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「新宿歌舞伎町案内人」こと李小牧が「ニューズウィーク日本版」に連載していたコラムをまとめたものです。あらゆる欲望が渦巻く街で見続けてきた人間が書く記事は他の人間にはかけない切り口があります。
「その国のことを知るには、他の国から来た人間の残した文献を読むのが一番いい」
現在は退職なされたそうだが、 僕が大学時代、唯一まじめに受講していたO教授の授業で彼が残した言葉である。後に僕が、新宿歌舞伎町に入り浸るようになった頃、何人かの「住人」と交流したり、彼らの生態を見るにつけ、一般社会のルールとは違う「掟」にのっとって生活しているような気がした。
だから、一度この街を離れたときに李小牧の本を手に入れて全て読んだ事があるが、
「あぁ、なるほどなぁ」
と思うことがいくつも散見できた。今回紹介したこの本は、『ニュースウィーク』の日本語版で連載されていた彼のコラムを単行本化したものである。20年以上も『不夜城』である歌舞伎町で「案内人」として路上に立ち続けていた李小牧が見た(僕は彼にあったことはないけれども) 『路上の記録』でもある。
この本を読んでいると、体が無性に疼いて歌舞伎町ののネオンに誘われている自分がいるので、少しそういうところが厄介ですが…。