投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
この本は、評価経済社会を唱える岡田さんと著作権の第一人者の福井弁護士ががっぷり四つに組み合って著作権について語り合う対談本です。著作権入門とありますが、堅苦しいところは全くなく、岡田さんの鋭い「書生論」に対して、福井弁護士が真剣に向き合って回答を出そうとする中で、デジタル化が進展する中で機能不全を起こしている今の著作権の問題点と今後進んでいくであろう姿がおぼろげに見えてきます。特に、岡田さんのぶっ飛んだ発想が面白いです。私的複製が許される範囲として、'自分自身や家族が使うため'という法律上の解釈を逆手にとって、養子を1万人取ったらどうか、などという意見を突然持ち出して、福井弁護士が目を白黒させたり…。
結局、岡田さんも福井弁護士も、よりよいコンテンツが出てきて欲しい、そのためにコンテンツ制作者が生きるために収益を還元する仕組みが必要だという点では同じ考えですが実現する方法論が異なります。岡田さんは、コンテンツそのものから金を得るのは無理、作品の利用はフリーにして評価経済などで作者を支えていく仕組みを別に作るべきだという考えですし、福井弁護士は従来の延長線上で、流通の中からうまく作者に利益が還元される仕組みを作っていこうと考えています。互いに考えは違うものの、相手の言うことを理解しようとする姿勢があるため、とても読みやすくまとまっています。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
著作権について学びたい人に一歩目として読み易さ抜群なのでおススメ!私は著作権って堅苦しいけど、理解したいなあと思ったので手に取ったけど、法律のことはきちんと解説に乗っているし、対談形式だから、言葉が比較的に柔らかい、もっときちんと知るにはまた別な本を読もうとモチベーション上がる。
著作権について考える前にお金の価値や通貨の在り方についても触れているので、面白い。
コンテンツが好きな人間にとって、クリエイターの創造に繋がる日々の生活に関わるお金を払ってあげたいもの。
でも、一億総クリエイター時代。しかも稚拙だと思われた一般人の投稿が新たな創作ジャンルを作ったりする。マネタイズは難しいけど、プラットフォームが整って、どうにかより良いコンテンツがうまれる土壌を考えて、検討、検証していってほしい
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
岡田斗司夫さんが好きな人はいいと思う。コンテンツはフリーで流通させ、マネタイズは別の手法(ライブグッズのように)で行うのが理想という点は納得。余談だが、どうして音楽業界では無料公開のMVで曲を聴かせつつストリーミング等で購入可能にするというモデルが浸透しつつあるのに、漫画や小説で同じことをすると未だに目立つのかなーと思った。あと、消費税や所得税のことを考慮してリアルマネーよりポイントシステムを使いたがるということは大きな気づきだった。絵や本の権利を守るために生まれた著作権が、300年たった今無限にコピーできるデジタルコンテンツまで擬似的に一つ一つの物として扱おうとして機能不全を起こしかけているというのは本当にそうだと思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
クリエイター全員がそれで食える必要はないというのは同感。◆著作物に対してのプラトン(文字になったら一人歩きは認める)とアリストテレス(作者の思いもよらない方向は困る)の考え方。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
本の自炊とかあったなぁw
切り取り方次第でいかようにも見せられる。
そんなつもりで言ってなくても、前後がなくなればまったく違うものとして一人歩きする。
でもひたすら真摯に誠実に行動することで、周りの支援者が守ってくれる時代は生まれつつある。
神社仏閣ってそんなに画像使用料徴収してくるのか。知らなかった。
著作権がボトルネックなんじゃね?と思って読み始めたのですが、考え方の参考になりました。
大半のコンテンツは無料で楽しめ、クリエイターにお金が入るようになり、プラットフォームの思惑に握られている時代に読むからこその面白さがありました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
読みやすさ★★★
学べる★★★★★
紹介したい★★★★★
一気読み★★
読み返したい★★★★
岡田斗司夫さんの本はタイトルをいい意味で裏切ってくる。読み始めてすぐに、これは流し読みするものではない、心してかからねば理解が追い付かない、と就寝前読書としては異例の集中力と睡魔との闘いにより、読了まで3日かかってしまった。
著作権のシステムは崩壊しているから、今の情報社会に適した新システム案を次々に展開してくる岡田氏
VS
著作権オタクの国際的弁護士、福井健策さん
高IQの2人の対談、難しいはずである。だが、面白い。10年前の本だが今なお追い付いていない、相変わらずの岡田さんの未来思考、予想は、早すぎる。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
203冊読了。
10年前の本だけど今も問題は変わらない。
自炊から代行業の是非、著作権問題とコンテンツ業だけで食えるのは1000人程度、オプトアウト、ビットコイン?などなど、どうすればコンテンツ業界、クリエイターが次々とコンテンツを紡いで生きやすい社会になるかを語り合う。
一筋縄ではいかないだろうというのはわかったけど、うまくバランスを取るにはどうすればいいんだろう。日々変えながら最善策はないのかもしれない。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
10年前の本だけど、示唆に富んでいると思う。
ファンコミュニティの話、贈与経済の話は今まさにブロックチェーンを使って実行しようとしている企業もあるようだし、この本で語られているようなことがこれから動き出してくるんじゃないかと感じた。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
岡田斗司夫らしく、極論で反例を問いかけながらダラダラと雑談形式で進む本。彼のYouTube動画を見ていて思うが、実験結果や調査結果に基づく知識ではなく、感覚的で天才的な論理展開をしているだけなので、良い意味で肩の力が抜けている。悪い意味では、内容が「ただの意見を言ってみた」与太話であり、どこにも辿り着かない。ゴールを求めているのではなく、考え方を突き合わせるような読書だからそれで良いのだが。
面白いのは、著作権の範囲における家族ならOKというルールに対して、1万人の養子の是非を持ち込む点。あり得なくもないし、こうした検証は子供手当のような現実問題でも想定すべき。養育の事実関係が必要と応える福井弁護士。これに対し、子が親を扶養するケースだってあるだろうと返す。1万人が会費のようで会費ではない、親への仕送りをする、というような。で、答えはない。
コンテンツにお金を払うか否かは、付随する周辺商品から対価を得るか、サブスクリプションのような契約下になければ、当然払うべきであり、商品のもつ「複製しやすさ」という性質が、複製しにくいものと区別されるのは本来的におかしい。万引きし易い店なら、なんで商品にカネを払うのさ、と言っている感覚。
芸術家は違うとか、認知度向上が重要だとか、そもそも違反をどのように見抜くかという点はあるし、ファンビジネスの成立もあり得なくもないが。本書は10年以上前なので、生成AIについては全く想定されず、語られる事はない。岡田斗司夫のAIについての意見は気になる所である。