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有川浩の『空の中』は、ライトノベルにはめずらしくハードカバーだ。
500ページ弱の厚目の本はスケールの大きな空想科学小説だった。
四国沖で2件の航空機事故が起こった。
日本初の民間超音速ビジネスジェット試験機の空中爆発事故に続き、航空自衛隊の戦闘機が空中爆発を起こした。
事故調査委員の高巳は、空自のパイロット光稀と事故現場の上空2万メートルまでF15イーグルで駆け上る。
そこで二人は想像を絶するモノに遭遇する・・・
著者はあとがきで「怪獣物と青春物足しっぱなしで空自で和えてる」と言っているが、怪獣というより未知との遭遇に近い感じがした。
淡い青春ラブストーリーで包まれてはいるが、本筋は明らかにSFパニック系の物語だ。
ジェイムズ・P・ホーガンの『未来の二つの顔』を彷彿させるような、人類と他者との接触が丁寧に描かれており、その解決方法に心理学が応用されていることが面白かった。
登場人物の描写や台詞が軽めで、少しこっ恥ずかしい部分が多いのがライトノベルたるところだろうか。
でも、それ以外はどっしりとした物語性を秘めている作品だ。
オーバースケールなストーリーを小説に起こすと、ややキワモノ扱いされて読者層のメインストリームから少し離れることになる。
それを解決する一つの策が軽い語り口なのかもしれない。
ちょっとマンガ的だが、なにしろ日本ほどマンガが社会に広く受け入れられている国もない。
読み易さとスケールの大きさで満足いく作品だった。
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とりあえず、光稀さんに萌えずにいられない(爆)なんてカワイイんだ!高巳もいいです。お似合いカップル。それから、宮じいが最強でした。短編はグッときます…。
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少年少女と自衛隊基地、2つの舞台で出会う奇妙なモノ。そして物語は最後1つに収束します。ラブ面では、大人2人の距離の縮め方が絶妙です。春名みたいな男性好きだー。一方若い2人の方は、どんどん間違った方に進んでいく少年と、それを止められない少女が痛い、そしてもどかしい。取り返しのつかないポイントがいくつかあるんですが、その過ちをどうするか、を導いてくれる老人の存在に救われます。SFとラブ、そして青春のナイスバランス!
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自衛隊三部作の空編、ラノベ+SF+恋愛物
SF的な設定は面白いが、序盤は設定に引きずられている感もある。
場面場面でシリアスだったり恋愛模様だったりと、裏でバックミュージックが代わるゲームやドラマのように進行していく物語。
進むにつれてだんだん引き込まれていく…
読めるようで読見切れない展開と、逆にベタベタな恋愛パートでなかなか面白い。
最後は無難だが綺麗にしめた
しかし前も思ったけど
この作家をラノベから文芸に引き上げた編集はすごいなぁ
某漫画雑誌じゃないが、編集の効いてない本が増えるにつれ
編集がきちんと仕事をした本こそが生き残る気がするな。
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すごい設定で最初はなかなか飲み込めなかったけど、はまるとぐいぐい引き込まれます。ところどころ出てくる高巳と光稀の掛け合いが可愛くて好きです。書き下ろしの「仁淀の神様」も、かなり好きです。本編で宮じいを好きになっていたので、自分も家族のような思いで号泣してしまいました。
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SF…というかファンタジーっぽさはあまり得意ではないのですが、最後まで面白く読めました。佳恵と瞬のお互いを思いやる、言葉にならない気持ちがすごくつらかったです。出てくる人たちがみんな愛しく思えてしまって参った。あと番外編で号泣。早く他の作品も文庫になってほしいです。
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ベタ甘を少し期待したので、そこんとこは少し残念で・・・内容も、まぁ穏やかな話で。クジラの彼の話を少し思い出せましたね。
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高度2万で連続して起きる謎の航空機事故。その高度にはいったいなにがいるのか?一方、地上では子供たちがその秘密と出会う・・・
航空機技術者と自衛隊パイロットの大人組と高校生の子供組の2組の主役が登場します。
話はSFに恋愛が絡んできてる感じなんでしょうが、私はむしろ恋愛物って言いたいなw
大人組が好き。
二人のやり取りを読みながら、ニヤニヤしてしまうことが多くて・・・特に、ラストの二人のシーンは良いですv
ベタ甘な感じで終始ニヤニヤしてしまいました(o ̄ー ̄o) ムフフ
一方、子供組。
お互いを思ってるのに、どんどんとすれ違うってくるのが悲しすぎる・・・
間違った方向にどんどん進んでしまう男の子、明らかに様子がおかしいと気が付いてるけど男の子と衝突したくなくてそれを言えない女の子。
男の子も自分が間違ったと気付いてるんだけど、純粋だからこそ自分で修正しようとしてそのまま進むしかなく、どんどん深みにはまっていく・・・
坂をころがる石のように、間違った方向に進みすれ違う二人の様子が本当に痛い・・・若い(純粋)ってこういうことなのかなぁって感じました。
文庫版には書き下ろしとして、高校生組のその後の話が収録されてます。
本編同様、こっちも良いです。
大人組のその後の話は、別の短編集に収録されてるみたいなので楽しみ〜♪
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俺のことは何も訊かなかったんだ、と内心がっかりした。
伝言をずっと無視しているくせに、佳江が自分のことに触れなかったらがっかりする。
まるで見捨てられたようで−そんな自分に嫌気が差す。
伝えても伝えても返さない言伝を諦めるなとは何様のつもりか。
声を聞くと恋しくて辛いなんて伝えてもいないくせに。
言いもしないことを分かってほしいなんて横暴だ。
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図書館戦争の著者でもある有川浩の作品。ライトノベル作家らしい。
ライトノベルはわりと牽制していたのだけど・・文庫だし表紙ふつうだし、ということで買ってみた。
めちゃくちゃおもろい。
自衛隊の戦闘機が謎の墜落事故を起こすところからはじまり、その遺族の少年は謎の生物を拾い、、
引き込まれっぱなしでした・w・
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爽やかなお話でした。UMAもオモシロカッタ。最後の短編は無くてもよかったかなと思う。本編の先のキレイな未来はなくてもよかった。
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ラストが綺麗に収束していったので満足です。大風呂敷を広げてうまく結べた感じ。こういうほのぼのありつつシリアスありつつラブ要素ありつつのエンターテイメント小説っていいですね。
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海自モノである『海の底』よりSF色が強い気はしましたが、
人間模様に重きがおかれているので、SFが苦手な自分でも気にせず読めました。
高巳が素敵です。負けず劣らず魅力的なのが、宮じい。
土佐弁も温かくてイイ味を出しています。
有川作品らしくエピローグまできっちり書いてあるので、読後感も非常に爽やか。
文庫版の書き下ろし短編にはホロリとさせられました・・・。
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暑いですね。久しぶりに海遊館へ行き涼みました。
世界で初展示されたというイトマキエイが最高。なるほど、だからイトマキエイなのねって感じ。
海の生き物の姿態を眺めながら、行き帰りにはこの本を読む。海獣→怪獣でもないけれど。
高度2万メートルの上空で相次いで起こった2件の航空事故。二つ目の事故で自衛官の父親を亡くした高校生の瞬は高知の海岸で奇妙な生き物を拾う。
「フェイク」と名付けた生き物と携帯を通じ意思の疎通が図れるようになった瞬は、父のいない寂しさをフェイクで埋めようとする。
一方、最初の事故の調査を担当する春名高巳は女性パイロット武田光稀に面会し事故現場に連れて行かれる。そこで二人が出会った物は巨大な知的生命体だった…。
「ウルトラマン」第34話は、空から降ってきたスカイドンが特に暴れて何かしたわけではないけれど動くだけでも道がめり込むという凄まじい体重のため世の中の脅威となり、結局は空自に攻撃されて…というお話しでしたけど、前半はまさにそんな感じ。
でもって瞬がフェイクを拾って交信できるようになる件りは「E.T.」で、「白鯨=ディック」と名付けられた知的生命体が都市を攻撃する様は「インディペンデンス・デイ」、高巳がディックとコンタクトを進めるのは「未知との遭遇」ですね。
岐阜の空自と高校生が住む高知の2元中継で、まさに特撮ドラマのワクワク感の中、それぞれ知的生命体との接近遭遇が描かれる。
フェイクが高知で仲間を食べたまでの経緯が新聞に載り、佳恵を嵌めたと見抜く瞬がそれでも真帆の組織に加わわるところから、少し話は鬱陶しくなるが、白鯨が白鯨として《全き一つ》に戻る道の中で、平和への希求とか孤独への恐れとか誤謬を正すことの難しさとか大人であることの矜持とかがさわさわと描かれ、瞬と幼なじみの佳恵、高巳と光稀のラブコメ調の物語もそれぞれ進む。
最後のエピローグに微笑み、文庫特別書き下ろしに泣く。暑いけど、さわやかな空。
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これで自衛隊三部作(というか、対不思議生物三部作)制覇になりました。
三作の中で一番、物語に入るのが大変だったかな。
専門用語や設定が決まっていて、理解はできなかったです。
中だるみもありましたが、やはり登場人物達が魅力的!
☆3.5ってところですが、書き下ろしに号泣。
甘々な書下ろしもいいけど、こういうのもじんわりイイ!
しかしまぁ、空にでっかい海月が浮いてたら、普通にびっくりするよな〜・・・。