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美少女についていかずにはいられない、かなしいストーカー男の話。
あとがきにも書いてあったけど、この小説はほんとに夢のなかのようなんです。
記憶の中の美少女の肌の白さや香気に誘われて、ふわふわ漂っている感じ。気持ち悪い男の目線なのに、なんだか良い気分になってしまいます。美少女の後をつける気持ちがだんだんと分かってくるのでとても不思議でした。
今度読むときは、つける男目線ではなく、つけられる女目線になって読んでみよう。
そうしたら、久子が銀平に言った「つけてください」という言葉の意味が分かるかもしれない。
それにしても、むかし、まだストーカーという外来語が入る前は、こういう銀平のような男はなんて呼ばれてたんだろう。。
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美しい女を見るとそのあとをつけてしまい、その癖のせいで教職を追われた男が主人公。
彼と、彼があとをつけた久子、宮子、町枝をめぐる物語。
人と人との関係が多少ふれあいながらも、同じところでぐるぐると回っているようで、川とか海とかではなく少しよどんだ湖を思わせる、そんな作品だった。
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川端らしからぬといわれているそうだが、なかなか暗い描写が細かく、悲壮感の無い話に仕上がっている。すらすら読めるので電車などにお勧め。
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シュトルムという人の書いた「みずうみ」を読んだあと、「なんだ、同じタイトルの小説があんじゃん」というわけの分からない発端で読み始めた中学時代。そして、川端康成にずぶずぶとはまっていった、入り口としての思い出。。。
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川端康成!
実家の母に借りたはいいけど・・・。
2作続けて、読むのに疲れる内容の本を選んでしまった。
こういう内容が流行っていたのか?
太宰治といい、夏目漱石といい。
こんな作風の本が、必ず1つはあるんじゃないかと思ってしまう。
これも人には薦めません。
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変態ストーカー小説。いわゆる「意識の流れ」の手法を使っているためか、若い女性に関わる部分のすべてが主人公の妄想ではないかと思わせられます。美への憧憬と屈折した思い。結末のつけ方がいじわる。
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第三者的な語り口で客観描写かと思いきやよく読んでみると、文章の中には主人公の視線に没入した作者の視線が組み込まれている。だから読者もいつの間にか主人公・銀平の視線に没入することになる。主人公のゆらゆらと不安な精神にシンクロしていくのです。文章も不安定で奇妙。決して下手なのではない。
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女の後をつける男と、つけられる女。ねっとりとした描写は、いやらしさの直前で止められていて、その加減がすばらしい。後半は、状況がよく読解できなかったので、、、またじっくり読み返したいです。
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主人公である銀平の意識と記憶の流れを映像的に描いた不思議な小説。銀平の異常ともいえる意識の流れが時間や空間を飛び越えて展開されていく。物語はあるようでなく、感覚的な内容になっております。個人的には凄く面白かった!
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美しく好みの女性をみると、見境なく粘着的に尾行をはじめるという困った男を中心に、その周りから発生するエロス的出来事をオムニバス様に描き出す。醜と美の対比、堕と美の対比を川端的言い回しで幻想的現実感をもって展開しているといってよいだろう。この男の振る舞いは普通の感覚なら嫌悪感を抱かずにはいられないのだが、それがまた女性美を際立たせる意味を持っているのではないかと思った。一方で、男の幻想的感覚は少し突飛すぎてかなりわかりづらい部分もある反面、羨ましい「性格」だなとも思った。(笑)また、川端は単純に女性美を際立たせているわけでもない。そうした女性たちのあざとさを裏腹として描くところが興味深いところだ。
解説は、これまた幻想的な女体美を描く中村真一郎。川端文学の中での位置づけがよくわかりました。
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川端康成(1899-1972)、1954年の作。
心象で織り込まれたコラージュ、それが記憶なのか妄念なのか、夢なのか現なのかは、主人公自身にも判然としないのかもしれない。そこに流れる倦怠の内的時間。
うらぶれた男と女、それぞれの性がそれぞれの仕方で彼/彼女にまとわりついてくる。男の中で、自分自身の醜さや果されなかった過去の恋慕は、母性や女性美への憧憬へと転化されていく。が、それが殆ど女性美への、翻っては自身の男性性への、復讐であるように映る。女が、老人の愛人へと身を落とした自分の女性性に復讐しているように。
美は所詮は女性美としてしか表象されないのか。男の独り善がりであり、女の performance 乃至は自己欺瞞でしかないところの。だとするならば、美はもはや陳腐だ。それを承知の上で、自他に対して陶酔・没入・忘我を ironical に perform するしかないのか。それを永劫に反復するしかないのか。美すらも倦怠でしかないのか。性愛は陳腐に反復されるだけの形式でしかないのか。耽美の極北にあっては、美も性愛もそれはもはや何の外部でも在り得ず、殆ど無機的で fetish で生理的で、謂わば自動人形のような振舞だ。
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美しい女を見ると後をつけてしまう男桃井銀平。
彼が後をつけた女、その女について、過去の記憶、幻などが流れるように織り込まれた作品。
スミレを食べて泣いたりしているところが寂しげで印象に残った。
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きれいな女の人を見ると後をつけてしまう男の話.カバーの紹介には「女性に対する暗い情念を“意識の流れ”を描写することによって,永遠の憧憬に象徴化した名作」と書いてある.文学の手法はともかく,題材がここまで病的だと私は気持ちが物語に入っていかない.
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ストーカー小説とは良く言ったものだと思う。変態でも何でもない普通の優男(人格障害的ではあるけど)が俺は変態だーって女の子追い回して、女の子もその気もないのにちょっと思わせぶりに乗ってみせてあげたりして、男の方はさらに増長していく。本当に気持ち悪い。実際、ストーカーは大体こんなやつなのだろう。しようもない。
「意識の流れ』という表現技法については、当時はまだ技法として確立していなかったためであろうか、あまり洗練されていないように感じた。というのも、あまりにも表象が現実に我々が経験するものに近すぎたり、反対に単なる回想と区別がつかないものであったりするからである。そのために、登場人物の意識が現実から離れ、幻想の世界をさまよい始めたかと思うと、すぐに現実に引き戻されてしまっているような印象を受けた。小説中の人物の心理描写をその人物の内側から行うにあたっては、時間観念をも無視した自由な表現を大胆に行った方が、かえってそれらしくなるのではないかと思う。
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やはり文章が繊細でした。描写もとても明確。はっきりと理解できたことは自分の力量不足で少なかったけどもう一度読みたいと思った。