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本書の要旨は終章で次のように書かれている…
1 日本の隣国中国は、経済・軍事両面で米国と並ぶ大国になる。
2 この変化の中、米国は中国を東アジアで最も重要な国と位置づける。
3 2020年頃、中国は米国に経済的に追いつくことが予想される。
4 軍事力で米中が接近する状況で、米国が日本を守るために中国と軍事的対決することはない。
では、そうした中、日本はどうあるべきか…
それは選択肢のある問題ではない。本書では次のように書く。
―日本には軍事的解決の選択肢はない。
平和的解決の手段しかない。
…であるならば、従来の対米追随のありかたは、見直されて
然るべきなのだろう…残念ながら現在の日本の政治に、
その萌芽はない。本書で述べられる「東アジア共同体」は、
非現実な理想としても、ボクらは、どこへ向かうべきか考える時だ。
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気になった言葉のメモ
中国は大国化する
アメリカは日本よりも中国を重視する
それを見極め日本としてどうするかを考えるのがこの本の目的。
日本の課題は日本人が厳しさを認識できるか。
日本の最も適切な戦略とは。
国際情勢への関心の低さ。
自身への関心が高く
他者への関心が低い
2011年末に書かれた本書の予言は、2015年の今も生きているように見える。
中国のバブル崩壊などと煽っていたメディアの論調もすでに見られない。むしろ、中国経済は大きく成長し続けている。
日本は経済も人口もジリ貧状態。
こういう中で中国とどう付き合っていくか。
戦略的な思考が必要なことは不愉快なほどによーくわかった。
あとは、教育にどう活かしていくべきなのか?
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非常に論理的な持論の組み立てだが、すべては中国が米国に比肩する経済大国になることが前提になっている。日本人がこれを認めたがらないとのことだが、その前提はこれまでの成長トレンドと米国人へのアンケートがベースになっている。が、ちょっと待って欲しい。本当に過去のトレンドがこの先も続くのか?
経済成長率は生産年齢人口の増加率に大きな影響を受けるが、一人っ子政策によるdemographyの歪により2013年には中国のそれは減少に転じたと言われている。またこの数年間の高度経済成長は、経済原理を無視した無理な設備投資に支えられており、全成長率7%の内4%がそうした過剰な投資効果によるとの推計もある。これ以上の無理な投資はさすがの独裁国家でも不可能だ。更に中国には知財の蓄積がほとんどないため、成長鈍化と労務費増加によって外国企業が逃げだせば独自路線での経済成長は困難だ。一方で米国はイノベーションと戦略的外交で益々その影響力を増している。
こういった疑念は不都合な現実から目をそらしているだけなのだろうか?自分にはそうは思えない。