間模様を描く12の連作。
その中で「おしまいの猫」はチョット怖い。
旦那持ちのおもんが間男である栄之助の店先を行き来して意味深な笑顔を見せたのは、あまりお見限りだと色々と面倒な事が起こりますよという脅しなどではなく、2人の仲を知った旦那がおもんと組んだ罠に栄之助を嵌めるための前振りではなかったかと思うと女性の怖さを感じるなあ。
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たそがれ清兵衛、花のあとに比べて政治的なことが一切絡んでない分めっちゃ読みやすかった。
しぐれ町という町で起こる小さな事件や日常のあれこれが集まった短編集。
登場人物たちがすべての物語で繋がってるからそれも面白かった。
私が一番記憶に残ったのは「乳房」。
帰ったら家で夫が浮気してる現場に出くわしてしまって、しかもその相手が近所の人っていう最悪さ。なのに怒って家を裸足で飛び出したことを周りの人はぜんぜん理解してくれなくて口々に「おとなげない」だの旦那さんが迎えにきてるんだから「かんべんしてやれ」だの「かわいそうなほどしおれて謝ってきてるんだから」だの勝手なことばかり言う。
挙げ句の果てには浮気相手の女の人のことを巨乳やしたぶらかされても男なら仕方ないとまで…
無神経すぎてドン引きした!
おさよは家を飛び出したところで行く宛もないし結局最終的には帰るわけやけど…こんなもんかあと寂しくなった。現代なら女性ひとりでも働いて遠いとこにでも引っ越して生きていけるのにな。
なんか腹立った(笑)
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江戸の市井の人々の悲喜交々を描く連作長編。わずか十歳の少女が死んだ父親の借金のために自ら女郎屋に身売りする『約束』は読んでて辛かったが、作者はちゃんと少女に救いの手を差し伸べる結末を用意していた。よかった(^^;;