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原書名:CURTAIN POIROT'S LAST CASE(Christie,Agatha)
著者:アガサ・クリスティ、1890イギリス・デヴォンシャー州-1976イギリス・オックスフォードシャー州、小説家
訳者:田口俊樹、1950奈良県出身、翻訳家、早稲田大学第一文学部卒
解説:山田正紀、1950名古屋市出身、小説家、明治大学政治経済学部卒
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子ども時代から20代にかけてさんざんクリスティーを読んだものだがこうして久々に再読してみると改めてクオリティの高さに感服した。また読み返してみようかな…
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ポアロとヘイスティングの出会ったスタイルズ荘が再び舞台となり、今度はポアロの招待でヘイスティングがやってくる。執筆は1943年なので舞台はその頃だ。ヘイスティングの妻は亡くなっており子供4人は独立して1人暮らしになっている。
過去に起きた5件の殺人事件は犯人が確定されていたが実は本当の犯人は別にいて、今このスタイルズ荘で第6の殺人が起きようとしていて、本当の犯人はまたもや別人を犯人に仕立て上げようとしているというのだ。
奇抜なストーリー、しかしポワロ最後の事件として書かれているだけあって重い解決がなされる。
1975発表(執筆は1943年)
2011.10.15発行
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再読。
というか、もう5回目くらい。
好きな本は 何度でも
読み返します。
ミステリ好きになったきっかけは
小学5年生の頃
学校の図書室で たまたま手に取った
クリスティの『ABC殺人事件』
だったのですが
都合のいいことに
クリスティの作品に関しては
定期的に 犯人を忘れてしまうので
もう 何十回も
全作品を 読み直しています。
"ポアロ最後の事件"と
銘打たれた この『カーテン』。
まず タイトルが秀逸。
読み終えた後に ずっしりと
胸に迫ります。
相棒である
人の良いヘイスティングズ大尉と
ポアロの最初の出会いが
『スタイルズ荘の怪事件』。
そのスタイルズ荘に
年老いて病を抱えたポアロが
戻ってきました。
いったい 何のために?
まだ起きていない 殺人事件のために。
罪を犯す者の『人間性』を
常に見つめ続けてきた
ポアロが 最後に対峙する"悪"。
まだ 発生していない
殺人事件の犯人を
どのように 裁くのかー。
どんな事件でも
コミカルな持ち味を忘れなかった
ポアロが
この作品では かなり
ハードボイルドです。
そして 人生の晩秋を迎えた
ポアロとヘイスティングズ大尉の
ほろ苦い心象風景も
この年齢になったからでしょうかー
染みます。
出来れば
ポアロとヘイスティングズの作品を
いくつか読んだ後の方が
より一層 その関係性を
楽しめると思います。
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読み終わった後の何とも言えなさ
切ないというか悲しいというか胸にぽっかり穴があいたような喪失感がしばらく続いた
気軽には読み返せない、ポアロに一言声をかけたくなるような作品
これを読んだ後には他のポアロシリーズを読んで心を満たしたくなる
しかしそれでもポアロが好きだなぁと感じた作品
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あのポアロが犯罪に手を染めるの、寂しい感じ。でもテーマとしては面白かったな。どれだけ計算してても、他人の心を操るのがこんなにうまくいくものかと思ったけど、法に触れずに他人を引きずり込む悪の存在をありありと感じた。多くの人は他人の発言に少なからず影響を受けるし、相手が善良そうに見えればなおさらだと思う。特に、何か運命的なものを感じたら直感ですぐに行動するタイプだと、仕組まれた悪意に気付かずに罪を犯してしまいそう。
ポアロとXの戦いはどっちが勝ったと言えるのだろう?結果的に先にXが死んだから、一見ポアロが勝ったように見える。だが、人の心理を操って犯罪へ導き、人の生死を左右するのがXの目的なら、ポアロが殺人をするということはXの思うツボではないか。ヘイスティングスが唆されたことをポアロは指摘していたが、ポアロも唆されたことになるのではないか。
ちょっと疑念は残るけど、筋書きの意外性とか、人物描写の面白さはやはりあって、楽しく読めた。結構好きな方の作品。
「どこまでも暗い日も明日になれば過去のこと」っていう言葉は私も好き。
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ポアロ最後の事件である。書名が謎ときには有効ではない不思議。病気のために体の自由を失ったポアロ。友人・ヘイスティングズをスタイルズ荘へ呼び寄せ、凶悪な殺人鬼を追い詰め、捕まえようとするが、安楽椅子探偵とは少し趣向が違う面白さがある。ポアロの死後、ヘイスティングズに残した手記が、なんと生き生き(?)していたことか。……しかし、なぜ友人は名探偵ポアロシリーズのなかで『ナイルに死す』と本書を貸してくれたのか? それが最大の謎だ(笑)
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エルキュールポアロ最後の事件に相応しい内容だった。
これを読んでしまったらポアロとお別れするようで、中々読まずにいたが、大変面白かった。
最後のポアロの決断には賛否両論あるかと思うが、彼の悪を許さない強い気持ちと、これから犠牲者を出さないために、禁断の手を用いたその覚悟に、私は拍手を送りたい。
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クリスティのカーテン、再読。
高校生のころに読んだはずだけど、あのこと以外は全部忘れていたので新鮮に読めた。
けっこう暗い雰囲気。
懐かしのスタイルズ荘が舞台だけど、お金がない夫妻によって改装されて安っぽいホテルになっている事実も胸にくる。
ポアロの弱り方もまた辛い。
と思いきやいろいろあって、ノートンが殺されて、えー??
そして最後の手紙を見て、えー???!!!
いいの!!??こんなことして??!!
そこまでのことなの?!?!
と頭が宇宙猫になって読了。
こんな事態に立ち合ったヘイスティングス、ショックで鬱になりそうよ。
ジュディスとフランクリンの関係がいいなーと思った。
死んだヘイスティングスの奥さんって、シンデレラという名前だったのか、この名が出るたびなんだか笑ってしまう、すみません。
犯人xの関わり方がクリスティっぽい。
示唆するだけで大きなことを起こす、ひとの心理って怖いものだね。
それにしても1975年当時、リアルタイムでずっと金庫入りしていたこの作品を読んだ読者はどんな気分だったんだろう。
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読んで欲しい。できればポアロシリーズを数冊読んでから。
【読みやすさ】10
【衝撃】7
【推し度】100
【引き込まれ度】100
【ポアロ大好き感】10000
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ポアロ
とうとうポアロ最後の事件。久しぶりにヘイスティングズに会えたのは嬉しいけどやっぱり寂しい。私はヘイスティングスと同じでポアロに呆れられるほど今回も分からなかった。生き残ったみなさんに幸あれ。
とにかくラストはびっくりするとともに寂しい気持ちでいっぱいになったけれど、私にはまだ読みかけの「ヘラクレスの冒険」がある!
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解説に、「長らく封印されていた衝撃の問題作」とあったので気になって手に取った作品でした。
確かに他のポアロシリーズとは一線を画した作品で、衝撃的でした!!
賛否は色々ありそうですが、それも含めて楽しめる作品です!!
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ポアロ最後の事件であるせいか、他の話とは雰囲気が違うという印象を感じた。そもそも作中で起きていることもなんだかややこしく、実は裏でこういうことがあったのだ、と真実を語られても、すっきりした気分にはなれなかった。個人的には名探偵と犯人の在り方に色々と思うところがあるので、この解決方法は賛否両論あるのではないかと思っている。ただ、ポアロはヘイスティングズのために動いた一面もあると考えると、一概に悪いとは言えない気持ちにもなる。
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「これが私の最後の事件となるでしょう。そして、これまでで最も興味深い事件となるでしょう。なにしろこれまでで最も興味深い人物が犯人なのですから」
ポアロシリーズ最終話にしてアガサ・クリスティーの遺作。
あのポアロも老齢と病によりすっかり痩せこけて車椅子生活に。
けれど事件の真犯人に立ち向かう情熱が消えることはない。長年の友・ヘイスティングズと共に次々にに起こる難事件の謎を解き明かす。
これまでのシリーズと違い、全体的に物哀しさが漂う。いつもとは違うポアロの様子に終始ざわざわさせられた。
仲間であるはずのヘイスティングズを翻弄したりたきつけたり、と手の内をなかなか明かさないポアロの言動により、ますます物語全体が不穏な空気に包まれていく。
そしてこのラスト。ポアロの人生最後の事件は淋しい余韻がずっと残るものだった。もっと別の方法はなかったのだろうか、とポアロの最後の決断には悔やんでも悔やみきれない。
「殺人者になる素質は誰にでもある」
ポアロの遺言のようなこの言葉を胸に刻む。
山田正紀さんの解説にもグッときた。
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ポアロの最終作にして最高の作品だと思う。
ポアロの推理の仕方とまさにマッチした犯人のやり方で、アガサならではのミステリーにどっぷりと浸れる作品だった。