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(2009/11/25読了)水というと生活用水とか飲み水とか直接日々使う水のことしか思いつかなかったのですが、農業用水ってのがあるわけだから、食料自給率の低い日本は間接的な「水輸入国」だそうです。まあ、水だけの問題ではないけど(水だけ調達すれば作物ができるわけじゃないんだから)
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Rivalの語源はRiver...昔から水を巡る戦いがあった。
これまで水に恵まれてきた日本は特に意識してこなかったが、着実に水を巡る戦いは起こっている。そして、IBMをはじめとした大企業がそこに入ってきている。水は生命の根源に関わってくる。それだけに、この分野で支配されるのはどうしても避けたいものだと感じるのだが。。。
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日本ではなかなか理解されにくいですが
バーチャルウォーターという考え方があると急に自分事になりました。
水に関連する問題とビジネスをまとめた本としてはかなりわかりやすくまとめられています。
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勉強になりましたー。
輸入ね。バーチャルウォーターね。うん、こいういう概念は大事な気がする。
あと水道管事情とか。
全然知らないことばかりだったので面白い。
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3 100920 読了
内定先がまさに水ビジネスに関わる企業なので、少しでも勉強になればと気軽に手に取ってみたが、予想外に、強烈に【水】というものについて再考させられた本だった。
本書でも度々、日本人は潤沢な水環境が当たり前だと考えているので危機感が足りないということが書かれていたが、自分がそうでした。【バーチャルウォーター】という概念のおかげで、世界の水問題が日本の問題でもあることを嫌という程理解できたし、僕個人としては温暖化問題と同様に世界が総力を挙げて解決すべき問題なんだと思えました。そしてそこにはビッグなビジネスチャンスが埋まっていること、その中で日本には技術アドバンテージがありながら、遅れを取っていること。日本の政府にもかっこいい人がいたんだということ。とにかく
本書に書かれている全ての内容が僕にとって大きな衝撃でした。
水ビジネスに興味がなくても、僕のように世界での深刻な水問題について全く知らない、危機感がない、という人程、絶対に読んでみるべき新書だと思います。
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グローバルウォータージャパン代表の吉村和就氏の著書。
水がありふれたこの日本ではまったく実感がわかないであろう
水問題や水ビジネスについて解りやすく書かれている。
水に関する本を読むのはコレが初めてたが、この本を選んで
正解だったと思っている。
中でも最先端の技術である「海水淡水化」で突出する技術、世界一の上下水道を持ちながらそれを生かせない日本の現状には
憤りを感じた。現状、世界の水メジャー3社で世界の水関連ビジネスの8割は独占されている。今後110兆円市場になるといわれている水ビジネスに日本ももっと官民一体となって世界に進出できる
体制を整えて欲しい。
スイスで行われたダボス会議では「いずれ水は、オイルよりも投資価値が出てくる」といわれていたそうだがこの言葉が
納得できる内容が書かれていた。
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仕事で上下水道セクターを担当するようになり手に取った本。著者の吉村氏は水分野では有名な方であり、水ビジネスのニュースではよく拝見する。国連テクニカルアドバイザーや「水の安全保障戦略機構」技術普及委員長などを務める。水分野の最近の潮流を知るにはとても良い。(但し、これまでのODAが著者の言うとおり悪い側面(「海外の水企業を利するもの」)のみを持っていたわけではないだろう。)出典があまり詳しく書いていない点は気になる。
第1部 世界中で足りない水
第1章 世界を襲う「ウォーター・クライシス」
第2章 「ヴァーチャル・ウォーター」―水輸入大国・日本
第3章 地球温暖化が水資源の枯渇をもたらす
第2部 水が引き起こす戦争
第4章 イラク戦争は「水戦争」だった
第5章 世界は水をめぐる紛争・問題に溢れている
第3部 巨大「水マーケット」をめぐる攻防
第6章 IBMが水ビジネスに乗り出した意味
第7章 水不足に商機を見出す海外「水メジャー」
第8章 新興国も参入する「110兆円水市場」
第9章 日本の上下水道の現状と課題
第10章 動き出した日本の産・官・学
・水ストレスの定義は「需給バランスが崩れ、必要量を賄えない状態」
・日本の水道法では「安全な水」とは、蛇口での遊離残留塩素濃度を、0.1mg/L以上に保持することを定めている。
・日本の平均漏水率は7%、東京都はわずか3.6%
・その国であるモノの製造に使われた水資源を現実水(リアル・ウォーター)、輸入国が、その輸入されたモノを国内で作ったら必要になるであろう水資源が、仮想水(バーチャル・ウォーター)。
・海水の淡水化には2つの方法がある。1つは熱を遣って水を蒸発させて、冷やしながらとる方法、もう1つは膜を使って回収する方法。(p50)
・既に国連は2050年頃、約40億人が水不足に直面するという報告を行っている。(p101)
・水メジャーの説明。ウォーターバロン(ヴェオリア社、GDFスエズ社、テムズ・ウォーター社)(p105)
・日本のODA経由の水関係ビジネスは、浄水場や下水処理場のハコモノ建設に限られ、日本が建設した後は、フランス系の企業が管理運営している例が多い。極端にいうと日本のODAは海外の水企業を利するために活用されているとも言える。つまりは「露払い」というわけだ。今後日本は、ハコモノだけではなく、人材育成や維持管理をも含むODAをするべきであろう。(p118)
・ダボス会議の2009年年次報告書では「人類がこれまでとおなじように水資源を使い続けると、世界はこの先20年以内に水資源破産の苦境に立ち、今以上に深刻な経済崩壊を迎えるであろう」という重大な警告を発していた(p120)
・2025年には世界の水ビジネスは約110兆円規模になるとも言われているが、その内訳は、日本が得意とする海水淡水化の膜などの素材分野が約1兆円、エンジニアリング、調達、建設などが約10兆円、そして残り約100兆円は施設管理や運営業務と言われている。(p130)
・その(=海水淡水化)の代替案ともいえるのが、膜��使った下水の再生利用である。従来型の活性汚泥法に膜処理を組み合わせて、水資源を創出するMBR(膜式活性汚泥法)である。(p133)
・日本人がどれくらい汚水処理の恩恵を受けているかを示す汚水処理人口普及率は86%。この数字は下水道、農村集落排水、合併浄化槽を含む、汚水全体の処理率である。(下水道単独では約72%)さらに下水を処理したときに発生する下水汚泥の資源化率は70%に達する。資源化された物質は、主に建設材料や、セメントの材料、最近では炭化した下水汚泥は発電などにも使われる。(p141)
・世界銀行や、アジア開発銀行、諸外国が提示する上下水道事業の民営化に関する国際入札参加資格(PQ)が日本企業にはないのだ。(p143)⇒ODA資金を活用して日本企業にPQをつけるべき。
・我が国には世界屈指の高い水に関するテクノロジーがある。例えば、膜処理技術(海水淡水化、下水再処理膜)、水管理技術、遠方監視技術、微量分析技術、合併浄化槽技術、運転管理技術、維持管理ノウハウ、災害予測、災害復旧、不断水工法・・・そしてもうひとつ、・・・日本が培ってきたローテク。例えば水道の漏水発見、防止技術。(p147)
・自民党の「水の安全保障研究会」。(p158)
・「水の安全保障戦略機構」(発起人は、森善朗、御手洗冨士夫、丹保憲仁(北海道大学/放送大学名誉教授))
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「水問題の解決はノーベル賞2個分の価値がある。水問題を解決した者は、ノーベル平和賞とノーベル化学賞を受賞できるだろう。」アメリカ第35代大統領ジョン・F・ケネディ
日本で普通に住んでると深く考えるきっかけがない「水」。蛇口をひねれば水が出てくるという当たり前の現象を、客観的に考えさせてくれるきっかけを与えてくれる。客観的に見てみると、水は人間が生きる上で無くてはならない物質であり、巨大な市場となる。僕は農学部で農業関係を学んでいるが、水が農業にももちろん必要であるということを深く考えることは今までなかったし、水がなければ農業も工業も発達しないと気付かされました。
本書では、日本の上下水道事業の民間委託を推進する必要性、また水分野でも日本の技術力の強さが見られる。人口増加し続けるこの地球上において、人間に必要な水が多くの人々に行き渡るためにも、日本の技術力を海外で広めることは、目に見える国際貢献と言っていいのでしょう。
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日本いると全く感じない世界の水問題。個々の技術は世界トップだけど、ビジネス的にはかなり出遅れてるらしい。
因みに皇太子殿下は水に関してかなり詳しく、国際会議で発表するレベル。
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何となく聞いたことのある話が多かった。
淡水化技術や水戦争の歴史などは意外と知らなかった。
自分にはそんなに縁がないわけではないが、あまり興味が。。。
日本の漏水率の低さを考えるとライフライン関係の業種はインフラ技術に強みありか。
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日本が弱い&情報があまりないものの今ますます重要になってきている水ビジネスについて描かれた貴重な本。但しこの見解が正しいかはNGOなどでは反対意見もあったり正しい情報をもとに自分の考えをもつ大切さを感じる。
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ミネラルウォーターを買うなんてバカげてる。
お金もったいないし、環境にとっても良くないんでしょ?
そんなレベルの認識で読み始めたが・・・
水=飲料水の問題だけではなかった!
ハンバーガーを1個作るには、
その過程において1000ℓもの水が必要なのだ。
水を必要としない産業などない。
日本に住んでいると、『水』という資源は無限のように思える。
だが、世界では・・・
多くの人々が”水ストレス”を抱え、
水をめぐる紛争は絶えず、
ビジネス市場も急成長している。
水に関して無知で平和ボケしていた自分に気づくと同時に、
(生活)水が豊かな日本に住んでいるありがたさを思った。
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震災でも水の輸入が問題となったが、水はなくてはならないもの。水はあるように見えて飲料用は少ない。水ビジネスや水をめぐる紛争の危機について考えさせられた。
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私は学生で就職活動の一環として本書を読んでみましたが日本の現状から海外の現状まで幅広くまとめられており非常に勉強になりました。
以下に自分のアウトプットとして簡単にまとめを書かせてもらいます。
全人類が例外なく必要とする水。
その8人に1人は安全な水を飲めない。
サダム・フセインは「石油と水は国家なり」と言い、イラン・イラク戦争の発端も水であったと言える。
今後水ビジネス市場は110兆円市場になると言われており、世界各国でこの大型市場の争奪戦が起きているが、日本の企業は出遅れている。
というのも海水淡水化技術では日本が優れているが、110兆円のうち100兆円は管理・運営であり日本の上下水道の管理・運営は地方行政がになっているからである。
ただし漏洩率をみると日本の平均は7%であるのに対しロンドン26%香港26%韓国20~40%と誇るべき素晴らしい技術を持っているといえる。
このような技術を海外に売り込むためには日本政府の支援も必要になる。
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世界では今、水ビジネスが注目されている。新興国での上下水道の整備、海水の淡水化、そして貴重になりつつある水資源の確保などだ。
著者は日本の水ビジネスの出遅れについて警鐘を鳴らしている。海水を淡水化する膜や水道管などのアイテムでは世界屈指の技術を持っているが、水道施設の管理などのソフト面が弱く、市場規模100兆円といわれる世界の水ビジネス市場の1%のシェアも取れていない。そして、世界に類を見ない素晴らしい日本の水も危機に瀕している…。
非常に現実的な思考の本だと思う。日本はもっと貪欲に、政府と民間企業が力を合わせて、世界の水ビジネス市場に挑戦していくべきだと強く共感した。