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AKB48について深く語り合った一冊になっています。
また、AKBとジャニーズの違いや男性アイドルグループについても議論し合っています。
AKBのことを知らない人はAKBの魅力が非常に分かりやすく、よく知っている人は共感する部分があったり、違う意見をもったり自らが一緒に議論している感覚で読むことができます。
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社会現象となってるのはわかるけど
ん~、やっぱり、いまひとつそこまでノレない・・・
歳とった~。
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この前テレビが一ヶ月近く「死んで」いた時、iPhoneでYouTubeを楽しむという事を覚えた。その時に延々と観ていたのは何かと言うと、AKBの映像なのであった。YouTubeというのは、関連映像が次から次へと紹介される仕組みになっている。汲めども、汲めども尽きぬAKB映像によって、私は七年近い彼女たちの歴史はおろか、殆ど見分けがつかなかった選抜メンバー(←これも専門用語ですね)の顔と名前が一致し、SKB、NMBのオーディションからずっと映像で辿るという事までやったのである。
この白熱論争は、私の様に中高年になってAKBに嵌った(←私はまだ「押し」があるほど嵌ってはいない)四人組がその魅力と現象を徹底的に語りあった本である。時は、2012年の選抜総選挙直後と指原事件の直後の二回である。
こんなに付箋紙が付いた読書も最近では珍しい。共感と反発、発見と惰性、保守と革新、感情と理性が入り混じり私もぐちゃぐちゃになったかもしれない。
特に彼らは、AKBを現代若者の宗教的な対象に喩えている。また、何度もその商業性の問題点がある事は認めていながら「仮にそうだとしても」という言い方でスルーしてしまう。しかも、現代日本を変える可能性さえ指摘してあたかも「文明論」まで言及しているかの様に語る。
新書の裏には「日本の巨大な無意識を読み解き、日本の公共性と未来を浮き彫りにした稀有な現代文明論」と書いている。しかし、それは全く深められてはいないのである。ただし、刺激は受けた。
何よりも、この巨大なムーブメントが現在進行形なのが説得力を持っているからである。12月末、今年のCDシングル売り上げで、二年連続AKBがBest5を独占したというニュースが流れた。選挙の票効果だとしても空恐ろしい。
以下は私の勝手な「仮説」なのだが、AKB総選挙は若者の現実選挙行動を先取りしているのではないか。今年のAKB総選挙は、大島のセンター交代やSKBなどの新興勢力の下剋上になるのでは?という一部予測があったと、この論者は述べていた。しかし、実際は大きな変化は指原1人のみだった。総選挙は意外にも、保守傾向が強く動いたのである。それは、12月16日に維新が思ったほどには議席数が伸びず、自民党が返り咲いたことの先取りだったのでは無いか。だとすれば、来年の参議院、その前にあるAKB総選挙が注目である。
2012年12月8日読了
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2012/8/25初版
AKB48にマジでハマった現代論客4人が、主観丸出しでAKB48を語ったお話。
AKB48がどれだけ巧くチャンスオペレーションされた
ビジネスエコシステムになっていて、
そこにどれだけの人間の人生が絡めとられているのかが、
改めて良く分かった一冊。
要するに、秋元康がすごいっていうね。
いろいろつっこんだ見解が飛び交いまくっていて、
かなり面白いところと、まったく飛躍しちゃってるところがあって、
まあ適当に読めばいい一冊だと思います。
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第2章「AKBで変わる政治・メディア・宗教」が面白かったです。
読むと、劇場なんかに足を運んでみたくなりますね。
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最近読んだ本の中で一番おもしろかった。
教養のある大人がマジメにアイドルにハマり、政治まで絡めて議論するバカバカしさ。
エヴァンゲリオンの謎解きをサイト上で議論するのに似た、二次的な楽しみ方という感じ。
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AKBのメンバーもSKEのメンバーもほとんど区別がつかない。そんな僕がこの本を読み始めたのは、対談している4人非常に興味があったから。そして、その期待にこたえてくれる本でした。AKBのとりわけ総選挙の話から発展して、メディア論から政治、社会、資本主義まで、思い切り語り合ってる。濱野さんとか宇野さんに興味があるけど、でもちょっと敷居が高いかな…なんて思ってるひとは、ぜひ、この本から読んだらいいと思う。AKBの握手会にも行きたくなりますw
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気になった論点とかをノートにまとめていたら4ページにもなりました。本当は皆さんにも本書を読んでもらうのが一番なんですけど、宣伝も兼ねてその中のいくつかを紹介します。
1.「ゆきりんに居場所がない」問題。優子→あっちゃんのいないAKBを守るという物語。まゆゆ→次世代センターの本命。ゆきりん→前田政権での有力閣僚だったけどナンバー2ではないので後継者にはなれない。
2.大島優子には「嫌われる才能」がない。アンチがいるからスターが生まれる。あっちゃんと違い、優子にはアンチがほとんどいない。
3.よしりん「AKBの選挙には同情票が膨大にある。単なる美少女コンテストで票を入れていない」
4.総選挙という名の公開処刑。中森「なぜ彼女たちは裁判にかけられ、国民の前で公開処刑されるのか。これはある意味、罰を受けているんです。何についての罪を問われているかといえば、それは「夢」を持つことに対する罰だと思う」
5.よしりん「あっちゃんや優子は家族の茶の間に入れる。お父さんもお母さんも子供も好きになれる。大衆化できる存在。珠理奈や玲奈は、まだオタクのアイドル。家庭に入り込めるようにならないとセンターで引っ張ることはできないと思う」(「茶の間に入れる」という言葉を見て、僕の頭にはももちこと嗣永桃子さんの姿が思い浮かびました。)
6.中森「この選挙は野蛮だから不条理なものが残る。ゆきりんが悪い理由はない」
7.現実の選挙は「チルドレン選挙」。個人を見ていない。金で買える票の方がピュアな本気が込められている。
8.公共性。日本中の何万人ものAKBファンの投票で決まったならどんな結果であっても受け入れなければならないという感覚が共有されていた。自分がそこに参加したというたしかな手応えがあるから納得できる。日本の政治にはこの正当性の空気、公共性の手応えがない。
9.AKBの成立にはブログ等のソーシャルメディアの存在が大きな役割を果たしてきた。むしろ最初の数年間はテレビのようなマスメディアとはある程度の距離を置いてきた。
10.AKBの多様性。麻里子さまとみおりんのファンの間には「女の子の趣味」という面で共有できるものはほとんどない。
11.インターネットの定着は「情報」の性質を変えた。「ただ受け取る」から「自分でも発信する」へ。完成品を受け取ってただ消費するだけの快楽しか提供しないものでは消費者にアピールするのは難しくなっていく。
12.テキスト、音楽など原則的にコピー可能なコンテンツ(情報)そのものに人はお金を払う価値を感じにくい。人は入れ替え不可能なものに対して相対的な価値を認めやすい。AKBはコンテンツではなく、コミュニケーションを売っている。
13.コンテンツ自体ではなく、それを媒介としたコミュニケーションこそが価値を帯びる。AKBには握手会や総選挙など、「参加する快楽」がある。
14.今はみんな将来が不安だから自分の生活で精一杯。だからこそ自分の利害関係とは離れたところで誰かを「推す」ことが心の支えになる。アイドルオタクにCDを大量に買わせる資���主義の権化みたいな「搾取」のシステムがむしろ「共同体」を生み出している。
15.中森「『ロミオとジュリエット』もそうだけど、絶対的なタブーを破ることこそ真の純愛であり、恋愛は感動的になる。恋愛可能性の過剰と恋愛禁止の厳格化。ダブルバインド」
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お正月に読み返すつもりが、正月明けからの読みはじめとなったがすぐに読了。
僕は90年代後半にSPEEDに完全に「はまって」いたのだが、今現在のAKBに対する想いも当時と近いものがある。純粋に応援する「推す」という行動がわかりやすく、ダイレクトに反応するAKBというシステムは実に合理的でかつ夢と愛にあふれている。
総選挙に対してはCDを売るための商業的な意味での批判が強いのは仕方ない。しかし本書で語られているとおり、個人での大量投票それ自体は有権者である我々の想いがしっかりと届けられるものであり、(今現在の状況では)まだ責められるほどのものではないと考えている。
なぜなら、推しメンが活躍すること自体が我々の喜びであり、それ以外の見返りなど誰も求めてはいないのだから。
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宇野さんや濱野さんは大好きなんだけど僕はそこまで熱狂的になれなくて、個人的には(後半で宇野さんが指摘しているけれど)チームスポーツ、サッカーを観戦したり語ったりして楽しむ感覚と似てる(センターは前田か大島か、トップ下は本田か香川かみたいな感じ)。アイドルに民主主義や国家を絡めるのはちょっと違うと思うけど、AKBがこれから下り坂に入るとして、「パイが少しずつ減っていく中でシステムや熱量をどう維持するか」みたいなもののモデルになったらいいなと少し期待してたりする。
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中森明夫さんの「なぜ彼女たちは裁判にかけられ、国民の前で公開処刑されるのか。これはある意味、罰を受けているんです。何についての罪を問われてるのかといえば、それは「夢」を持つことに対する罰だと思う」という言説に、アイドルを楽しんでる時に私が感じるうしろめたさの理由を見たような気がした。べつに、罰を望んでるわけじゃない。けど、罰の気配がアイドルをよりスリリングに楽しめる要因になってると思える。
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帯メッセージはこんな感じ。
人はみな、誰かを推すために生きている。――なぜAKB48だけが、売れ続けるのか?
「推す」という行為はサッカーのサポーターの心理に近いものがあります。サッカー日本代表サポーターとして布教活動に勤しむ僕にとって、こういった観点は非常に大きなヒントになると思い、この書籍を手に取ってみました。
書籍の内容は、いい歳したおっさん達4人が対談形式で、社会学や宗教の観点からクソ真面目にこの社会現象とも言える現代のAKBブームの真相をえぐっています。AKBの総選挙を引き合いに出して、日本の総選挙の制度をdisったりもしてます。
読了後、AKBのメカニズム(秋元康のメディア戦略、総選挙の仕組み、オタク達の心理など)を網羅的に知ることができて、僕的には満足。これからはちょっとAKBについて「知ったか」できるレベルまでキャッチアップできたかなと。
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AKB48というもねに関してのザックリ議論です。あまり深くは言及してないけど、軽い感じで全体が書かれているし、政治や宗教と関連させた話もあるので、AKBをテレビ程度でしか知らない人でも楽しんで読める内容です。
個人的にはもっと深く、核をついた話を期待してました。
また対談の機会があれば、ぜひという感じです(笑)
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若手論客の筆頭である宇野常寛はじめ、AKB48にどっぷりとはまった論客4人がAKB48というグループと「AKB48現象」について語った座談会をまとめたもの。
読む前は、どうせ「AKB48には、現代の日本に失われつつある○○がある!」的な礼賛だろうと予想していたが、それは半分当たって半分外れた。本書の1/3はAKB48自体の話、1/3はAKB48を通じて社会・文化を語り、残り1/3は・・・彼らのAKB48(と彼らそれぞれが応援するメンバー)への熱い想い(笑)。なので読者層としては、AKB48にどっぷりはまっていればいるほど楽しめるだろう。ただし「大して知りもしないで○○について語るな!」という怒りを覚えることもありそうだ。
さて本書の個別のトピックについてレビューを書き始めてはみたものの、うまくまとまらないうちに図書館の返却期限が来てしまった。上で書いたように、レビューするべきなのは本書の1/3くらいだが、その内容はさすがに濃かった。
とくに宇野常寛の意見はさすがポップカルチャー評で他者の追随を許さない鋭い分析を示しているだけある。たとえば「資本主義を否定してこそ真の文化だと主張する人間が大勢いるが、AKB48を見て分かるように、商業主義をとことん追求した方が多様で民主的で表現としても豊かなモノが生まれる」といった視点はとても面白い。
その他「AKB48のような存在が社会的弱者や恋愛弱者を包摂する受け皿になる」という意見も説得力がある。ただし、社会的弱者の受け皿(端的に言えば欲望や鬱屈の捌け口)は古くからスポーツの役割としては知られている。AKB48などのアイドルグループ(やそのファンとの関係性)はスポーツのクラブチームのアナロジーで非常にうまく説明できることを考えると、この意見も鋭いというよりもむしろ自明かもしれない。
無理矢理まとめ。全体的にAKB48礼賛が強くて正直ちょっとついて行けないところもあるが、本人たちが実に楽しそうに議論しているので意外に嫌悪感はない。ただ、世間で言われる「キャバ嬢に金をつぎ込むオヤジとどう違うのか」という批判に対して正面から応えていなかったのは残念。(中森明夫が「キャバ嬢はお金が目当てだから全然違う」と反論していたが、それはお金をつぎ込む側のメンタリティ批判への反論にはなっていない。)あとCDに投票権など付加価値をつけることで音楽市場を歪めているという批判に対しては話題にもならなかった。彼らはそこには興味がない、あるいは論じる勝ちのない話題だと思っているのかもしれないが、やはりそこを避けてはいけないと思う。
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AKB48に「マジ」で嵌った4氏が叫ぶ、推し愛と社会学的分析の結晶。
AKB48、ならびに48Projectがこれだけのムーブメントを巻き起こし、他のアイドルとは一線を画している特徴というのは、劇場というホームグラウンドを抱えている点が大きい。
おニャン子クラブであったり、モーニング娘。であったり、過去の大所帯アイドルグループには、このようなホームグラウンドを抱えた例はなく、故にマスメディアとの結びつきがブレイクのうえで必要不可欠であったが、AKB48は劇場という下地を抱えている分だけ地盤がしっかりとしており、マスメディアへの露出は、より間口を拡大するためのあくまでも副次的な要素に過ぎないのである。
もちろん、このような形態をソーシャルメディア全盛の時代に思いついたという幸運は決して見逃すことが出来ない点。今でこそ、Google+を利用したソーシャルメディアによるマーケティング手法を意図的に、かつ積極的に利用しているが、グループ立ち上げ当初に既にそこまで考えが及んでいたとは考えにくい。
些か盲目的になりすぎてはいないか、こんな言説はあまりに馬鹿げているのではないか、と失笑を買いそうな熱の入りようであり、その点に関しては否定しない。引き合いに出される他グループに対する認識は、やや甘めに見える。ここまでAKB48に対して入れ込んでしまったら、もはや致し方ないことなのかもしれないが笑
だが、一見、馬鹿馬鹿しくも映るこういった議論の中に、社会を紐解くための意外なヒントが転がっていたりする胡散臭さが、実は社会学という学問の本質であり、面白さであると個人的には思う。
変なバイアスをかけて堅苦しく読まずに、熱いおっさんたちがソーシャルメディアでAKB討論をしているところにちょっと耳(目?)を傾けるような、軽いノリで読み進めば面白い本。