投稿元:
レビューを見る
人に潜む穏やかではない感情。
ただ、そういう感情下にある人間は、
非常に非常に穏やかなのである。
意識の移ろい、がとても素晴らしく描かれている作品です。
投稿元:
レビューを見る
ストーカー気質(というかこの主人公はストーカー)のある主人公には結構感情移入出来ちゃったりするところもありますが、最後でグヘァってなった。
でも主人公が変態な本は嫌いじゃない
投稿元:
レビューを見る
濃い霧のなかを彷徨っているような
人の夢をごちゃまぜで見ているような
読んでいて酔ってしまうような不安定感。
主人公は少女のあとをつけるだけなら、いとこと結ばれることのなかった幼少期のトラウマと片付けることも出来たけど、大人の女性をつけた時点でストーカー確定。
つけられることに快感をおぼえる女性目線を追加したせいで、主人公の株がだだ下がった気がする。
(もともとストーカーを書くつもりだったのかもしれないけど)
大した話じゃないけど
タイトル「みずうみ」で本の検索したら
4人の作家が書いているようで表紙もなんだか雰囲気が似てる。
いずれも気になる。
投稿元:
レビューを見る
「君にはおぼえがないかね。ゆきずりの人にゆきずりに別れてしまって、ああ惜しいという……。僕にはよくある。なんて好もしい人なんだろう、なんてきれいな女だろう、こんなに心ひかれる人にはこの世に二人といないだろう、そういう人に道ですれちがったり、劇場で近くの席に坐り合わせたり、音楽会の会場を出る階段をならんでおりたり、そのまま別れるともう一生二度と見かけることも出来ないんだ。かと言って、知らない人を呼びとめることも話しかけることも出来ない。人生ってこんなものか。そういう時、僕は死ぬほどかなしくなって、ぼうっと気が遠くなってしまうんだ。この世の果てまで後をつけてゆきたいが、そうも出来ない。この世の果てまで後をつけるというと、その人を殺してしまうしかないんだからね。」
一期一会という言葉にこれほどの切実さと犯罪臭を漂わす文章もそうそうないと思います。
分からなくもないあたりがまた悔しい。いや、僕はストーカーとかしませんよ、たぶん?
ちなみに一説によるとレジが複数あるとき、きれいな女の人のところのほうが虚無僧です。
ホントかどうかは知らない。
投稿元:
レビューを見る
変態が川端康成の筆力で綺麗に・・・と思いきや、余計に異常性が際立っている。
三島由紀夫はこの作品を酷評したらしいが、私にとってはかなり気になる一冊です。
数年後、もう一度読まなければならない。
投稿元:
レビューを見る
美少女を見かけるとつい後をつけてしまう、いわゆるストーカー男の話。
内容が病的なのに、表現の美しさが端々に見られて、でもやっぱり変態だなぁと思って…を繰り返す感じ。
表題にもなっている「みずうみ」が象徴的に何度も現れるけど、私にはこれが銀平の心の底の風景に思えた。磨かれた鏡のような、真っ黒な水面。そこにとりとめもなく映し出される過去や現在の心象風景。そんな話だと思った。
投稿元:
レビューを見る
昭和30年に書かれたストーカー小説。若い頃に読んだら気持ち悪いだけだっただろうけど、この歳になると理解できる。若さが惹きつけるものとか、残酷な快感とか。現実と妄想がごちゃまぜになって、暗い欲望が渦巻いてる感じがなんともイイ。
投稿元:
レビューを見る
美しい湖を想像して読んだら、どろーんとした真っ暗な湖のお話だった。父親が殺されたかも知れない、幽霊の出そうな暗い湖。
主人公は凋落の一途を辿る。
後半は文章が酔っ払いのようで時間軸がぶれまくるわ幻覚は出現するわ、デカダンスです。
投稿元:
レビューを見る
女性に振り回される男というテーマは今も昔も変わりませんね。
どうせだったら素敵な女性に振り回されたいですが、、、
投稿元:
レビューを見る
もの、人を介して思い出されるゆがんだ思考と幼少の思い出。これは文学的に研究しがいがあるとは思いますが。
ほかの作家は気にならないのに、川端だけは女性に対するねちっこい視線というか、物語の世界にたいする異物感があって嫌ーな感じがいつも残る。それだけすごいということなのですが。
投稿元:
レビューを見る
初めて読む川端康成で、これを選んでしまいました。私にはまだ早すぎるのでしょうか?作品の意味が分かりませんでした。
投稿元:
レビューを見る
美しい女を見つけると後を追ってしまう・・・
現代でいうところのストーカー行為が癖な主人公。
おまけに元教師で、生徒と良からぬ関係になりクビになっている。
追われる女性たちも、それがきっかけで関係を持ってしまう女子高生、自分の価値にちょっと自信を持つ金持ち老人のお妾さんなど、自分が選ばれているというような優越感みたいなものを感じでいる。
現実、回想、妄想が入り混じって、時間が飛びながら話が進んでいく。
そのせいか、主人公の男の行為はとっても気持ちが悪いのに、あまり汚らしくは感じない。
どうしようもない性が薄ら悲しくもあり、滑稽なセリフにはちょっと笑ってしまう。
賛否両論ある作品だが、個人的には「雪国」や「伊豆の踊子」より断然面白かった。
まあ、読みやすいというだけかもしれないけど・・・。
投稿元:
レビューを見る
舞台「不道徳教室」のもとになった作品と知り、読んだ。
60年近く前の作品なので、少し読みづらいかなと思っていたが、まったくそんなことはなかった。
わたし好みの怪しくて、エロティックな作品。やっぱり川端は凄い。というか、わたしの好みにぴったりな作家なのだろう(すべての作品が好みかどうかはわからないけど、「山の音」と「眠れる美女」は好きだった)。
解説にもあったけれど、意識の流れに沿っ書かれているのが特徴的。舞台でもそれを取り入れていた気がする。
これって、力がないと書けないのではないだろうか。
ノーベル賞作家という先入観で避けていてはもったいない作家。
投稿元:
レビューを見る
街で見かけた素敵な女性。「あーなんて美しい。このままどこまでもついて行きたい…」そんな主人公が女生徒に言い寄り失職したり、土手から突き落とされたり、昔を思い出して鬱々としたり… 川端康成とかかまえずに読んだ方がいいです。
投稿元:
レビューを見る
岩松了さんの演劇の最新作「不道徳教室」の原案となったというので読んでみた初川端作品。教え子と恋に落ちて職を失ったストーキング癖のある元国語教師、桃井銀平のスキャンダラスな恋愛遍歴。彼の前に現れる女性たちの癖の強さと、昭和20年代後半が舞台とは思えないほどの普遍的な題材。川端は美しい日本よりも恋愛のズブズブ感というか変態っぽさを描いた小説の方が面白いんだろうな。