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いいねぇ、この不穏な空気のリゾート地!
定番のクリスティーって感じです。
私はポアロ派なのですが
読んだらやっぱりマープルもおもしろい。
捜査権がない老婦人だから
より「聞き込み」重視になるわけね。
被害者の視線の先に殺人者が…って
それなりに推理して読んだけど
見事に手のひらで踊らされました。
どのカップルもそれぞれ怪しいんだもん。
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早い段階で犯罪パターンが提示され、それに沿った行動をとっている人が犯人というシンプルな話ながら楽しめた。ミス・マープル物にしては出ずっぱり+情報収集のために作り話をしたり匍匐後退までして元気でアクティブ。ラフィール氏のコンビも良かったし、特に最後、空港で見送りの際の会話が、老いや死を笑い飛ばすようなからっとした格好良さで印象的。爽快な読後感。
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クリスティのミスマープルシリーズ。自分の住んでいる小さな村での出来事や人物を当て嵌めて、知らない街での殺人事件を解決に導く、いつもながら胸がスカッとする。
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久しぶりにミステリーが読みたくなった。
日本のミステリー作家をあまり知らないし
何よりミステリーって人気がある。
私は専ら図書館で借りて読むタイプで
大体読みたい本はない。
アガサ・クリスティが人気がない訳ではなく
「今アガサ・クリスティのミステリーが読みたい!」って思った時がタイミング。
その時にいつも待っててくれる。
そういった会いたい時に会える安心感と
期待を裏切らない安心感。
実を言うと『ミス・マープルシリーズ』は初めて。
ポアロに慣れ親しんだ私が
果たしてミス・マープルと仲良くなれるのか?
そんな杞憂はどこへやら
今では大親友。
アガサ・クリスティは『ポアロシリーズ』を書くのが苦痛だった…みたいな事を本で読んだ。
何となくポアロは薄暗さというか湿り気があるが
ミス・マープルは少し明るさがある。
書き手の気持ち次第で変わるのかもしれないなぁと勝手に考えていた。
ミス・マープルの方が私は好き。
最終回はまさか…。
シリーズ全部読みたくなった。
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十代のころ読んだ気がするがほとんど覚えていなかった。40歳を超えた今読む方が楽しく読めたように思う。
ラフィール氏、なんて爺さんだっ!と思ったけど中々魅力的なご老人で、ミスマープルとのコンビは最高。
この本は難しいトリックはないけどマープル女史の魅力たっぷり。永井淳氏の翻訳も面白い。この人の翻訳でクリスティ作品もっと沢山読みたくなりました。
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クリスティ作品の中で最も完成度が高く、読んでいて心地よい作品。今作と「復讐の女神」は連作になっている。復讐の女神とは今作中において、大金持ちのラフィールがマープルから夜中に叩き起こされるシーンでマープル自身の形容について冗談の様に言った事なのだが、復讐の女神(メネシス)に似ても似つかない様がずっとラフィールの印象に残ったのだろう。次作のタイトルが「復讐の女神」である事も鳥肌物で、今作の完成度がずば抜けて凄いと感じてしまう要因の一つだ。
更に巻末を見て驚いたが、今作は三部作構成の計画があったという事だ。クリスティが亡くなり実現しなかったという事らしいが英題まで決まっていた様で物凄く残念だ。願わくば今の時代に生きる有名なミステリ作家がタイトルを引き継ぎチャレンジしてほしいが、きっと誰も納得しないんだろうなぁ。
普段はセント・メアリー・ミードから出る事がないマープルだが、甥のレイモンドの愛情により旅行にでている。マープルが何処かに出かける作品は意外に多く実は彼女はとても行動的なのだが、カリブ海はメキシコ湾の辺りの様で数少ないマープルの旅行物だ。ホテルの人達や滞在客は皆んな優しく過ごしやすい環境だが、ある日パルグレイヴ少佐の死亡をきっかけにマープルが疑問をもつ。彼は病死とされていたが、マープルに話しかけていた際にとある事件の犯人の写真を見せびらかそうとした際に、不意に何かに気づき話題を変えていたが、その事を不自然に感じ、マープルができる限りの調査を開始する。
今作の好きな所の一つ目は冒頭に挙げた次作のタイトルを見事に表現している部分なのだが、二つ目は探偵小説にありがちな矛盾を逆手にとっている事だ。そもそも素人探偵に警察が協力する訳が無く、数あるミステリではとにかくこの部分を誤魔化す訳だが、今作ではマープルは孤独を理解し、仲間を巻き込む所から始まり、最初は医者を利用し(彼は利用されたで良いだろう(笑))、その後、大金持ちのラフィールを味方につけ、彼の部下も巻き込み真相を解決している。少なからずマープルは探偵役としては欠点が多い訳だが、今作ではそれが大いなる魅力に変換され、作品の山場を見事に演出している。そして、根本には犯人の意外性や幾つもの殺人、伏線となる語られた過去の事件等は当然のごとく表現されている。
実は落ち着いてみると、クリスティのベストに入る作品なのでは。と今更ながらに思う。読み終えてから次に手に取るのは、言わずもがな、「復讐の女神」だ。
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この年になってクリスティかと笑われそうだが、旅行中に何か読む本をと思って本棚の中から一冊選んで持っていったところ大層面白かった。本棚にあったので初読ではないはずだが、読んだのは何十年か前で内容は完全に忘れていた。
ここ最近の複雑なトリックとサスペンスが洗練されたエンターテイメントと比較して、クリスティなんて非現実的なプロットと時代がかった謎解き話かと軽く見ていたが、穂井田直実の解説にある通り、年を取って判る面白さというものは確かにある。ミス・マープルの年齢に近くなって、そろそろ老人の生活を復習しておくにはよい年かもしれない。シリーズをもうちょっと読んでみよう。
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しばしば警察関係者があてがわれてきた「聞き手役」に賢き偏屈おじいちゃんが配され、物語の舞台も相まってとても新鮮。
酸いも甘いも噛み分けた「お年寄り」同士のやり取りが心地よい。
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リゾート地で療養していたミス・マープル。そこで殺人事件が起きて。アガサ・クリスティーはミステリのトリックや設定もさることながら、魅力的な人物を創造するのがとても上手だ。
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「葬儀を終えて」や「ハロウィーン・パーティー」のように、"秘密を知る人が殺された"系ストーリー。マープルが立ち上がった時のワクワク感がすごい。ラフィール氏との相棒関係もまた良し。続き物らしいので次回作が楽しみ。
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2003年発行、早川書房のクリスティー文庫。マープルもの。マープルは登場時からずっと老婦人、というイメージだが初期は初老の婦人。解説によると少し性格は変わっているという。そういえばそうかも。短編はマープルがよく、長編はポアロがいい、ような気がする。この話については、マープルらしい作品。3部作構想だったとう第2作の「復讐の女神」がトラベルものというマープルらしからぬものだっただけに第3作を見たかったきがしている。
解説:「解説」(ミステリ評論家)穂井田直美、
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甥夫婦の厚意で陽光降り注ぐカリブ海のゴールデン・パーム・ホテルに滞在することになったミス・マープル。そこには個性豊かな宿泊客が集まっていた。二組の夫婦、頑固者の大富豪とその世話係、そして退役軍人の老紳士・パルグレイブ少佐。マープルは、話半分にパルグレイブ少佐の長話を聞き流していたが、翌朝冷たくなった少佐が発見される。高齢者が突然死ぬことはよくあることと、事件性も疑われず処理されてしまうが、マープルは少佐が語っていた写真のことが気に掛かっていた。しかしその写真は少佐の持ち物から忽然と消えてしまっていたのである。
少佐の死には何かあると踏んだマープルは、宿泊者たちを相手に捜査を進めていく。
その最中、何かしらの秘密を握っていたと思われる人物が殺害されると、自殺未遂や新たな殺人など事件は連続殺人の様相を呈し始める。
警察が完全に空気の中、マープルはかなり能動的に捜査を進めていく。歯に衣着せぬ物言いの大富豪ラフィールとのタッグがこの作品の見所。年齢は全く違うけれど、ラフィールがジェフリー・ディーヴァー作品のリンカーン・ライムに少し似ていてそこも面白かった。
クリスティ作品は基本的にどの順番で読んでも問題ないが、この『カリブ海の秘密』と『復讐の女神』は明確な繋がりがあるのでこちらを先に読むべき。
「隠し事のある人にとっては、会話はいつだって危険」ポアロも言っていたこの言葉。かなり的を射た考え方だと思う。
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西インド諸島という場所がもたらすリゾート感、様々な個性ある登場人物というアガサ・クリスティらしい舞台設定にて、テンポよく物語が展開していく。年老いて更にズル賢く?なったミス・マープルもなかなかチャーミングで上手く物語が進行していく。
ミス・マープルを中心に会話主体で本当にテンポが良く一気に読み進める。そしてラストも…これが74才の作品とはびっくり。キャリアとしては晩年だと思うが、自身の過去の名作にも引けを取らない作品を生み出すとは流石です。
リゾート地で女性は美女揃いのようなので映像化にはぴったりですね。映画の方も観てみようかな。
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久し振りに読み返しました。続く[復讐の女神]、書かれることのなかった[Woman's Realm]三部作構想の第一部に当たります。おしゃべりのなかに情報を見いだすミス•マープルは健在です。ラフィール氏との関係が次の作品に繋がっていくところが、ちょっと粋な感じです。ミステリーとしては標準かもしれませんが クリスティの好きな作品のひとつです。