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やりたいこともなく将来を思い描けない佳人。
とりあえず始めてみたのは、近所の医院を改装してできたシェアハウスでの共同生活。
見知らぬ男女6人と、大家であるタカ先生をつなぐ役目を任された佳人だったが・・・というストーリー。
小路さんの作品なので、全く悪人が出てきません。
作り物めいた話だけれど、読み始めのメンタルで楽しめるかどうかが分かれるかも。
実際こんな常識あるいい人ばっかり集まるわけはないんですが、一歩を踏み出したその行く末が、彼らにとってよいものになるよう祈らずにはいられない。
そんな作品でした。
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〈内容〉みんなで暮らせば、なんでもできるそう思える瞬間が、確かにあった――。やりたいことも夢も特になし。自慢は家事の腕前だけ。そんな佳人が背中を押されて始めたのは、見ず知らずの男女6人 管理人のタカ先生との共同生活だった。場所は小さい頃に通った医院を改築した、シェアハウス。くらしのルールをみんなで作って、案外、居心地がいいかも。でも――。一歩踏み出す勇気が見つかる長編エンタメ!
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ルームシェアっていいなって思える。
ちょっと展開が早かったかなとも思えるけど、人ってとか家族ってとか考えさせられたな。そういったことはMourningに似てるかも。
小路さんらしい!!
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相変わらず小路さんの作品は暖かで悪人が出てこない(笑)。
今回はシェアハウスに住む人々の影がちょっぴりミステリータッチで、それがまた作品の厚みとなって一気に読んでしまいました。
そろそろ、バンドワゴンの新作も読みたいな…。
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小路幸也氏の小説。古い医院を改装したシェアハウスに集った入居者、大家の引退した医師、設計した建築士などが織りなす群像劇。小説新潮に連載されていた小説「荻窪 小助川医院」を改題して2/3ぐらいに圧縮したとのこと。そのためか終盤の飛躍的な展開にちょっと面食らったが、新しい世界へ踏み込もうとする人の背中を軽く後押してくれるような感じで、読後感は爽やか。オリジナルから削られたエピソードも読んでみたい。
この小説の面白さのポイントは舞台としてシェアハウスを舞台に設定したことだろう。以前は下宿があり他人と一つ屋根の下で共同生活することも珍しくなかったが、最近は近所づきあいさえ少なくなっている。SNSも発達し直接顔を合わせないでコミュニケーションをとることも可能になり、リアルで他人と接する場面が減りつつあるが、最近シェアハウスが見直されつつあるというニュースをときどき耳にするようになった。経済的な側面もあるであろうが、「人間」という言葉が表わすように人は「人の間」で生きることを求めるのかもしれない。しかし、プライバシーという概念が定着している現在、同じ屋根の下で暮らすといっても、住人同士の距離感は昔の下宿とは違ったものになるのだろう。小路氏はこの小説を書く際に実際にシェアハウスを取材をされたそうだ。小説の中では住民間の人間関係は円満であるが、実際にはお互いが気持よく暮らせるような努力が必要なのだろう。でも、こんな人間関係が気付けるのであれば、シェアハウスも悪くなさそうだ。高齢化がますます進む中で、シェアハウスは人生の晩年を過ごす際の重要な選択肢になるかもしれない。
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小路さんの最早王道といっても過言ではなかろう一つ屋根の下モノ。
ベタやけど、やはり安心して読める。
新喜劇みたいな感覚かな。好き。
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主人公の佳人は19歳。特段夢もなく就職も進学もせずフリーター。
と言っても親のスネをかじっているわけではない。
女手ひとつで子を育てる母、双子の弟妹のために
家事全般をこなす、よくできた男。
そんな彼が母の提案で家を出ることになり、
閉院した医院を改装して作られたシェアハウスに住むことに。
管理人の元医者。他の5人の住人たち。
彼らとゆるく繋がりその生活にも慣れてきた頃、
せっかく仲良くなった彼らをバラバラにしかねない事が起きてしまう。
果たして彼らはその先も一緒にいられるのか。
佳人は自分の夢を見つけることができるのか。
今回もまた主人公のキャラが他の著作と似てた。
これはちょっと残念。
ただ、今回は珍しく恋愛面も少々描かれていてそこは新鮮だったな。
小路さんの描く恋愛モノ、読んでみたいんだよなー。
その辺を続編でお願いします、小路先生!
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波長が合う音楽というものが誰にでもあるように、小路さんの文章はとても波長が合う。
読んでいるだけで、微笑ましい気持ちになり、たまに何のきっかけもなく涙が出そうになったりする。
小路さんの描く物語は、「優しい音楽」なのだ。
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元内科医院の小助川医院を
改築した『シェアハウス小助川』
大家は元お医者さんのタカ先生
シェアする住人は
もともと近所で患者さんでもあった
佳人くんはじめ、女4男2の6人
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小路さんらしぃ大家族的なお話だったけど…、
草食系男子が主人公ってとこが、ちょっち新鮮…。
これまでの作品では、よぃテンポで入るト書きの主が、
ちょっち勝気で小気味のよぃ魅力的な女性だったけど…、
今回は、ちょっち自信なさげの草食系男子ってとこが、
小路さんにしては、新しぃテイストだったかな…。
お話は、ちょっち平凡な生活って感じ…。
もちろん、それはそれでぜんぜん悪くはなぃんだけど…
東京バンドワゴン・シリーズや他の作品のように、
ちょっち尖ってた方が、お話の魅力は膨らんだかな~。
小路さんの作品は、いつも高評価なので、
今回は、ちょっち辛めにしてみますた…。
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古い医院を改装したシェアハウスに住むことになった佳人。管理人の元医者に男女6人の同居人での生活が始まる。
医者付シェアハウスってことで、一人一人問題を抱えてるのかと思った。
理想的な住まい&環境&人間関係。
小路さんの本はいつもそうだが、今回は特にここの住民になりたくなった。
【図書館・初読・3/7初読】
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大学進学も、就職も保留したい。
自分のやりたいことが見つからない佳人は、昔世話になった医師のシェアハウスに入居しないかとすすめられて、共同生活をおくることになった。
文章は全て佳人の視点で書かれており、そこにどこか幼さが感じられるのは、まだ大人になって仕事をする実感がわいていないからなのかなと思えました。
進学してやりたいことも、就職してやりたいことも見つからない。
けれど、シェアハウスの住人達と変わるにつれ、自分の考えがどこかまとまりつつあるような、そんな雰囲気がありました。
ほのぼのとした気分のときに合う本かもしれません。
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欠点は、自分のやりたいことが見つからない=忙しい母に代わり家事をやる自分に満足している、という“好青年”・佳人が、今流行りのシェアハウスの管理人になりました。(*^_^*)
そっか、シェアハウスってこういう暮らし方なのね、という面白さと、佳人の人柄の好ましさ、家事能力の素敵さに惹かれて、最後まで気持ちよく読むことができました。
見も知らぬ他人同士が、個室はあると言いながら、キッチンやお風呂を共有し、また、リビングらしきものもあったりする、というシェアハウス。あぁ、そういえば、私の学生時代の下宿がそうだった…なんて、今、感想を書きながら初めて思い当たったのは、形は似ていても全然様相が違うから、なんでしょうね。私の場合は、6人の同じ大学の女の子たちがすごぉ~~く密着して暮らしていてそれはそれは楽しい時代だったのだけど、このシェアハウスはお互いの距離感を大事にしながら、1人暮らしの寂しさは回避できる、という、うん、今の時代に求められている形態かなぁ、とね。
開業の医院だったレトロな建物を、リフォームしてシェアハウスに。
大家さんは、佳人の昔馴染みのお医者さんで、まだ50代と若いのに引退している、という設定。穏やかな人となりが好ましく、時に白衣を着てみたりするのも、お医者さんがうちにいる、という安心感があっていいなぁ、なんて。
シェアハウスに集まった人たちも、ちょいと訳ありだったりもするのだけど、無駄に迷惑キャラが作られているわけでもなく、あれこれ話し合って、快適な住まいにしようと歩み寄る姿勢が好きでした。うん、後半、ある事件が起こった時、
「私たちは、努力して仲良くしているんだよね」といった言い方があったのですが、
ここが、このお話の一番の幹だなぁ、と。
ただ、もうちょっと1人1人の物語が深く掘り下げられてもいいかな、と思ったり、終わり方がちょっと唐突かな、という気もしました。もしかして、これは続編を考えている、ということなのでしょうか。
それにしても…
「東京バンドワゴン」のシリーズといい、小路さんは、大勢で暮らす、という話がお好きなようですね。(*^_^*)
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やりたいこと、夢、特になし。自慢は家事の腕前だけ。そんな佳人が背中を押されて始めたのは、見ず知らずの男女6人+管理人のタカ先生での共同生活。“シェアハウス小助川”という名前の医院を改築した大きな“家”で―。優しすぎて生きづらい、不器用な若者たちの成長を温かい視線で描ききった長編エンタメ。
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小路さんらしいやさしくあたたかい物語である。だが、ただふんわりと甘くやさしいだけでなく、シェアハウスの住人たちそれぞれが抱えているものを、それぞれにとっていちばんいいと思える形で明らかにし、解きほぐしていくので、ときに仄かな苦味や酸味もあったりするのである。底に流れるものがお互いに対する思いやりなので、暴露趣味にならずに最良の形になるのだろう。小助川医師、佳人はじめ、住人ひとりひとりがきちんと自分の役割を担いつつ、自分自身を大切に生きている姿が好ましい一冊である。数年後のシェアハウス小助川の様子が目に浮かぶようである。
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善良なる人々の物語。
東京・杉並区の住宅街の一角、荻窪の善福寺川のそばにある「小助川医院」。古き昭和を思い起こさせる和洋折衷の古い建物は、母屋と医院とが渡り廊下でつながる構造で、広い庭には柿や枇杷の木が植わっている。
色々あって医院を廃業したタカ先生が、業者の力を借りてスタートしたのが、今流行りの「シェアハウス小助川」。
そこに住まう6人の住人たちが、遠慮しながらも新しい家族の形を作り上げていきく、、、タカ先生のご近所のよしみで準管理人を命じられ、さりげなくふるまいながらも自分の生きる道を探る草食系の若者19歳の佳人のモノローグで綴られていく。