紙の本
MBOの極端な好事例;具体的目標と責任・報酬
2013/05/13 06:53
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kwt - この投稿者のレビュー一覧を見る
目標管理制度(Management By Objectives)を導入したときの中間管理職の振る舞いについての好事例を紹介していると思う。ただし,ジョブスというカリスマがいて,トップから具体的指令(たとえそれが好き嫌いに対する激昂的な反応であったとしても)があってのことであるから,話半分で。
松井氏の指摘のように,効率化を進めることは会社を空洞化させていく,これもまた,正しいことであるが,本書の狙いはあくまで,目標を与えられたときの達成に向けての協業事例であろう。精神的なことながら,これは,wetに流されやすい我が国においては参考にしたいところである。
ただ,弟6章に至って,自己研鑽的側面が強くなっており,職住近接など,願っても適わぬお勧めが述べられている。ここは,オフィスが空き自社物件に引っ越して2時間痛勤を強いられている私にはカチンと来るので減点です!
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1992年から2009年までの16年間、Appleで勤めた方の本です。倒産寸前のAppleから今のような大躍進するAppleの両方を見た著者が、何故Appleは復活したのかという事を、自分の体験を元に書かれています。
何故Appleは復活したのか?それは、環境を変えて、仕事のやり方を変えたからだと著者は言います。とても仕事をするような環境じゃなかった社内を、制度や仕組等、職場環境を改善することにより、皆がいい仕事を出来るような環境を作っていくことが大事だと書かれています。
秘密保持契約(Non-disclosure agreement)もあり、Appleの内部の事をほとんど書くことができないのでしょう、Appleの中の話というよりは、そこで得た経験を元にどういう風に仕事をしていったらいいかという話が中心になります。
どの話も非常に参考になる話が多いので、今の仕事に限界を感じている方や、新入社員の方が読まれると良い本だと思います。
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スティーブ・ジョブズやアップルの関連本も百花繚乱の様相を呈しているが、本書の著者はアップルの中の人。著者が入社した1992年、アップルは不良が跋扈して荒れている底辺高校のような、ひどい状態であったのだという。
そのどん底時代からスティーブ・ジョブズが復帰して以降の黄金時代まで。16年間に渡って、著者が内側から見続けたアップルのBefore/Afterこそ、本書の最大の見所である。
スティーブ・ジョブズが暫定CEOに就任してからのしばらくは、恐怖政治のような状態が続いたのだという。利益よりも自己満足が優先されていた数々のプロジェクトは一掃。敷地内での喫煙は禁止、ペットの連れ込みが禁止、勤続年数に応じて与えられるサバティカル制度の廃止、等々。
その中でも一番の改革は、働く環境を変えたことにあるのだと著者は力説する。それなら、具体的にはどのような方向を目指したのか?それはシンプル志向というものだ。アップルの製品そのままに、組織そのものもシンプルにしたことが、さまざまな効果を産みだしたのだ。
また、社内政治や上司との付き合い方という泥臭い部分にも踏み込んでいるのが、特徴的だ。社内政治の熾烈さはシリコンバレーの中でも屈指といわれ、ポジションが上がれば上がるほど激しさを増していくのだという。まさかの状況に出くわさないためにも、社内の情報によく通じ、商品開発用にウリを作り出し、情報発信をしていかなければ生き残っていけないそうだ。
組織にせよ人にせよ、それらが活動する基になるのは「環境」である。変化の激しい時代ではあるが、「環境」をどのように味方につけて、生き抜いていくか、そんなヒントが満載の一冊だ。
※本書は、(株)アスキー・メディアワークスの吉田様より献本いただきました。吉田様、どうもありがとうございました。
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想像していた「インサイド・アップル」的な内容ではなく、著者のアップルでの経験を元にしたビジネス書だったが、いろいろ示唆に富んでいた。
148ページの「自分が人間的に優れているから上司になったわけでもなく、部下が自分より劣っているわけでもないのです」という文は肝に銘じておかなくては。
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著者は、アップルでiPodやマッキントッシュ等のハードウェア製品の品質保証部のシニアマネージャー等を務めた方で、ジョブズ復帰前のひどいアップルの状況からジョブズ復帰後の再生の過程を経験されている方で、アップルの内情が若干ですが垣間見えます。
ですが、この本の言わんとしているところは、そのアップルで学んだ、環境を整えることによる人、組織の変化についてです。
人間は弱い生き物で、どうしても今所属している環境から少なからず影響を受けます。そのような環境をどのようにして変えればいいのか、レイアウト等のハード面から社内政治の振る舞い方、上司を味方につける方法、自己の磨き方などソフト面にも言及されています。
特に参考になったのは以下の点です。
・日本=登山感覚の製品開発
アップル=サーフィン感覚の製品開発(コストとのバランス、仕様書にとらわれない開発、開発状況の定点観測)
・コンセプトづくりやデザイン等、開発の上流にお金をかけずに優れた製品を作ることはほとんど不可能
・日本のメーカー=訴求力はないが不具合だけは少ない製品
アップル=価格相応の品質を求め、人的リソースを効率よく活用する
・やりたいことリストを自分の寿命があと10年、5年、1年だったらの3パターンで作り、3つに共通しているものから優先的に実行する
・生活リズムを作る(準備、実行、後始末)
・説明上手になる
さっそく、やりたいことリストを作ることに決めました。
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では、どうして、ジョブズにはできて私にはできないのだろう。どうして、アップルにはできて、他の会社にはできないのだろう。
---
前半のアップルでの経験談は興味深く読みました。後半の一般の「ビジネス書」のような切り口の部分は、私には不要でした。
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(元)中の人がアップルについて書くっつーので期待して購入。
前半で語られる昔のアップルのダメっぷりがおもしろい。
後半は自己啓発書的内容だけど、これまたなかなか感じ入るところがあった。
「失敗を恐れず何にでも挑戦しよう」とか、言ってる事は珍しくもなんともない普通のことだけと、ビジネス書、自己啓発本を乱発してる詐欺師とは説得力が違う。そりゃそうだ。
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これは非常に刺激的な本でした。
丸亀製麺に感謝。。。
大崎ThinkParkの丸亀製麺の隣の本屋で見つけました。
なかなか面白い本屋です、ここ。
アップルの簡素な事務手続、どんなもんか知りたいですね。
うち、めんどくさい手続きばかり。。。
この辺のsimple思考・指向は監査でも指摘していきたいです。
その他、マネジャーとしていろいろ試してみる価値のある取り組みが満載でした。
また、第5章では、上司を味方につけるということで、部下の役割・仕事の仕方が書かれていますが、これは僕自身もそうだけど、それ以上に部下に知っておいてほしいことがたくさん。
提案はないし、目線が担当者レベルだし、言われないとできないし(言われたこと以上をしない)、、、
アップルとここは似ているのかもしれませんが、競争の激しい会社。
競争相手は社内だけでなく、社外にもいて、成果を出し続けないと、ほかの優秀な人間を雇った方がいいわけです。
そういう危機意識の希薄な人ばかりになると会社の成長もおぼつかない。この点、再認識できた点で、刺激的な本でした。
いまこのタイミングで出会えてよかったです。
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アップルの内側で学んだことが書かれているが、アップルではなくてもどこの会社でも活用できることが色々書いてあった。
「自由と自己責任のバランスをとっていくこと」、これは国を問わず、当たり前のことであるにも関わらず、日本企業では国民性なのかなかなかシビアに対応することができない。もしかすると、転職した方が本人の可能性を拡げることにもなり得るが、労働市場であったり、価値観の問題もあってなかなか浸透していかない。
日本企業は技術の活かし方だけではなく、ヒトの活かし方までもがガラパゴス化していることを改めて感じた。
<メモ:激動の時代を生きていくうえで、できるだけ心がけておきたいこと>
○自分の人生を生きる
・やりたいことのリスト作り
・他人の期待値を生きない
・失敗を恐れない
・考えすぎない
○生活にリズムをつくる
・身軽に生きる
・職住の距離を短く
・昔の生活を取り戻す(早寝早起き等)
・未来の課題を今日の課題にする(1年先のスキューバではなく、1週間後のプール練習等)
○視野を広げる
・何でも挑戦する
・ネットワークを作る
・転職のオプションを持つ
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Appleで勤められたときの経験をいろいろと書いていらっしゃる本ですが,Apple社内の様子などを興味深く読みました。また,組織としてうまく機能させるには? と言う視点からの記述も多く,いろいろ考えるネタも多くありました。
1年間とは言え,Silicon Valleyにいたときに,自分で考えたり,感じたりしたことが文章として書いてあり,「同じことを考えていらっしゃるんだ」と思うと同時に,やはり文章として書かれていることを読むことで,向こうで経験した1年間の体験を新たに認識して,その経験を大切にしようと思って読みました。やっぱり,人間は異分野からの刺激を,適宜取り込まないとダメなんですね。
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伝記『スティーブ・ジョブズ』は主にジョブズの目線で書かれた内容だったが、本書はCEOがジョブズの復帰前後で変化したアップルについて社員側からの目線で書かれている内容で新鮮だった。
トップが変わることによって、いかに社内雰囲気が変わって今の世界一の企業になってきたのかが、解りやすく読みやすく書かれている。
後半は著者がアップルで働いていた時に経験した、持論を元にどのように会社でやりたいことを実現させるか。また変化めまぐるしいこの時代をどのように生き残っていくかのアドバイスが紹介されてる。
文章自体が解りやすく読みやすいできになっているので、
洋書を翻訳したこの手の本に比べて、スッと頭に入ってくる読みやすさが印象的。
一番驚いたのが、あとがきで書かれている著者の今。
アップルで管理職をしていた著者なんと、クパチーノで保育園を経営しているという予想外のあとがきが衝撃的でした^^
著者の人柄が出ている良書。
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アップルの中の人が書いた本ですが、アップルと自分の半径5mでは比較できることが少ないなと思います。やめたきゃどうぞ。って言えないところがあるということをわかって欲しい。何かを改善させたい時にその原因として意識という単語を用いないで解決を図ることについては同意です。結局仕組みをいじるしかない。
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アメリオがもっと評価されても良いのではないか、というエピソードが印象に残っている。彼の始めた取り組みがジョブズの仕事をしやすくしていたのだろう、きっと。
社内政治の話も興味深い。自分のいる職場では関係ない話だと思っていたが、広い目で周囲を見渡してみると関係ない話でもないことに気付く。参考になった。
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話しかけるような文体のおかげでとても読みやすいと思います。
ただし、深い内容ではないので、どこかの話題が自分の関心にヒットしない場合には、おもしろくないかもしれません。この書籍を読んだ人は、著者の松本さんをフォローしてみると理解が深まるかもしれません。
内容は、前半と後半で大きく異なります。
前半は、アップル時代の経験に関する内容ですが、Goole、Amazonも同様ですが、USの先端企業がどのようなものか情報がないので興味があったのですが、肝心なことは守秘義務があるため、教えてもらえません。ちょっと消化不良でした。
レイアウトについては、トヨタの改善チームも同様なことをしていると思います。評価基準に違いがあるかもしれません。マネージャーしかできないので、まずはマネージャーを目指す必要があります。
・アップル(ジョブス)に関すること
・アップルでのマネージャー経験について
・働く環境としてのレイアウトについて
・品質管理について
後半は、今までの人生を振り返りを元に、「生き方」の提案をしています。
・生き方について
現在、日本では、戦後から高度成長期を通じて構築された日本社会のひずみが表面化しています。イスの増えない、いす取りゲームに挑戦するのではなく、むしろ、自分でゲームを作ったらどうでしょう?という提案と受け取りました。
ちょうど、自分も3/30(金)に約20年間勤めた会社を退職しました。子供の教育費が必要という考えから、2年くらい単身赴任していました。しかし、いざ、新しい一歩を踏み出してみると、いろんなことに囚われていた自分に気がつきます。いきなりは無謀なので、その気のある人は、新しい道を選ぶことができるよう準備することが重要だと思います。
重要なことは2つです。
・自分は本当は何したいんだろう?
・それでカネ(生活費)を稼ぐためには何したら良いのだろう?
多くの人が幸せな人生を歩むことができることを祈ります。
----------------------------------------------------
アップルの成功を支える方程式
p.46
「
組織は、ある一定以上の大きさになると、それ自信が意思を持ってしまうようなところがありますから、複雑な組織を作るとてんでバラバラの方向を向いてしまう傾向が強くなります。
」
p.77
「
アップルでは、仕様書は変わっていくモノという暗黙の了解があります。
」
p.82
「
アップルにおける品質管理部の役割とは、品質を「保証」しようとする努力ではなく、開発中のプロジェクトの状態を定点観測することで、その製品が出荷可能なレベルにどの程度近づいているのかを測る機能を果たしていました。
」
「
製品開発とは、製品のコンセプトやデザインなどの妥協すべきでないところは妥協せず、生涯の総数、製造での歩留まり率など妥協すべきところは妥協しつつ、会社と顧客の双方がハッピーになれる価格と価値のバランスを探る行為ではないかと思います。
」
最良の環境を得る
理想のレイアウト
��行錯誤
ツアーの申し込みが絶えないほど評判になった。
p.163
「
しかし、アップルを辞めさせられた日、目の前の霧が晴れるような、そんな晴れ晴れとした気持ちになりました。
...
アップルからのレイオフは、自分の人生の中でも最良の部類に入る出来事でした。
」
社内政治と賢くつきあう
上司を味方に付ける
p.88
「
責任と自由をセットで与える。
」
己を磨く
本当にやりたいことはなんだろうか?
常に身軽でいよう
(1)考えると不安になる
(2)考えただけで何かをしたつもりになる
(3)考えただけでわかった気になる
(4)考えた時間に使った時間が惜しくなる
(5)決定事項にとらわれて柔軟性を失ってしまう
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「未来の課題」を「今の課題」と考える。
そんなことが印象的だった。明日は何があるのか分からない、ましてやこの世界が密接に関係し合い、とてつもない速度で変化を続ける社会なら尚更だ。「将来は…」と考えるのではなく、「今・・・する必要がある」と考えて行動に移していくことが大切だと感じた。
本書では人間の本質を冷静に捉えて、それに合わせた環境づくりを行い、人をプラスの方向に変えていく方法が著者の経験に基づいて書かれている。
一般企業に働いている人だけでなく、「人」に関わる仕事をしている全ての人達(教師等)にもお勧めの本である。
事実、著者はアップル退社後保育園を経営している。
*補足:評価が低いのは、自分が今迄読んだ本で書かれていた事が沢山あったから。