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朱川さん、大好き。でもどれもノスタルジーあふれる内容で、ちょっと寂しくなった。表題作、「あした咲く蕾」、おばさん、本当手加減下手だったんだなぁ。猫又になっちゃったじゃないの・・・。
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昭和ファンタジーホラー。そんな勝手なジャンル分けをしております。どれも昭和ノスタルジア満載で、不思議な幽霊譚ばかりです。怖い話はありません。ほんのり悲しくて明るくて、心のひだにちゅぴちゅぴと温かい液体を垂らして貰っているような心地よさがあります。好きだな〜この作家さん。
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「ツカサもチィちゃんも、よう覚えときや。この世にはな、死ぬほどのことは何もあらへん。辛いのも苦しいのも、時間がたったら忘れられるもんやで。だから何があっても、自分で命を捨てるようなことをしたらアカンのや。」
「弘美ちゃん・・・正しいと思ったことをする時は、変にためらっちゃダメだよ。人の命に関わるような時は、なおさらね」
きっと世の中には、自ら進んでのら犬になった犬はいない。ほんのわずかでも、愛されていること-自分が誰かに必要とされていることが実感できれば、踏み外しかけた道を戻ることもできるのではないかと思う。
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全編ハズレ無しの短編集。読後感はとても良く優しい気持ちにさせてくれる。同じ時代背景では無く大阪万博の頃やバブル期等バラバラではあるが特に違和感は無い。『わくらば日記』の様なちょっと不思議な能力を持った人や不幸な生い立ちを持った子、グレて道を外しかけた子、魂持ったフライパンを煽る中華屋のおばちゃん等出てくるキャラもそれぞれ立っていて面白い。別れがテーマなのだが無償の愛情を分けてくれる人と出会う事により再生への1歩を踏み出せる。どれもラストはホロリとくる秀逸な作品ばかり。これはオススメだ。
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柔らかく、暖かく、そこにほんの少しのホラー。そして"昭和"のノスタルジー。
朱川さんという事で分類的にはホラーにしましたが、ホラーと言うより"不思議"と言うレベルです。
暗さを感じさせる短編は少なく、むしろ明るく軽やかです。別離や悲しみもあるのですが、全体に透明感があり、希望がぶら下がって居るからなのでしょうが。
表題作「あした咲く蕾」の美知恵叔母、「カンカン軒怪異譚」の女性料理人など特異なキャラも面白く。
なにかもう一味欲しい気もするのですが。。。
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心が温かくなるような、ちょっと切ない不思議な話を集めた短編集。ファンタジーではあるけど、このくらいの不思議なら起こるかもしれないと思えるので、仰々しくなく素直に受け取りやすいのかも。雨つぶ通信、カンカン軒怪異譚、花散ったあとが面白かった。でも他の話も面白かった。
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どんなに幸せの絶頂にいても、先のことはわからないものだ。
一瞬で奪われてしまう人の命とは、なんて儚いものなんだろう。
それでも、幸せな記憶はずっと心に残っていく。
会ったことがない父親に、公園で会ったとうれしそうに話す娘。
自分もその場所にいたはずなのに、何も覚えていないことが切なくて哀しくて涙ぐむ母親。
この世の常識でははかれないことだってある。
こんな奇跡ならあってもいいじゃないか、と信じたくなってくる。
幸せに過ごした時間は戻らないけれど、大切に思える人がいた…その思いはきっと消えることはない。
ちょっと不思議な、だけどとてもあたたかで切ない物語。
おだやかな物語は、いつだって心を優しい気持ちで満たしてくれる。
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異論があること大前提、あくまで俺の好みとしてなんだけど、朱川作品にホラーは求めていない。
夕暮れ時の赤い空、地面には曼殊沙華、泣きながら空を飛ぶカラス、日暮れまで15分とない時間なのに家に帰る道を忘れ迷子…サーカスの子飼いにさらわれそうな不安感
この程度の怖さがあれば、朱川ワールドは十分に広がってくれるはず。ほんまにTみたいな展開や、誘拐犯がででくる必要はないのだ。
この作品集は、ホラー感を極力排して、ノスタルジーとファンタジー感をしっかり味合わせてくれるのがよい。「夕暮れ時は寂しそう、とっても一人じゃいられない」こそが朱川小説の真骨頂だと、俺は勝手に思っている。
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変わらないものを描く作家さんだと思う。
揺るがないものはあるんだよって教えてくれる作家さんだと思う。
過ぎてしまった時代の中で流れゆく日々の中で。
「想い」だけは永遠のものだから。