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楽天の社長、三木谷浩史さんの著書です。
2年前に世間を驚かせた、社内の公用語をすべて英語にするという宣言から早二年。
ついにその時期がやってきた。この2年間の楽天の取り組み。そして英語にすることで起きた変化、社内での言葉を英語にする理由。壮大な実験ともいえるこのプロジェクトの結果(まだまだ終わりでなく、これからもこのプロジェクトは続いていく)をこの本で明かしています。
第1章 社内公用語英語化を宣言
まず、何故三木谷氏は、社内の公用語を英語にしようと決断したのかについてです。2009年11月に参加したある合宿で、2006年時点で日本のGDP比率は世界の12%だが、2020年に8%、2035年に5%2050年にはわずか3%に落ち込むという予測を聞く。日本のGDP比率が世界の3%に下がる以前に、日本は人口が減少し、マーケット規模は縮小していく。2035年時点で5%ということは、世界のマーケット規模の20分の1である。逆に考えれば世界には日本の20倍の市場が存在することになる。衰退していく日本の中で、それなりに強いプレーヤーとしての地位に甘んじるのか、それとも真のグローバル企業となるのか。三木谷氏が選んだ答えは、真のグローバル企業になることだ。創業以来、世界一のインターネットサービス企業になるという目標を掲げていた楽天にとっては、答えは一つだった。グローバル化の推進は、選択肢の一つではなく、必ず実現させなければいけない生命線だった。
2005年あたりから楽天は海外でのビジネス展開をそれないりに進めていたが、どうも効率が悪いと感じていた。その効率が悪い原因を考えるうちに直面したのが言語の問題だった。通訳を介すために意思疎通がワンテンポ遅れてしまう。何より、一緒にビジネスを進めていくという一体感を持ちにくかった。また、将来の世界進出をにらみ、オリジナルなサービスを生みだしていくためには、日本だけではなく広く世界から優れた才能を持った人材を雇い入れなければいけない。
グローバルな経営を実現するには英語によるコミュニケーションが不可欠であることを悟った。
では、どうやって英語化を推進していけばいいのか。楽天に勤務するインドと中国の社員たちが、わずか3ヶ月で日本語を喋れるようになっていた。どうして彼らはあんなに外国語の習得が早いのだろうか。理由は、彼らが日本語の環境に置かれているから。言語をマスターする上で重要なことは、その言語になるべく長く触れ、使う時間がじゅうぶんにあることだ。
その時に三木谷氏はひらめいた。終始、英語に触れられるような環境を社内に作り出せばいいと。社内の基本言語を英語にすることを決断した。
三木谷氏は仮説を立てた。英語をマスターするのに必要な時間を。楽天に勤務する外国人が日本語を習得するのにだいたい3ヶ月。そこから1000時間という必要時間が出てきた。1日2時間、忙しいときでも1時間は英語に触れる時間を作り出すことは可能なはずだ。そうすると、およそ2年で1000時間を超える。2年間で社内公用語を英語にすることを決断した。
社内の反発や、想定していなかったストレスを抱えていた社員もいたりし、英語を習得するためのプロジェクトも軌道修正をしながら、��強く推進していった。壮大な実験が始まった。
第2章 楽天英語化プロジェクト・スタート
昇格用件にTOEICのスコアを入れた。ただ昇格用件に入れるだけでなく、自分の肩書きにあったTOEICの点数はあとどれだけ必要なのか分かるよう、KPI(Key Perfomance Indicator)日本語では重要業績評価指標を作り、目標を数値化し、社員全員が自分に必要な点数があとどれくらいか分かるようにした。また成功事例を社内の部署間で共有出来る仕組も作った。ここで楽天社員の英語の勉強方法の実例が紹介されています。この部分の実例はこれから英語を勉強する方には参考になると思う。
第3章 英語は仕事
2011年の新入社員に対し、入社するまでにTOEIC650点以上を獲得しておくよう求めた。新卒研修を終えて、配属の時期となる頃にも170人が未達成だった。三木谷氏はその170人をどの部署にも配属させなかった。その代わりに、勤務時間中に英語を勉強させた。仕事をせずに、英語を勉強している彼らにも、ちゃんと給料は支払っていた。仕事として英語を勉強させていたのである。
当初は、社員の自主性に重んじていた英語学習だが、個人差もあるため、会社として支援策を充実させていった。
第4章 楽天英語化の中間報告
最初に、表や図で楽天の英語化の状況が説明してある。この2年間で楽天社員のTOEICの平均スコアは161.1点アップしている。しかし、「読む・書く」はできるが、「聞く・話す」はまだまだできていないということも分かってきた。今後の課題はリスニング・スピーキング能力の向上とのこと。
その他にも、楽天社員で英語が苦手なのに海外転勤させられた社員の言葉が紹介されている。英語が得意な社員を海外へ転勤させるのではなく、あくまで仕事ができる人間を転勤させたからだそうだ。多少英語ができなくても、環境が変われば英語は話せるようになるだろうという読み通り、彼らはその高い仕事能力を発揮し、英語をマスターしたそうだ。
第5章 楽天グローバル化計画
楽天の次なる目標はグローバル化をし、売上げを10兆円を越すことだ。そのために、これからどうしていくかということも書かれている。
第6章 グローバル化は日本の生命線
日本人唯一の欠点、グローバルなコミュニケーション能力。特に、この能力の重要な要素の一つ、英語力が日本人には不足している。もし日本人に英語力があったならば、今日のような経済的凋落を招くことはなかった。英語を通じて、世界のビジネスの動向に注意を払っていれば、もっと早い段階で「ものづくり神話」は崩壊するという認識を持つことができたはずだ。今からでも遅くないので、国家レベルで、国民の英語力の底上げに取り組むべきだ。実際に楽天の社内公用語を英語にして、ますますその思いを強くした。この2年間で最初はたどたどしかった英語を話す社員達も、今では普通に英語を使って仕事をしているのを見ていると、誰でも英語を話せるようになるというのを自信を持って言える。
でも何故英語が話せないのか。日本の英語教育に問題があると指摘する。どのような英語学習が必要なのか、ここで三木谷氏が説明している。
また、これから楽天社内で培ったこの英語化のノウハウをすべてオープンにして公開していくそう���。(個人的には、この壮大な実験のおかげで、楽天の新しいビジネスも生まれるのではないかと思う)
この実験データのおかげで、これからの日本の英語力アップに貢献することを期待したい。
最後に、三木谷氏の今の気持ちを書きながら、次に取り組みたい事は、プログラミング言語を社員全員に習得させたいとのこと。たしかに、僕もコンピュータを使っていると、プログラミング言語が分かるといいのにと思う場面がある。プロレベルとまでいかないまでにしても、ある程度プログラミング言語が分かることで、楽天はますますグローバルに競争力を持つ会社になるでしょう。
この本は、グループ7000人以上の日本人全員が英語を習得するという実話です。そのためにとても説得力があります。どんな英語学習本より説得力があると思うと同時に、これからの厳しい時代を生きていくためには、僕らは置いていかれないように日々英語の勉強をし英語をマスターしていくと同時に、その先に目指す物を見つけていく必要があると痛感しました。
何事もがむしゃらに取り組めば結果は出る。そんなことをこの本は教えてくれます。
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「環境を作る」という考え方は素晴らしいと思う。普通の企業では、TOEICに限らず、簿記でもビジ法でも自己啓発がする環境がない。
英語公用化により「英語が特別でなくなった」という記述も興味深い。
そして、これをきっかけに日本の英語教育を変えるという思いが満ちていて野心を感じる。
勉強が評価される会社が羨ましい。
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ちょっと仕事で関係するので読んでみた。
三木谷さんの著書を初めて読むけど、考え方は至ってシンプル。社内英語公用語化も「必要だからやる」だけ。だから表面的にしか理解をしない外野か何を言われようが全くブレない。この姿勢は好きだし見習いたい。
目的、目標をしっかり見据えれば、自分自身の軸ははっきりする。英語力の向上が楽天をEC市場で世界一にするのに必要だからやる。それ以上でもそれ以下でもない。だから「たかが英語」なんだろうな。
俺も早く「たかが英語」って言えるようにならないと。
It is English after all.
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2010年三木谷さんは楽天は2年後に社内公用語を英語にすることを宣言。当時自分はまたなんか目立とうとして三木谷さんは言っているくらいしか思っていなかった。
しかしこの宣言以降、取引先の大企業は合言葉のように「グローバル化」を提唱するようになった。
2012年7月楽天が宣言から2年。英語公用語本格導入となった今、
三木谷さんの先見性・行動力・実行力には改めて脱帽した。
一つ知りたいことがある。
著書では当初TOEICが400点台の人が800点台になったなどの成果論はあるが、きっと中には英語を使わなくとも楽天で多大な利益を生んだ人物もいたのでは?・・・そんな人が「英語公用語化」の経営方針にはついていけず辞職した人は居なかったのか?居たとしたら声を聞いてみたい。
今回の実験は日本を揺るがすほどのものであるし結果的にはもちろん成功といえる、失ったものもあるが得たものに比べたらそれはとても小さなものにすぎない。
何十年後、三木谷さんは松下幸之助とともに日本を代表するリーダーとして語り継がれていくのだろう。
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楽天の「英語を社内公用語にする」という試みを知って以来、新聞の記事やらで見て興味があったので、この本も発売後すぐ購入して読了。
うーん。
三木谷氏が目指すこと・考え方は、すごくよくわかった。
が、やっぱり私は「そこまでしなくてもいいんでは」という派かな。
日本人相手に仕事しに会社に来てるんだから、そこでなぜ英語をしゃべらないといけないのか、という疑問が拭いきれない。(本の中で詳しく述べられていたが)
ここは植民地か!って言いたくなる。
私が楽天の社員ならぜったい辞めてる。
『日本人の9割に英語はいらない』の中で成毛眞さんが、楽天のその試みををバッサリ批判していた。
両極端でおもしろい。でも、私はどっちかというと成毛さんの意見に賛成やなー。
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ゴールドマン・サックス・グループの発表した調査結果で、将来日本のGDPが減少する傾向にあることと、少子高齢化による人口減少に、三木谷社長は懸念を抱いた。そこで出した結論は、社内の公用語を英語にすることであった。
英語と長く触れられる環境を作り、自分で使える時間があれば、英語は上達する。本当に必要なのはコミュニケーション能力であり、実際は意味さえ通じればそれでいい。
文法重視の、閉鎖的な学校教育では苦手意識が生まれ身につかない。今後グローバリズムの流れに乗るなら、すぐにでも英語の勉強を勧める・・・という主旨の内容です。
三木谷社長は、英語に対して苦手意識がありません。本書を読むと、自分が実行した「英語公用語化」の判断にも、妥協や不安が全く感じられませんでした。
賛否両論に分かれる見解ではありますが、社長の前向きな姿勢と、苦手意識を持たないという面は見習いたいです。これは英語だけに限った話ではないですからね。
英語の勉強方法というより、「三木谷社長の成功のコツ」を知りたい方にオススメの本です。
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昨晩に届いてあっという間に読了。
楽天の三木谷社長の熱いヴィジョンが書かれている。
この7/1より楽天の社内は「英語公用語化」されたようだ。会議、書類、社食のメニューも会話も全てが英語で行われ、「日本語を捨てるのか」といった批判もあるけれど、グローバル・ヴィジョンで考えたら、むしろ遅過ぎたのではないか、と思いをめぐらせる三木谷社長。日本を大切に思うからこその英語化。
たしか、ダライ・ラマも同じようなことを言っていた気がする。英語で伝えることによって、世界中に日本の良さを伝えることができる、と。
インターネット業界ではスピードがすべてで、Google、Amazon、ebay、Appleと戦っていくためには社内の「英語公用語化」は必須。
ソフトバンクの孫さんを尊敬する自分にとっては、二番目に日本で期待できる然るべきヴィジョンを持った起業家かな、と思った。
勇気づけられた。
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楽天株式会社代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏の新刊。
このレビューを書いている「ブクログ」のプレゼントキャンペーンに応募したら、めずらしく当選し、23日までにレビューを書かなくてはいけない条件であることをあとで知って慌てて読了。せっかくいただいた本なので、いつもよりも詳細にレビューを書いていく。
楽天株式会社はグローバル企業を目指しており、2010年の年頭の三木谷氏のあいさつでは「真の世界企業を目指す」といういうことを語ったそうで、それを達成するために社内公用語を英語にすることに決定した。これを三木谷氏は「Englishization」という自身の造語で呼んでいる。
三木谷氏の見習うべき点は、これを達成するためにどのような方法論で展開していくかをきちんと考えていることだ。たとえば、英語を普通に使えるようにするには、1,000時間程度の学習時間が必要であると算出し、これは1日2時間英語に触れることで2年で達成できるとした。また、TOEICのスコアを人事考課に加えることで、強制的に英語の学習をしなければいかなくなる。中には、これが大変なストレスになる社員もいたそうで、このあたりの強制力については賛否あるだろうが、7,000人を超す社員を一同に動かすには、この程度の強制力は必要であると考える。
しかし、ただ強制的にやらせるだけでなく、TOEICのスコアが比較的伸びた社員の成功事例を取り上げてみんなで共有したり、社費で英語を勉強できるようにとフォローすることも積極的に行っている。
この方法は、社内公用語英語化だけでなく、ほかの取り組みに置き換えても通用する組織行動である。このあたりの組織の動かし方は、オーナー社長だからできることなのだろうか。「おわりに」では英語化が終わったら今度は社員全員にプログラミング言語を覚えさせようとしているなどと書かれているので、これも近い将来実現してしまうのではないだろうか。
強制的に英語化することで、業務のパフォーマンスは正直落ちると述べているが、これは短期的なことであって中長期的にみると、その分までカバーできるからやり遂げたのだそうだ。普通の企業では、この割り切りが簡単そうで実はなかなかむずかしいことではないだろう。
最後に、ぼくは三木谷氏の経営哲学にはほぼほぼ共感・賛同している。過去に読んだ『成功のコンセプト』『成功の法則 92ヶ条』に書いてあることは、いちいちごもっともだった。ただ、今回残念だったのは、社内英語公用語化を「実験」と呼んでいるところだ。たしかに実験に変わりないことではあると思うが、大切な社員を動かして「実験」という表現は避けていただきたかった。人間はマウスでもモルモットではないのだ。ましてや自分の社員たちなのだから。
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とても読みやすく1日で読み終えました。
社内公用語を英語にする、その理由とメリットを1冊かけて説明した本ですが、頷ける部分が多かった。
自分も海外にいて感じたけれど、日本は大変優れた技術を持っているし、働き者。けれどその技術を世界に広めていく術が足りなかったがために、世界の流れから取り残され始めていると思う。
日本で正しいとされている知識が世界ではとっくに時代遅れになっているという話も今まで何度も耳にしてきたし、今の日本に危機感しか感じない…
英語を使えるようにしておくことは日本のかつての地位を取り戻したかったら基本中の基本の施策だと思う。
自分がこんな事のたまっても誰にも響かないけど(笑)、著者のような実績ある人が書いてくれているので、より多くの人に浸透してくれることを願います!
あと、日本の英語教育がダメダメなのに改善されない理由として立てている仮説が面白かったです。
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タイトルから、英語の話せない者はいらない、日本の公用語も英語にすべき的な話になるかと考えていたが違った。英語はあくまでビジネスにおけるツール。インターネット業界は競争スピードが非常に早いので、交渉や最新研究もスピーディーに行う必要がある。特に最新研究は英語で発表されることが多いので、それを素早く読み解くのに英語が必要不可欠。そうしたビジネス英語を身に付けるための環境も整えてるようなので、良い試みだと思う。
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今後、英語が必要な環境になり、それならとブクログで抽選していたこの本に応募したら奇跡的に当選したので読んでみた。
楽天による社内英語公用化の軌跡と今後のグローバル社会において、英語がどれだけ必要になってくるか、ということが楽天社長の言葉で綴られている。
本の中にも書かれている通り、英語効用化には社内外から賛否両論が飛び交っていた。だが、社長が公用化に本気なのと自分の出世に大きく関わると知った社員は本腰を入れて取り組み、結果をだしていく。このような行動力と推進力があるからこそ、大企業として成長を遂げてきたのだろうと読んでいて思った。
また、「できるけどやらない」と「できないからやらない」では全く違う、という言葉が自分の心には引っかかった。無理だから、と決め付けるのではなく行動し継続していくことは大事なことだ改めて感じた。
ただ、この本はあくまで楽天による英語に関することであり、これを参考に英語の勉強をしていこう、というものではないようだ。そしてこれは社長の「視点」で書かれた物だから、まだまだ賛否の意見はたくさんあると思う。この本が楽天のすべてではなく、もっと冷静に様々な意見を見聞きするのが大事だろう。
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ブクログより献本。
楽天の社内公用語が英語化にというニュースが流れてから、
はや2年が過ぎるそうです。
ちょうどユニクロも同じ時期に社内英語化が決定され、
雑誌なんかでもその功罪について色々議論がなされました。
この本は、楽天の三木谷さんが社内公用語を英語と宣言してから、
社員にTOEIC受験を義務化し、昇進にTOEICの点数を盛り込み、
社員が英語を喋れるようにあの手この手で工夫をした経緯を
一冊の本にまとめた本。
当初の三木谷さんの考えから初まり、楽天の施策、
(一部の)社員の反発までの記録が残されています。
僕のようにビジネス英語を目標に
TOEICをちょうど勉強し始めた人間や
社内で英語化を推進したい人事や役員の人には、
面白いと思うのですが、それ以外でこの本を読みたいと思う人はいるのだろうか。。
正直、それが一番の僕の疑問です(笑)
「英語」や「TOEIC」という視点で読めば
読む人は限られてきますが、
これを一つのプロジェクトと考えた場合、
三木谷さんがどのようにこのプロジェクトを成功させようと
奮闘したのか、そんな読み方をすると面白い本です。
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「たかが英語!」
ビジネスにおいて英語は必須、いずれどんな社員でも英語を話さざるを得ない、日本をエンパワーするという企業理念を実現できない、楽天を大きくするには英語を味方につける。
ベンチャー企業であり第一企業である楽天株式会社のリーダー・三木谷社長による著書「たかが英語!」。この本には何故日本企業である楽天が社内での英語公用化に踏み切ったのかが明確に書かれています。
最初に感じたことは(これは楽天だけのことではありませんが)日本企業におけるTOEICの基準(平均点)の低さです。例えば、サムソンやLGなどの昇進条件のTOEICスコアは850以上と聞いたことがありますし、日本企業のTOEIC平均点には驚きました(正直これほどとは・・・という感じでした)。
私はTOEICは「あってないようなものでないようであるもの」という印象を受けています。例えば「900以上のスコアを持っていてもそれで英語がしゃべれるということでは無い。しかし、そのスコアの高さはその人の能力の高さを完璧に保障するのものではないが、持っていて当然であるという認識もされる」そんな感じです。
この「英語(TOEICとイコールでは決して無い)」に堂々立ち向かっているのが楽天という企業です。例えば、英語力を最も正確に評価しやすくしてくれるTOEICには新入社員を含めた社員全員で取り組むこと(グローバルな社会になる上ではある意味当然)を徹底しています。また、社内英語化においては、留学生だけではなく外国人(アメリカなどの大学を卒業している学生)を新卒で採用している(と聞きました)ことで、社員が英語を話す機会を作り、会議などでも英語を使うようにしています。
そして、最も重要な英語に関してですが、完璧な英語ではなくグロービッシュ(ようは伝われば良い英語)を視野に入れていることも大きな特徴です。この意義は三木谷社長の仰るとおりだと思います。
このような稀な改革を実行するには一致団結する必要があります。楽天という会社はこの一致団結を社訓(だったはず)としているからこそ、英語化、国際化という難題(だがトライする価値があり、解決しなければならない)に挑戦することができ、じっくりとしたペースで結果を出せてきているのだと思います。
家族のように力を合わせて実験を繰り返し、海外進出の基盤を作っていく楽天の考えが詰まっています。
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自分ごとなのでかなり興味をもって読んだ。
社内英語化を7月より開始した楽天の意図を三木谷社長の言葉で書かれる。グローバルコミュニケーションスキルの重要さを行動と実行により立証して行く試み。楽しみです
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楽天の社内英語公用化について書かれた本。
グローバル化が進むこれからの時代のビジネスにおいて、英語によるコミュニケーションが必須になるという点については全くその通りだと思う。
また、そのために社内において英語を習得するための体制も整備している点も共感が持てる。
基本的に意見には賛同できるが、本全体においてもう少し掘り下げた話をしていただければ、もっと興味深い本になったんだろうなとは思う。