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狐こと山村修という書評家のウワサは聞いていたが初めて読む。
言葉、古典文芸、歴史、思想史、美術の各分野で出色の入門書を紹介する読書案内。その豊富な読書経験から引き出してくるエピソードによるつかみというか枕がうまくて、どの入門書も読んでみたくなってしまう。紹介された25冊のうち文庫/新書が7割とはいえ、<760円+税>では済まない危険な一冊。
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相変わらず素晴らしい書評集。
的確な批評で、思わず手に取りたくなる。ゲンダイに書いたものと違い、文字数をしっかりとっているので、切れ味は少々鈍るが、その分、一冊を深く掘り下げてるので、これはこれでまたいい。
早い物故が惜しまれる。
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「狐」さんの文章は、どうしてこうも静かに流れていくような文章なのだろう…と思いながら読みました。国語や歴史関係で読みたい本がいくつか。
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夕刊ゲンダイに長く書評を書いてきた狐こと山村修の本を二冊読んだ。
うなる他なかった。
書評という文章のジャンルにおいて、ここまで想定外の表現を駆使した人を知らない。
書評というのは、本来批判的に書いてもよいし好意的に書いてもよいはずだが、山村の書評は常に肯定的な表現に満ちている。その肯定感が半端なくすごい。このように讃美されたらどのような読者でもその書物を読みたくなるであろう。作品の「宝石」を引き出すということを地で言っている。
こうした山村の爪の垢でも煎じて飲まねばならぬという思いから、以下に彼の書評の特長を列挙してみる。
・ある作品を読んで思い出した別の作品(本とは限らず映画だったり芝居だったりする)を引いて対比させたり関係性を示す
・作品が書かれた年代について記し、その観点から時代背景を示す
・作家に見出される知性だったり、抒情性だったり、種々の特長を表現する
・不意を打たれた、めざましい、等自分の感情がどう動いたかを記す
・作品そのものが何に重きをおいているかを表現する
・作品そのものが扱っているテーマを作者がどのように料理しているかを独自の言い方で表現する
・自分がどのようにその作品を読んだかを記す