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勧善懲悪の話ではないので、あー、スッキリした(^-^)的な感想はありません。そういう意味では、リアリティに溢れてるのかも。
今生きてる世界には100%の悪や諸悪の根元はないものね。
それこそ【そういうことになっている】といか言いようがないのかもしれない。
会話のテンポや皮肉な物言いは、すきです。ただ、やっぱり拷問描写は呼吸困難になりそうでした。
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結局主人公の奥さんが何者かは不明なまま。強すぎかつ怖すぎ。
世の中はそうなっているのだ。
10/20,21 の札幌往復の飛行機の中で一気に読んだ。
10/14 17:00 Amazonから予約品が届く
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面白かった~
やっぱり伊坂作品好きだわ。
私の苦手なシーンもあるんだけど、そんな緊迫したときでさえ、フフって笑えてしまう登場人物たちの言葉のやり取りとかが、力を抜いてくれる。
ありそうな話だなぁって怖くなる。
今でさえデータが盗まれたり、個人情報だって簡単に見られてしまう世の中だもの。
政治家さんだって信用できないし、世界規模でおかしくなっているし、人の心もなにもかもが・・
スケールの大きな、考えさせられる作品だと思いました。
そして、登場人物それぞれがとても魅力的なのも、伊坂作品の好きなところ。
でも、本当に面白かったわ~
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伊坂幸太郎らしい作品だな、という印象。あとがきでも触れられていたが、『ゴールデンスランバー」と双対をなす作品だと思う。結末には同じものをかんじる。
複線を回収しながら次々と展開していく物語。作者の考えがストレートに伝わる気がした。
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このラスト、たぶん不満を感じる人もいるのでは。でも僕はこれはこれでアリなのだと思いました。最後の主人公のセリフも良かったし、伊坂さんらしい傑作だと思います。
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巻末の著者あとがきおよび酒井の解説は、本作の成立の経緯や内容について詳しく述べているのだが、正直なところ、真価がどこらへんにあるのか、僕にはちょっとわからなかった。
心覚えとして書きとめておくならば、、「システム」についての議論は、村上の「ノルウェイの森」でのワタナベと先輩カップルの会話を想起させる。
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たまにこんな風に小説を読んでいて、自分に誂えられているんじゃないかって勘違いをしちゃうようなことがある。
没頭して、勢いで読んでしまった。近未来に連れ去られたはずなのに、どうしようもなく、今を考えさせられる。
この夏あたりから、機能化について考えてんの。
効率化だったり、細分化だったり、マニュアル化とも呼ばれるそれ。
音声ガイダンスに従った電話は良い例。千原兄弟のコント。
それに結びつけたものは、コロニーの意志。
したらば、こんな物語になるのだなと思って。
スパイスは暴力と夫婦愛、それから幻魔大戦と超能力。
作中に挿入された小説も、読みにくくて結構好かった。
潜水した後、きちんと浮上して帰ってこれるような終わり方、読後感もすき。とりあえず『魔王』を読み直そう。評価を再考せねば。
誰かひとりいれば、それでいい。
そんな境地に達することができたらと思わずにいられない。
*文庫化に際して、本筋には関わらない加筆修正があったことを書き添えておきます。
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自分にとっては、これぞ伊坂作品といった感じ。
現在を描写してるようで、戒められる。
こう書くとMっぽいが、中でも「細分化され良心を失う」という指摘は、痛い。
でも、ホント面白かったです。
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魔王でしっくりきていなかったものが、本作でかなりすっきりする。合間の会話のやり取りが絶妙。
妻のキャラも最高。
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『魔王』から50年後の世界の話。『魔王』は不気味な雰囲気で、曖昧なラストだったりしたけど、その「よくわからない感じ」に引き込まれた。今回の『モダンタイムス』は、『魔王』の時代にはまだ見えていなかったものが具体化されたような作品。ドS?な主人公の妻や拷問男、胡散臭い小説家らクセのあるキャラクターたちの、メッセージ性たっぷりなセリフで展開される。
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友人作家の助言をもとに悲惨な事件の真相に迫るシステムエンジニアの渡辺。この世界はシステムに覆われている!?
著者が同時並行で執筆した『ゴールデンスランバー』と対比させられる本作にも“らしさ”は健在。緊張感の高まる場面にあっけなさも含ませたギャップと、主人公の妻に見られる言動の面白さとキャラクター性。
人は「真相」を知りたいと思うけど、そのことを利用されて翻弄される。そこで試されるのは、“勇気”…
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今日、1人の独裁者が選挙で選ばれた。この作品では、しかし、その独裁者でさえ「システムの中の一つ」でしかないと述べている。
「自分たちのはめ込まれているシステムが複雑化して、さらにその効果が巨大になると、人からは全体を想像する力が見事に消える。仮にその、「巨大になった効果」が酷いことだとしよう。数百万人の人間をガス室で殺すような行為だとしよう。その場合、細分化された仕事を任された人間から消えるのは?」
「何だい?」
「『良心』だ」
「まさに、アドルフ・アイヒマンか、それが」岡本猛がストローで氷をまた、かき回し始めた。
「じゃあ、その仕組みを作った奴が、一番悪い奴だ」私は単純に言い切る。
「機械化を始めた奴が?誰だよそれは。それに仕組みを作った奴だって、たぶん部品の一つだ。動かしているのは、人というよりは目に見えない何かだ」(上巻P278-P279)
なんだかだんだんと伊坂幸太郎が芥川のように思えてきた。頭がよくて、社会の本質を見据えているのに、社会を斜(しゃ)に構えて書くことしかできなかった、そして自殺した人物。
この作品の中でも芥川の言葉が印象深く引用されている。
「危険思想とは、常識を実行に移そうとする思想である」
ところで、芥川の場合、「危険思想」とは「社会主義思想」のことであった。果たして伊坂の場合、どうなのか。「人というより目に見えない何かだ」というのが、私にはマルクスの「人間疎外論」のように思えて仕方ないのであるが。
そして「アリは賢くない。しかし、アリのコロニーは賢い」という「国家」というものに、斜(はす)から捉えた小説になった。
いつもの伊坂に比べて、伏線として使われる「名言」が嫌にひつこく使われていて、「切れが悪いな」と思っていたら、どうやら漫画週刊誌の「モーニング」に連載されていたらしい。その読者用に書かれたのだと思い、納得した。結果、同時期に作られた「コールデンスランバー」のような傑作とはなっていないが、「伊坂らしい」作品になった。
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いろんな要素がいっぺんに詰め込まれたような物語。
登場人物などは魅力的だし、心を揺さぶられるようなセリフも沢山あったけど、テーマとしては今更で少々くどいような気が・・・。
あまり自分の好みには合わない小説だった。
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'私は、私に相談もなく、そんなことまで言っている'
「目を逸らして、生きてるんだ」渡辺拓海
「勇気は彼女が。彼女が持っている。俺がなくしたりしないように」渡辺拓海
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忙しくてしばらく積ん読状態だったのですが、読みだすと期待を裏切らない展開の連続で、滝から落ちる水のようにあっという間に読みきってしまいました(^_^;)
社会の生臭い部分が文章になって目の前に現れたようで考えるところもあったりするけれど、そこに独特のユーモアが利いていて、とんでもない変化球のような印象。
途中「ゴールデンスランバー」を思い出すような節があったけれど、同時期に書かれたものと知り、納得しました。
すっかり忘れてしまったので、「魔王」を読み返したくなる今日この頃です。