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2016/05/28 12:59
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とりのひよこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
DVの果て、いつの間にか出ていった母親。
虐待され続ける幼い子供。
借金まみれで、金をせびりに来る叔父夫婦。
そんな悲惨な兄弟のストーリーですが、5才の弟君の考え(行動?)が時折展開を変える!
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これはすごい攻撃力ですよ。わかりやすく、凄まじい。強烈ですよ。今の時代を反映しているように見えるけど、根底にあるのはインモラルではなくて、淋しいさなんです。
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【ネタバレ有】●吉野朔実さんの作品には、繊細とか儚いとか美しいとか言う言葉を使用しないわけにはいかんのですが、冷静に突っ込んだら、実はけっこうエゲツない気が。●主人公の兄弟は、連日父親にDVを振るわれている。母親はとうの昔にいなくなっている。
そしてある日、ついに兄は父親をバットで殴りつけてしまう。
父親は死にはしなかったが、以前とは正反対の性格に変わり、かつ常に頭痛を訴える病人と化してしまう。
そこへ、父親の弟夫婦が、押しかけて来る。彼らは借金取りから逃げ回っており、その返済に主人公たちの家を当てようともくろんでいたのである。・・・
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”きっと必要なときが来る。それまでおまえは学ぶことを怠るな。一日一冊は本を読みなさい。なんでもいい。自由に教育を受けられる――それは何にも代えがたい幸運と知れ。知識はお前を救う、必ず。そうして能を守ってやってくれ。”(pp.195‐196)
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父から虐待を受ける利発な子供達、兄が父にバットを振るった時、予想もしていなかった方向に子供達の運命は変わっていってしまう。読んでいる間中ずっと息を詰めて緊張していた。現在二巻まで刊行されているが、冒頭で一つの未来が予告されていながら、事態がどう転んでいくか分からない。一言では言えないが、とてもスゴイ漫画です。
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苦しいです。不幸すぎて。でもこの子は幸せな思いしか残らず大人になるんだろうな。と思うと、なお悲しい。この作品を包むかすかな希望が悲しいです。
作品の中で主人公の父親が主人公に「今日はこれを読んでから寝なさい」と芥川の河童を手渡すんだけど、その意味を考えているのが幸せでした。
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1巻はもう5年も前の発行なんですね。まだ3巻までしか出ていません。ラストがどうなるのか予測がつきませんが、兄弟に救いがあることを願います。
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昔からこの作者さんが好きだったのですが、
こちらの作品も、ものすごくヘビーで繊細。
詩的な雰囲気を漂わせながら、虐待や自殺などヘビーな問題を
サラリと描いています。
主人公の兄弟が育っていく様を見るのが、
楽しみなような怖いような。
でも本当にすごい作品だと思います。
(fujita)
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本の雑誌の吉野朔実劇場や、映画の紹介本しか見たことがなかったので、
ぜんぜん違う容赦のない世界にショックを受けました。
まだドキドキしています。
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久しぶりに読み返した。
独特の静謐な世界が良いです。
バット、グローブ、ボールをプレゼントされた兄弟。
ハルちゃんのモノローグが印象的だった。
「ぼくはずっとバットは野球をするためにあるんだと思っていた。
投げられたボールを、打つためにあるんだと…
でももしかしたら逆かもしれない。
もともとボールじゃないものをたたいていたんじゃないか?」
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胸が痛くて苦しい。
ハルちゃんもヨキも子供なのだ。こどもなのに、彼らはどこまでも冷めている…。
彼らがただ求めているのは安住の地。還る場所。
2人一緒に幸せになってほしい。
父の支配からは逃れられない。それでも、2人一緒に生きていくんだろうなあ。
ただ欲を言えば、もっと兄弟間での感情や関係を描いて欲しかった。こんな状況の家族状態の中、ずっとただ1人お互いにいた兄弟なのだ、普通に幸せに暮らす兄弟とは全く違う関係性になってもおかしくないでしょう。
もうひとつ気になったのは、このような少女漫画によく見られる愛への渇望がほとんど見られないこと。ハルちゃんもヨキも絶対淋しいと思う。かといって互いに依存しているような描写もそこまでないし…
作者の意図したメッセージが何かは明確にはわかりづらかったですが、強烈な衝撃を残したことは確かです。
全5巻