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どれも文句なしに好き。
ミステリーっぽいのやホラーっぽいの、ちょっと不思議なの・・・
いい感じに妄想の余地が残ってる。
話し言葉がきれい。特に女の人。
作品が書かれた頃はまだ着物を着る機会も多かったんだなあ。
特に好きなのは
「黄泉から」「鶴鍋」「泡沫の記」「白雪姫」「猪鹿蝶」「ユモレスク」「復活祭」「春雪」
「白雪姫」の阿曽氏、この人今で言う草食系男子だなあ。
登場人物では「復活祭」の川田氏が一番好き。
(10.02.18)
図書館
(10.02.15)
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洒落てる
そして作品中の描写(心理/風景)のバランスがきまっていて明晰さを感じる
「予言」「白雪姫」「雪間」「母子像」が特に好き
比喩もくどくなくて鮮やか
とても好きな文体でした
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「蝶の絵」大好き。久生作品見てると昔の日本人って私が想像するよりはるかに文化的にソフィスティケートされてたようだ
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凝縮された完成度の高い短編が多く、何とも言えない美しい描写や人の性格の描き方が上手さもあって楽しく読める。時々立ち上る「ハイカラ」な香りも良い感じ。
「黄泉から」
話の筋よりも、おけいが死の間際にニューギニアで見た「雪」のシーンが実に素晴らしい。★★★★
「予言」
これは夢だったか妄想だったか、読んでいるうちに立っている平面が分からなくなる書きっぷりが絶妙。★★★★
「鶴鍋」
いやはや、良い話だなあ。といったところ。★★★
「無月物語」
これは十分に狂ってると思うなあ。★★★★
「黒い手帳」
これはいいね、実にいい。ルーレット必勝法を軸に、短いながらも話が二転三転、読ませる。★★★★★
「泡沫の記」
これも黒い手帳のような謎解きの楽しみがあるとともに、語り手の立ち位置がとにかく不思議。★★★★
「白雪姫」
氷の中に封印されて30年、美しいといえば美しすぎる話かもしれない。★★★★
「蝶の絵」
戦争後遺症の話として読む分には楽しかったが、解説にあるほど蝶の効果は感じなかったなあ。★★★
「雪間」
これもミステリ風だが、これは普通。★★★
「春の山」
何はともあれ、主人公のような御身分になりたいもんだ。それが一番の感想。★★★
「猪鹿蝶」
女はたくましい。着物談義は読んでもイメージ湧かない素養不足が痛手だった。★★★
「ユモレスク」
何だか最後は不思議な話に、今一つ流れつかめず。★★★
「母子像」
純粋すぎるぜ、まぶしいぜ。★★★★
「復活祭」
普通の良い話。最後のほうに読んだのに一番印象薄い。★★★
「春雪」
純愛の話。美しいですな。★★★
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「黄泉から」に始まり、「春雪」で終わる並びが素晴らしい。特におもしろかったのは「白雪姫」。志賀「范の犯罪」が放棄した、あるいは手をつけようともしなかった美しさがこれにはある。
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万華鏡のような後味は他の作家にはないかもしれない。
アコーディオンの伴奏にのせて物悲しく奏でられるBGM。モノクロの八ミリ映画の哀愁。ラジオから流れる雑音混じりの音声。懐かしい昭和の香り。「鶴鍋」「無月物語」が特に印象的だった。
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ツイッターでフォローしてる河出文庫で話題にされてたので、しかしあったのは岩波のだった。
いろいろと予想外。漠然と予想していた幻想文学、だけでもなく、平易で読みやすいのに見慣れない文体。そっけないような丁寧なような。身構えて読んだら優しかったり、ぽんと突き飛ばされて終わったり。
時間の流れがさくさくと切り変わったりさかのぼったりして不思議な気分になる。話の行き先がわからなくて、それが良い気分になったり。
気に行ったのをここにあげておこうと思ったらだいたい全部だった。そのうち買いたい。
「黄泉から」「蝶の絵」「復活祭」。
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2011/04/17
「予言」を読了。
安部と石黒は、情念の浅い者と深い者を
それぞれ象徴しているように思う。
そして、作者が書きたいものは後者であろう、と。
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河出文庫より先に出てたのに(そして先に買ったのに)、こっちのほうを後から読んじゃった。全15篇。……こちらに採られているもののほうが、私は好きかな(甲乙つけがたいような気もするけれど)。巻末「解説」が丁寧。この人の著作は初出と最終稿ではかなり違うらしい。自分の書いたものに後からジクジク拘る私としては他人事ならぬ。そしてこの岩波の編纂は、様々考慮して、「あえて定本全集とは異なる底本による短編集を編むことにした」とのこと、「ヴァリアントを読み比べていただきたい」とは、素晴らしいではないか。さすがの岩波文庫!!
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世界短篇小説コンクールで第一席を獲得した「母子像」ほか、おもに戦後に発表された、鬼才・久生十蘭の短篇15編。
久生十蘭ってどういう作家なんだろう、と気になっていた。
どういうお話を書く人だか、何が代表作だかはよく知らないけれど、どこかで何度もちらっと見聞きしたような。。なんとなく、「玄人好きのする」作家さんなのだろうな、という印象があった。
だって「久生十蘭」という名前からして、いかにも耽美的な文章の匂いがするではないですか!
そんな折、岩波文庫で、しかもこの表紙で短篇集の発売である。
わ、素敵な表紙(このルーレット、十蘭の遺品だそうです)! ずっと、読みたいなー読みたいなー、と思っていたところを、今回やっと読了。
文章、美意識、ミステリアスな雰囲気、などなど、予想を裏切らないものだった。
生ぬるい闇の手触り、ほの暗い華の香り、眩暈のしそうな美しさ・・・。確かに、好きな人は好きだろうなぁ、と思わせる作風である。
しかし読了後の感想を言わせてもらうと、やや玉石混交の印象が残った。話の緩急がないままずるずると終わってしまう話もいくつかあり、「あ・・・終わった」という感想もしばしば。
世界短篇小説コンクールで第一席を獲得したという「母子像」が一番起承転結がはっきりした短篇だったと思う。しかし、私はむしろ「母子像」よりも、あまり話のオチがきっちりつかない「黄泉から」や「蝶の絵」のほうが、この作家の味が出ていて面白かったと思う。
まだこの一冊しか読んでいないけど、この人は作品の出来がどうこうと言うよりは、この人が書いたもの全部が「久生十蘭」というジャンルになってしまう、というタイプの作家さんなのではないかと思った。
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久生十蘭という作家はどこかでちょっと聞いたことはあったが全く知らなかった。
今回読んでみたが玄人向けの作品といえる。話のオチはあまり明確ではないし、予備知識も必要である。しかし読むのになれてくるとその構成の綿密さ、東西文化の混交に大きな興味をもつようになるのだろう。世の作家にシャーロキアンのようなジューラニアンが少なからずいることがその証左といえる。今回の読書ではそこまでは味わえなかった。
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「猪鹿蝶」のインパクトがすごいなあ…。「鶴鍋」の冒頭が落語のようで楽しい。なのにしんみりした恋物語に発展するマジック。
着物の描写が細かくて、筆者はお洒落さんだったのだな、という気がする。
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ひと時やひとつの情景を切り取った描写が美しく感じた。
先読みした展開が全く異なる方へと行ってしまうのが楽しく、良い短編が読めた。
印象深い女性が多く出る。
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なにせ、知らない熟語、読めない漢字、初めて目にする言い回し、が随所に出てきて大変!。でも、久生が創り出す独特の美しい世界の”雰囲気”は楽しむことが出来ました。気に入った短編を繰り返し読んでみれば、その度に新しくわかることがあるかも。。。
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久生十蘭は推理小説だけでなく、静かに時間が流れる空想(幻想?)と日常の短編も面白い。中でも「黄泉から」の余韻がいまだに残っていて、日常に潜む不思議な感覚がえも言われぬ感覚を与えてくれる。まさに短編の名手。