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刀城言耶シリーズ。文庫化されたのは最近だが、執筆自体は「まじもの~」に続く長編2作目。
今作はシリーズの他作品とちょっと趣が異なる感じ。ホラー的なものは薄く、推理展開もより合理的。の割りに、真相は合理的という言葉からはかけ離れたもので、意外だった。最初に展開の分類をされていたけれど、確かに言い得てるかも。私的にはこういう展開もアリだなと思った。
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前作よりも、民俗学的薀蓄のない分、読みやすかった。
ただ、建物の描写や空間の描写が多く、分かり難かった。
真相は思いも寄らない結末。
探偵役が無駄にどんでん返しの展開を作るのは、シリーズの特徴か。
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今回はちょっと読むのに疲れてしまった。
途中から薄々気づくような。ひっくり返るようなどんでん返しは無かったです。
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あぁ、もう本当にハマっている・・・!
中毒のように、常にこの世界に浸っていたくて
一冊読み終わったらすぐ次が読みたくて仕方ない。
全部読み終わった時が今から恐いよ。
鵺敷神社の巫女が行う鳥人の儀。
18年前の同儀式では8人中7人が行方不明になっていて
今回も一人ずつ姿が消えて行く・・・。
密室となっていた拝殿から巫女はどうやって消えたのか。
そもそも鳥人の儀とは何なのか。
あー、正声くんが良かった・・・。
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読んでいる最中は面白いなと感じながら読めていた。民俗学的な事や、宗教歴史の薀蓄が大好きな私にとっては最初の徳郎さんとの会話も楽しかった。
ただ、全体を通してどうもぴんとは来ないというか…
読んでいてぞぞぞとする感覚、なにかわからないものが出てくるのではないかという雰囲気が少し足りないかなあと思うのと、刀城言耶の謎解きのどんでん返しからのどんでん返しに確かに驚きはしたのだけど、少し雑さを感じてしまったというか、そんなかんじ。
うーん、ミステリー色というか、推理に重きを置いてた作品だったので、このシリーズにしてはホラー分が足りないのかな。
でも読んでいて面白かったのは確か!
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孤島で執り行われる謎に包まれた儀式の中で、巫女を含めた関係者が次々に消えていき、刀城言耶が人間消失の謎を推理する。
消失・脱出のトリックについて推理をめぐらせ、シリーズおなじみのどんでん返し推理もありつつ、思いもよらない真相へと行き着く展開に今作も夢中になりました。
巫女消失の謎については、『トリック』を暴くという考え方だったから真相を知った時の衝撃がすごかった。読んでいる間、「まさか、まさか…うわぁーなんてこった!」てなった読者は私だけじゃないはず。
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怪異譚を求めて全国を回っている作家・刀城言耶は、秘儀を取材するため瀬戸内にある鳥坏島へと渡る。
前回の儀式では、儀式を行う巫女を含め七名が行方不明となっていた。
そして今回も、巫女の朱音が密室状態の拝殿から姿を消し、他の面々も一人また一人と消失してゆく―。
禍々しくて濃厚な雰囲気の、きっちりとした世界観ができあがっているので話に入りやすくて、すらすら読めました。
民俗ホラーっぽいのですが、意外に緻密な謎解きにかなりのページを割いています。
怪異の見せ方も巧みで、怪異とミステリの絶妙なバランスが素晴らしいです。
読者にさまざまな想像を促すラストは、怪異とミステリのアンサンブルの妙を感じることができました。
読むと、日常からちょっとはみ出した気分になれる小説です。
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長編ホラーミステリー小説シリーズ第二弾になります。
第一弾のような不気味な怖さと言うより、ほぼトリックありきで話が進みますが、数々の伏線と予想外の強烈トリックに、唖然。
一部回収出来てない謎もあると感じましたが、もう一回読むと何か見えるのかも。
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青年団三人の性格とそれぞれの末路がちょっとわかりやす過ぎたかな。
結末に関しては、いい意味で拍子抜けしました。
表紙のイラストも神々しく思えてくるから不思議です。
にしても、長いなあ。
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今や本格ミステリ各種ランキングの常連である著者を代表する刀城言耶シリーズの2006年発表の第2長編となります。
本作品では瀬戸内海のとある島を舞台に謎めいた儀式の最中に起きた密室状態からの人間消失事件を取り扱っています。
前作『厭魅の如き憑くもの』に比べると謎解きがやや薄味で、どちらかと言えば一発ネタに近い感じです。
その真相は、想像するとものすごいインパクトですが 笑。
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評価の高いシリーズ他作品を既に読んでしまった私には、「人間消失」がテーマの今作はちょっぴり物足りなかったかも(・_・)自業自得…
既読作品でも感じましたが、物語が終始刀城目線で語られるのは三津田作品特有のホラー色が半減するような気がしますし、
一人目が消失した直後の「消失現象の検証と考えられる分類方法」は正直読んでいてまだるっこしさを感じます。そのトリックはもう少し検討進める余地があるんじゃないかいな(・_・)という物もあったり。
ただ、この「分類方法の検証」という布石があって、やがてトリックが明らかになった時のインパクトは凄まじいです。あー!巫女が××に興味を示してたとか、神聖な儀式の前にしてはやたら××××になってるとか、伏線は確かにありましたねー!でもそんな度肝を抜く消失トリックは絶対思いつけないわー!!(笑)と嬉しくなって、やっぱり布団の上をゴロンゴロン転がるのでした(^O^)
そろそろ文庫本制覇してしまうので、ノベルス行くか…ジュンク堂さんお世話になります…←
「真っ赤な目玉を見た。こちらをじっと覗き込む、鳥女の目玉を…」--18年前に7名もの人間が行方不明になった際に行われた「鳥人の儀」が、唯一の生き残りであり事件の証言者でもある巫女によって再び執り行われることになった。
怪異譚収集の為にこの地を訪ねた刀城言耶は、儀式を見届けることを許されるが、そんな彼の目前で謎の人間消失が起きる。やがて、一人、また一人と関係者が行方不明となり…。
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瀬戸内にある鳥坏島で行われるという、とある秘儀を取材しにきた刀城言耶。しかしその儀式は、十八年前、一人の生存者以外すべての参加者が行方不明となったという曰くのあるものだった。いったい十八年に何が起こったのか、そして今回の儀式は無事に終わるのか――。刀城言耶シリーズ。
相変わらずあふれ出る民俗学のかおり!素敵です。「鳥」や「海」に関する怪異・薀蓄も面白く読みました。
ミステリとしては、今回は「どうやって儀式中に人間が消えたのか」という謎の一本に絞られており、シリーズ他作と比べるとややボリュームの物足りない感じがあります。ただ真相が衝撃的で、民俗学の薀蓄との相乗効果もあり、インパクトの強い読後感でした。私には絶対に無理だなと思いました(笑)
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三津田信三の刀城言耶シリーズ第二長編『凶鳥の如き忌むもの』を読了。
各地の怪異譚を探して旅をする作家・刀城言耶は、知り合いから紹介されて瀬戸内海に浮かぶ兜離(とり)の浦へとやってきた。そこの沖合いにある鳥坏島(とりつきじま)での儀式の最中、巫女が消えてしまう。
ホラーとミステリの融合しているこのシリーズは、怖いもの好きのオレにとって雰囲気がとても好きである。
しかし本作はシリーズ第一作の『厭魅の如き憑くもの』よりもホラー要素が少ない。
事件現場が密室で、部屋の中は血塗れ。そこにいたはずの巫女が消えてしまうのだが、だいぶミステリ要素が強い事件と言える。そしてところどころ、横溝正史の『本陣殺人事件』を彷彿とさせるシーンや類似点があり、影響を少なからず受けて作られたものと感じた。
やや難ありと思ったのは、事件現場の説明がとても解りづらかったこと。ごちゃごちゃしている現場なのは理解できるのだが、物の配置などの詳細が文だけでは酷く理解しづらいのである。
目次の近くに島全体の見取り図が付いているのは良いのだが、出来れば事件現場を説明しているページにも部屋の見取り図を挿入して欲しかった。それだけでもかなり評価は違ってきたのではないかと思う。
トリックらしいトリックは特にないが、地方の因習等を扱う本作ならではの真相だった(このシリーズは本当にそれが真相なのかは判らないのだが。それがまたいい)。次の作品も楽しみである。
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文庫版の刊行順とは異なり、これが刀城言耶シリーズ第二長編となります。
本作は密室からの人間消失がメインとなっており、途中繰り広げられる人間消失講義も、あらゆる可能性を全て洗ってもなお答えが見えてこないどころか、不可能性が強調され怪異の存在がより濃くなってしまうあたりがこのシリーズらしいところです。
人間消失のトリックはなんとも豪快で、これだけのためにこの分量を読まされたのか、と思う節がないでもないですが、土壌作りや伏線の妙などを考えるとさもありなんという感じでしょうか。
シリーズ初期の作品なので『厭魅』にも似た読みづらさはありますが、この一発ネタとも呼べるトリックは読んで損はないと思います。
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前作が面白かったので手に取りました。前作、厭魅に比べてホラー要素は薄く、ミステリー色が強いです。
正直にいって途中までは前作に感じたぞっと背筋が冷たくなるような雰囲気をあまり感じず、どちらかといえば地味なミステリーのようだなあと思っていました。
しかし最後の最後、謎解きの終盤でやられました。
ぞっと背筋が凍り、おぞましさに身震いします。それと同時に「凶鳥」の意味、「鳥女」の意味、「鳥人の儀」の意味、周到に張られていた伏線に気付き、大変に興奮しました。
とても面白かったです。