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明治の初め 江戸が残り明治になり切れていないグレーゾーンの世界。徳川への思いが残る人たちが、明治の警察に対抗する。学校で学んだ時代背景が、生きている世界に変わる。過渡期の社会が彷彿としてくる。過渡期の私はどうしよう
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綺羅星の如く無数の有名人を登場させ、虚実入り混ぜ語られる、ありえたかもしれないもうひとつの明治史。背後にうかがえる膨大な教養や緻密な時代考証には、ただただ圧倒される。
謎解きに”元奉行所VS警視庁”という対立構造を導入することで物語に奥行を増しているのも見事。
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山田風太郎作品、初めて読みました。こんなに面白かったとは!
近代化を進める明治初年の警視庁と、御一新が気に入らない元江戸南町奉行所の面々との知恵比べ。私たちは「明治維新」により江戸から明治にスパッと時代が切り替わったように思ってしまいがちだけれど、人の心や社会というのはもちろんそんなものではなく、新しい時代と古い時代のはざまで人は揺れ動きながら日々を生きているんだな。
脇役として西郷隆盛から新撰組斉藤一まで綺羅星のごとく登場し、いい意味であっという間に読める、歴史・娯楽ミステリの連作集。
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山田風太郎さんの傑作小説です。
帯の
「これほど見事に日本近代化の陣痛を描出した作品はない」森村誠一
これにヤられました。
見事な帯文句ですね。
僕の帯歴No.1です。
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明治小説。
歴史小説という感じが好きになれなかったが、読んでみると意外にすらすら進んだ。
ただ、文庫本で500頁以上の厚み、結構応えます。
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他の読者諸氏も書いていらっしゃるが、幕末の動乱から抜け出ていない江戸情緒を懐かしむ人々と、地方の成り上がり者が築いた明治政府、その官権の犬たる警察との攻防劇がみごと。
ミステリー自体はあっとうならされるものではないのだが、まあ、時代劇の人情を楽しむもの。
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維新からそんなに月日が経っていないので江戸が色濃い中での事件の数々。隅の隠居の奉行所VS川路率いる明治警察という図式。虚構入り混じっているがタイムラインがかなり緻密。実際にあったかもしれないような趣を蜃気楼の如く描き出す風太郎氏の筆さばきが素晴らしい。
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とにかくツルツルッと軽快に読めてしまうのだが、この史実とフィクションを幾重にも織り交ぜるのはなんという技巧であろうか。
もともと気になっていた作家だったのだが、このたび渡辺京二の推薦からたどりついた。なるほど、渡辺京二がこれを好きだったのはわかる。汽車も横浜までしか走っておらず、銀座も煉瓦造りを建ててみたもののまだ中身が伴わない、丸の内あたりは焼け野原、元武士が刀を差して歩いている。そんな近世と近代の汽水域みたいな明治初頭が舞台になる。
また、泰三子が川路利良を主人公に新作を描いているようなので、そちらも読んでみよう。