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原田マハの短編集。この人は、働く女の人を書くのがうまいのかな。
主人公たちは大人の女性という感じで酸いも甘いもしっていて、
その中で人生の局面に立たされたときにどういう行動をとるか。
自分には遠い世界の話だったか、引き込まれるものがあった。
というか原田マハの本はどうしてこう引き込まれるのだろう。
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原田マハさんはいろいろな物語を書きだす人だということがわかった。けれど、今回はなんだか入り込めず・・・。なんだかなぁというのが正直な感想。斉藤美奈子さんの解説がよかったな。
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原田さんの描く女性は、出来ますね~。
かっこいい女性が多いです。
でも、その裏で抱える苦難や葛藤が切ないです。
そんな彼女たちが光を見つけ、次へのステージに向かいます。
この4作品の中では、『ごめん』が好きでした。
主人公の陽菜子は、不倫相手と海外旅行。
その間に、夫は事故に遭い植物状態…。
いろんな葛藤が渦巻く中、夫の謎(?)を解きに高知へ。
そこでの出会いが、彼女に覚悟をさせます。
高知弁を聞いていると、色々なことが「大丈夫かも」って思えちゃうのはなぜでしょう…。
高知市内を走る路面電車は、東が「後免(ごめん)駅」で、「伊野(いの)駅」です。
以前、高知を旅行した時に、両電車がすれ違うところを見て、「ごめん」「いの」と微笑ましく感じたのを覚えています。
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単行本で「ごめん」として出版されたものを
文庫化の際に「夏を喪くす」と改題された短編集。
女性を主人公にした4つの作品。
以前「ごめん」で読んだときは
すこしネガティブなレビューを書きましたが
2年の歳月を経て 私自身も変化したのか
今回は しみじみ染み入る感覚があり
スーっとした読後感でした。
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これはいい。個人的に好きな中編集だ。
とくに、ごめん、と、夏を喪くす、はいい。
夏。人生の盛りを過ぎた女性たちが直面する現実。成功し、欲しいものは手に入れ、そこそこ好き勝手やってきた人たちが直面する現実。実際には因果応報ともおもえるんだけど、へんな同情や、苛立ちも覚えず、ここからもたくましくやってくな、と思える人たち。読んでいて何故か元気をもらった。
最後のやつは若さ故の過ちを今なおひきずる女性の一歩を踏み出す話で、これもよかった。
最初のは少し重たいけど、光があってよかった。
つまり、良かったのだ。
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他人の人生でこれだけ息苦しくなったり、勇気づけられたり、本気で変わりたい、と思わせられるのは原田マハさんの作品以外にはない。
「天国の蝿」に胸をしめつけられ。
「ごめん」に罪を贖い許されて。
「夏を喪くす」に新しく生きることを夢見て。
「最後の晩餐」に胸の奥を熱くして。
女性のすべてを羨み、敬う。私はそうして生きてきた。自分が男であることには少しも違和感を覚えたことはないが、常に女性の底知れない神秘性とパワーに翻弄されてきた。
原田作品の女性たちは、他のどの小説の女性たちにも似ていない。多くの痛みと歓びをその身体の奥に詰め込んで、苛立ちもはにかみも同じ強さで惜しげもなく男たちにさらけ出す時こそ、彼女たちの本当のパワーを感じさせられる。
涙も微笑みも彼女たちの一部であり、彼女たちの感情を制御するための排泄物などではない。
すべてが彼女たちにあり、何もかもが彼女たちを意味している。
男などには、逆立ちしても手にすることはできないほどの濃密な人生を、誰にも寄りかかることなく完結させてゆく女性たちに出会いたくて、私は原田マハを読み漁るのだ。
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4つの物語の中編集。
全体的に陰のある暗いストーリーが多い。そのせいか、なかなか感情移入して読めなかった。
その中でも「ごめん」はよかった。
2015/03
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人生の転機を迎えた四人の女性の決意の瞬間を描いた中編集。単行本「ごめん」を改題。
男であろうと女であろうと、人生の選択は必ず訪れる。ある程度規定路線であれば考えもまとまっているが、突然の出来事、それも不幸な出来事にどう対処できるかが、その人の器の大きさで変わってくる。本作の四人の女性の選択は、一言で言えば「勇気ある決断」。その勇気を備えるのが日々の過ごし方なのだろう。
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この世に完璧なものなんて何ひとつない。
それよりも
さりげなく言った一言で、
だれかの人生に光を投げかけることに、
価値を見いだしたい。
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正しい生き方かどうかは別にして逞しい女性たちに羨望。4編からなる短編集。どの作品の主人公も魅力が溢れているが一番好きな作品は「天国の蠅」かな。
あらすじ(背表紙より)
「なんだか、硬いね」ベッドで恋人が乳房の異変に気づいた。仕事と恋を謳歌する咲子の人生に暗雲が翳る。夫との冷えた関係に加え、急に遠ざかる不倫相手に呆然とする。夏の沖縄で四十歳を迎えた女性の転機を描く表題作「夏を喪くす」。揺れる女心の決意の瞬間を、注目作家が鮮烈に綴る中編集。
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この本も、女性でないと真価が分からないんだろうなぁ。
アラフォーと呼ばれる世代の女性を主人公にした短編4編を収録。
「男が稼いで来るから、女は家のことをしっかりしとけ」世代でもなく、かといって職場や社会での女性軽視は厳然として存在した俺ら世代の女性たち。
主人公たちは、女性をしたたかに利用している部分もあるのだが、逆に言えば正攻法では男性社会にのして行けなかったという事情もあるわけで。
したたかで強くのしてきた主人公たち、好きになるタイプではない、むしろ現実でこんなんいたらかなり距離をおきたい連中なんだけど、生きていく強さタフさには惹かれる部分多し。
読んでスカッとするタイプの小説ではないし、読後になんだか咽喉につかえるような違和感もあるんだけど、したたかさとは何か?を考えることができた。
嫁さんはこういう風であってほしくないけど、娘にはこういうふうであってくれてもいいかなぁ…。と書くと「だから男ってのは」って呆れられるか(笑
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嗚呼、これぞ原田ハマ。成熟した美しい女性の4つの物語。胸が痛すぎるくらい痛くなる。
何かを勝ち取れば、何かを喪失する。
両方獲得することはできないの?
そう。できないんだよね。痛いくらい分ってるつもり。だけど、信じたくない。そんなはずはない。そう思ってたけど、喪失することを受け入れないといけない。
そんなことできない。できるはずもない。
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短編集。
2012.6に単行本(タイトル「ごめん」)を図書館で借り読み後、手元に置いておきたかったので文庫で購入。
「夏を喪くす」が切な過ぎる。人生は後悔だらけだ。
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原田マハさんは大好きな作家さんのひとり。
原田さんの本はこの本で13冊目になります。
この本には表題作を含め、4編の作品が収められています。
■天国の蝿
とても不思議なタイトル。
範子の父との思い出。
途中の描写がちょっと苦手な部分もあったけど、ラストはちょっとホロリ。
■ごめん
結婚後も自由に恋愛を楽しむ陽奈子。
そんな陽奈子の夫が仕事中の事故に会い…
夫の秘密を知ってしまう陽奈子。
■夏を喪くす
40歳の咲子。
彼女もまた『ごめん』の陽奈子同様、自由奔放に生きていたのだが…
順風満帆。
咲子は自分自身の人生をそんなふうに思っていたのかもしれない。
何を持って順風満帆って言うのだろう。
それを決めるのは誰だろう。
他人から見て?
やっぱりそうではないよね。
自分の人生なのだから、自分が決めるのよね。
でも、100点満点でないと順風満帆といえない人もいれば、80点あれば良いんじゃない?と思う人もいる。
さらには50点こえれば良いじゃない?と思う人も。
100点満点を順風満帆と考えていると、小さなつまずきから立ち上がれなくなるのかな…
ほどほどが良い!
目の前の小さな灯りにぬくもりを感じられるほどに。
■最後の晩餐
この作品だけ、少し異色。
大切なものを失った悲しみはいつ癒えるのか…
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「天国の蠅」「ごめん」「夏を喪くす」「最後の晩餐」の4編が収録。いずれも30~40歳代の女性が主人公。