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原書名:Black coffee
著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家)
小説化:チャールズ・オズボーン(Osborne, Charles, 1927-2017、オーストラリア、ジャーナリスト)
訳者:中村妙子(1923-、大田区、翻訳家)
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もー!
ヘイスティングスったらかわいい子が出て来たらすーぐころっとやられちゃうんだから!
もー!
となる一冊。
良いコンビだ…
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(あらすじ;引用)
晩餐後、科学者サー・クロード・エイモリ―は家のものを集め「この中に極秘文書を盗んだ者がいる」と叫んだ。部屋を暗くしている間に書類を返すことを彼は勧めたが、明かりがつくと殺されていた。彼から国家的大問題について相談したいと言われていたポアロは、真相を追うが……巧みな構成による、同名戯曲の小説版。
(登場人物)☆探偵、警察側●被害者 番号犯人候補
☆エルキュール・ポアロ…私立探偵
☆ヘイスティングズ大尉…ポアロの友人
●サー・クロード・エイモリ―…科学者
①リチャード・エイモリ―…クロードの息子
②ルシア・エイモリ―…リチャードの妻
③キャロライン・エイモリ―…クロードの妹
④バーバラ・エイモリ―…クロードの姪
⑤エドワード・レイナー…クロードの秘書
⑥トレッドウェル…執事
⑦ドクター・カレリ…エイモリ―家の客
ケネス・グレアム…医師
☆ジョンソン…警官
☆ジャップ…警部
感想
数多くの登場人物がいながらそれぞれに個性と役割を与える描写の構成力は流石クリスティーと感じた。
ただ、本質のミステリーとしての出来は個人的は40点くらい。
事件の状況的に犯人の候補が7人しかいないのと、序盤から挙動不審な人物が多すぎて逆に真犯人を絞りこめてしまった。⑥トレッドウェルは状況的に犯行ができない。
①リチャード、②ルシアは冒頭から怪しすぎ。③キャロライン、④バーバラはヘイスティングズとのイチャイチャに終始して犯人役としてはフェードアウト。
いきなりルシアの知り合いということでやってきた、謎の医者⑦ドクター・カレリも怪しすぎ!
消去法で意外な真実を提示するなら…と考えたら半ページ読み終えたところで犯人だけはわかってしまったのが残念。
しかし、最後の締めまできっちりやりきるのがクリスティー。犯人に罪を認めさせるまでのポアロの活躍にも物語が盛り上がる。
ミステリー要素には不満があるものの、物語としては十分に楽しむことができた。戯曲版もぜひ読んでみたい。
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★★★2019年1月レビュー★★★
『ブラックコーヒー』というタイトルに惹かれて読んでみた。ポワロシリーズのミステリー。1934年の英国が舞台。新たな兵器の化学式を発明した科学者サー・クロード・エイモリー。彼の開発した化学式を巡って起こる殺人事件を名探偵ポワロが解き明かしていく。
ロンドン郊外のエイモリー家の屋敷。被疑者は彼の家族と、訪問中のイタリア人医師。
「ああ犯人はあの人ね」
というオチ。展開のテンポはよく、すらすら読めた。
エルキュール・ポワロの人物が分かる紹介を少しだけ。
*ポワロは几帳面で、何事も整理整頓されていないと気が済まない。「左右対称、均整調和こそ、すべてなんですがねえ・・・・灰色の脳細胞はきちんと整理されていなくては」
*また、ポワロは自信満々。
「しかも、マダム。このエルキュール・ポワロは超一流の猟犬です」
「私ほどの推理力に恵まれていない人間にははっきりしないことが、このエルキュール・ポワロの知力にとっては、まったく明らかだからですよ」
しかしながら、見た目はぱっとしない。
卵形の頭をした小男。
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1930初演の戯曲を1997年にクリスティ研究家のチャールズ・オズボーンが小説家したもの。であるので翻訳といえどもちょっと文体は硬い感じがした。でも裏表紙のそそる紹介文に引かれどんどん読み進む。館の主科学者のエイモリー卿は、家族の中に極秘書類を盗んだものがいる、部屋を暗くしている間に密かに返すように、と言ったが明かりがつくと氏は死んでいた。
密室もの。館の中に犯人はいる。劇の小説化なので各人の動きが細かく書かれていて、おやっと思ったらやはりその人が犯人だった。劇だと見てると分かるかな。ポアロはヘイスティングスの何気ない言葉で犯人のヒントを得る。
卿は金を持ち一家を支配している。妻亡き後その妹が細々した面倒を見ている。その他息子夫婦、姪、が親族で同居している。秘書、執事もいる。時代設定は発表の1930年と同時代だと思うが、卿と妻の妹を古い価値観の人、姪を新しい価値観として描き、息子は金が無く、姪も息子夫婦も卿から逃れたがっている。「ねじれた家」と似てる構図。
小説版1997発表
1998.4.30発行 図書館
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脚本?台本?読むこと あまり無いので読みにくかったけれど、これだけ細かに役者の動きが書き込まれているのだな、と感心した。舞台上が目に浮かぶよう。
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世紀の発明を狙ったのは誰だ。
戯曲版を読んでからこの小説版を読む。戯曲版との最大の違いは場面転換があること。舞台の上では読書室ですべてが展開する。しかし小説は、この屋敷に向かうまでのポアロが冒頭で登場する。これで一気に物語はポアロのものとなる。舞台の上の登場人物の誰が怪しいかを自分で追うというより、ポアロの灰色の脳細胞の働きを追うという読み方に変わる。地の文で情景が語られる方が自分にとって読みやすかった。
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やっぱりミステリーものはおもしろい。
ナイルの映画も(配信でだけど)早く観たいな。
わたしはこの文庫本の装丁がお気に入り。
今にも良いコーヒーの香りが漂いだしてきそう。
わたしはコーヒーが大好きだから、コーヒーで死にたくはないけれど笑
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久しぶりにポアロに会いたいなと思ってアガサ・クリスティーを読んだ。
もともと戯曲らしく、たぶんこの読書室のワンシチュエーションなのかなぁと想像しながら読んで、面白かった。
人の出入りが伏線になったりトリックになったりしていて、それもとても、舞台っぽい。
だが私、殺人のトリックが未だわからない。あの人はいつどのようにあれされたんだ?
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戯曲の小説化だが、書いたのはクリスティー本人ではなく研究家の手になるそうだ。
元の戯曲は読んでいたので、この小説版を読むことで、話がより立体的になったとはおもう。が、クリスティーは戯曲として書いているので、やはり演じられる劇を観てこその話だよな、という認識を新たにする。今なら三谷幸喜脚本とかで、映像でやっても面白いかも。
あと、やはりクリスティーの語りは抜群に巧い、というのもよくわかる。サーヴィスのつもりなのだろうが、研究家は余計なことを書きすぎるんだよね。現代的な視点や表現が混ざり込んでいるのも気になった。
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コーヒーのなかに毒物が。タイトルの「ブラック・コーヒー」がこの物語の始まり。お馴染みのポアロとヘイスティングスが活躍するクリスティの名作。
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2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。戯曲版のブラック・コーヒーは既読。なのだが意外と覚えていなかった。当然なのだが『登場人物の事情がいろいろと露見する』部分は同じのはずである。ただ、なんとなく、その事情が戯曲版の方がはっきりしていたような気がする。確かではないのですが。
解説:「ホットチョコレート好きのポアロが探る、ホットコーヒー殺人」(料理研究家&料理探偵)貝谷郁子、