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全体のスタンスは、クランボルツの計画された偶発性によってキャリアはつくられるという考え方。その計画された偶発性をよびこむためにはどうすべきかのhow to。
ちょいちょい哲学や戯曲からの引用があり、教養を感じさせられる(いやらしい感じではなく)。
■コンサルティングファームでは「戦略とは引き算である」らしい。ありたい姿ー現在の姿=問題→それを解決するのが戦略
そしてこのバックキャスティングはキャリアには適用され難い
→よって、計画された偶発性によるキャリアの積み重ねが正しい
なぜなら、未来は予測しがたく現在は変化に富む世界であるから
■尽く(ことごとく)書を信ずれば即ち書なきに如かず(孟子)
ノウハウ本を読むことの無用性について
自ら、何のために何が必要か、どう見せればいいかということは考えればいい。答えは外でなく内に求めてみなさいと。
■新卒採用の問題点
誰だって、最初に行ったレストランに生涯行かねばならないといわれたら、誰だって嫌がるだろう
■ルサンチマン(キルケゴール)とは
ぶどうがぶらさがっているときに、リスクをとりに行ってもぎとりに行かなかった人たちがもつ、「あのぶどうはきっとすっぱかったにちがいない」という嫉妬や羨望・劣等感の入り混じった感情の集大。
ニーチェは、ルサンチマンをもつ人々は、変化を恐れ、まわりの人と同じであるということに価値を見出すとした。
■人生を見つけるためには、人生を浪費しなければならない(リンドバーグ)
■好きと憧れを混同しない
好きだと思っていることに関連する書籍を読み漁ればわかる。読んでいるときにわくわくせず、その仕事についている自分を想像するときにわくわくするだけであればただの憧れだ。
■何をすべきかではなく、自分は何が譲れないのかというキャリア・アンカーを認識する
■計画された偶発性、キャリアの転機はそれほど親しくない人柄からもたらされる
「弱いきずな」理論は確かに社会心理でやった!
仕事への取組み姿勢程度は知っている同僚レベルの関係
■パッシブセイフティの考え方
世の中の9割の人に英語はいらないという日本マイクロソフト社長の考え方に対しての異論。
では、エアバッグを実際に必要とするのは全体の1%だが、だからといって99%の人に不要だという議論はおかしいのではないか。
パッシブセイフティという考え方が抜けている。(保険などもそう)
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冒頭からいきなりカラヴァッジョ「聖マタイの召命」。天職とは神から与えられるもの。自分が世界に何かを求めるんじゃなく、世界は自分に何を求めているかっていう発想。もちろんただジッとその時を待つのではなく、いい偶然やチャンスに対しての心構えについて(セレンディピティっていうんだっけ)、コンサルならではの論理展開で読ませてくれる。
著者の仕事体験のエッセンスから読書論まで、お得な気分の一冊。キャリア論だけど良質なビジネス書でもある。ここ数ヶ月で読んだ新書の中ではピカイチ。
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ありたい姿を描きそこに向かってキャリアを積むという考え方が主流だったが、プランドハプンスタンスのように、偶然の成り行きがキャリアを作っていくというのが現実的。そのため、よい偶然を呼び込む言動を日ごろより心がけるのが一番。具体的には、自分の専門外でも広く好奇心を持つ、最初はうまくいかなくても続ける粘り強さ、一度決めたことでも状況に応じて対応する柔軟性、意に沿わないことでもポジティブに捉える楽観性、失敗はつきものと考え恐れないリスクテイク。
また、適職を考える上ではキャリアアンカー、つまり自分はどういう働き方が好きなのかを知っていることが大事。私は専門・職能別コンピタンス、自立・独立の要素を重視するタイプなので、実は組織向きではない。
仕事には2タイプあり「課題先行型」「好奇心駆動型」がある。広告代理店のような仕事は前者、新規サービス開発のように自分で課題設定やマーケティングを行って仕事を作り出すのは後者。この二つは全く求められる要素が異なるので意識すること。
エモーショナル・サイクル・カーブ。プロジェクトや新しい仕事・職場に対する期待と失望と持ち直しの浮き沈み。必ずあるので、沈んだ時に諦めてしまうのではなく、そういう時期だと自覚すること。下降時になるべく早く抜け出すには、1.そういうものだとオープンに受け入れる、2.昔のことは忘れる、けりをつける
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最近、集中的に読んでいるキャリア本。著者は、新卒で電通に入社後、ITベンチャーの役員、コンサルティングファームなど世の中でいう華々しいキャリアの方。キャリアのみならず、働くこと自体も考えさせてくれる作品。小難しく書かれてなく、全体的に嫌味もなくとても分かりやすい。特に印象に残ったものは、「宙ぶらりんの状態に耐えること」。
また、ちょいちょい歴史の偉人達のメッセージが引用されているが、その最後のメッセージがドラえもんというのが、洒落乙です。
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電車に乗る前に5分で選んだ1冊。適当に選んだがおもしろかった。キャリアの転機を与えてくれるのは親類、親しい知人でもなく、異業種交流会で会うような遠すぎる関係の人でもない。その中間の人というのが納得。自分も能島さんだったしなぁ。そういう関係をこれからも増やしていけたらいいなと思う。
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終身雇用は日本古来の美徳なのではなく、太平洋戦争の忘れ形見に過ぎないとの指摘に思わず感じ入ってしまいました。
じっくり読めていないのでもう一度読む!
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現在無職の私も転職というのは日々意識していること。
しかし大学の時も現在も「就職ビジネス」というものに懐疑的なものを持っている。
就職はやはり人生を左右する。でも本来受けるべきこちら側がビジネスの側面として操られている感じがどうしてもする。
例えば離職期間が長いとダメとか、転職回数が多いとダメとか、限界年齢30歳説とか…。
これだけ世界の変化が早くて、今日の常識が明日通じない世の中で上記のことだけは後生大事にみんな思っている。
これでは何時まで経っても人材の流動性は上がらない。
などなど自分で思っていたことに関して本書では様々な方面から指摘している。読んでいてキャリア形成に関しての心構えや考え方がブラッシュアップされたような感覚を持った。
今から就職、転職する人はもちろん、会社務めのジジイ、ババアにこそ現状を知る上で是非読んでもらいたい本だと思う。
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このタイトルでこの内容はミスマッチな気がする。
「天職は寝て待て」って書かれたら、今、無職の人やキャリアで悩んでる人たちが読みたいと思わせる本だけど、結論的には筆者が41歳記念に人生振り返ってみた「名刺代わりの本」ってことね。
天職にはどうやったらつけますか?って人は読まない方がいい。
あくまでも副題の「キャリア論」を述べてるだけだから。
論文です。
筆者の体験談や自慢話で、この本を手にとった切羽詰まった読者の悩みは解決できない実用的ではない本。
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逆バリ的なタイトル
思わず手にとって見たくなる。
まず印象深いのは、著者の芸術・神学・心理学といった領域への造詣の深さ。これらの事例を交えた解説が、実に面白い。
次に文章の滑らかさ。これは広告代理店とコンサルティングファームを経験しているからでしょうか。後者だけだと、ロジカルではあるがつまらんといった文章になりがちな気がする。
内容だが、あるべきを描いて、そこから逆算してキャリアを考えるというのは、あまり現実的ではなく、(これは山崎元さんも2年より先は予測ではなく想像といったことをいっている)であれば、ある程度偶然に任せよと言っていると理解。
とはいえ、偶然の効用を最大化するには、それなりの努力と心構えが必要とも言っている。
キャリア論に詳しい訳ではないが、新しい枠組みを提示した1冊といえるのではないか。
耳が痛い話として、仕事のネイチャーが「課題先行」なのか「好奇心駆動」なのかというところ。
どちらに優劣があるわけではないが、前者に身を置く人間として、「課題を与えられなければ動けない奴」とは思われないようにしたい。
与えられた問題を解くのではなく、自ら問いを設定することを心掛けたい。
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要約すると「鬱になりそうならすぐさま転職しなさい。そうでないなら、一度これまでこびりついた自己愛やら虚栄心を清算してじっくり考えてから、行動を起こしなさい」ということか。先ごろ読んだクランボルツ&レヴィン『その幸運は偶然ではないんです!』と同じことを指摘しており(実際に引用もされている)、いまどこに立っており自分がどういう状態なのかを冷静に見極めることで、展望が開かれることが多いと説く。あと「平均への回帰」。人生は帳尻が合うようにできているから、目先の損得に惑わされるな! 思い当たるフシがある。「果報はキョロキョロしながら身構えて待て」ということか。あと、二十代、三十代は、馬車馬で行こうということらしいです。もちろん心身の健康をギリギリ保つことが条件です。
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転職前の思考を示唆する本として有用であると思う。掲載されている参考文献はキャリアを思い描くことに悩む人の光弾の矢になるかもしれない。
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夫からの借り物読書 いくつか面白い話があった
寝てまてっていうのは、マニュアル通りの転職活動をしないで、自分とよくむきあって自分で動こう、という意味かなーと解釈しました
自分の会社員のイメージは、かちかちだったのねときづいたのは大きな収穫
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面白いけれど、話がときどき飛びすぎるような気もする。著者の知識の深さに驚きつつも、ためになる話だったなと思う。攻めの転職のときに失うものも考えるという発想はなるほどと思った。
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面白かったですよ。
本題に入る前に、誰に読んで欲しいか書いてあって良いと思った。
好きと得意や、人脈力、攻めと逃げの転職とか、興味深かった。
もちろん全てを鵜呑みにしてもダメだが。
ちょっとだけ著者の経歴が華々しい感じで、鼻につきました。
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電通からネットベンチャーを経て、コンサルティング会社に転職をした、山口周氏によるキャリア論。
内容は転職How to本でもなく、転職のススメ的なものでもない。自らの経験を元にした仕事に対する考えや、向き合い方が紹介されている、という感じ。例えば仕事に対する「好き」と「憧れ」の混同、パーソナリティと仕事のズレ、高報酬による内発的動機の粉砕などなど、別に転職を考えていない自分にも、とても参考になる考察が多い。
特に労働の対価はお金だけではなく、「誰かの役に立っている、世の中に必要とされている実感」、という考え方には賛同。昔はよく、宝くじが当たったら会社なんか辞めて悠々自適な生活を過ごしたい、なんて思っていたが、最近は実際そんな生活に身を置くと、毎日が退屈で仕方がないんだろうな、と考えるようになった。
今のところ転職の希望も需要もないが、「いま、目の前にある仕事に誠実に取り組み、一緒に仕事をしている人たちに誠実に接すれば、人生はきっといい方向へ向かう」、という一文が非常に印象に残った。