投稿元:
レビューを見る
自分を埋めた人を憎まずにいられるのは、ある意味心が凍りついてしまった、人生を生きていない人なのでしょう。
母娘の関係は母の影響力が大きいだけに、仲が良すぎてもややこしいけれど、こじれると殊更ややこしい。
そして、性犯罪の被害者が加害者として一遍してしまう社会は本当に怖いし気の毒だと思う。これが集団心理の怖さなのだろう。
投稿元:
レビューを見る
白兎君が何者かとつい引き込まれた。千と千尋の神隠しのハクみたいな子だなあと思いつつ読んだ。
自分で怒っているのか哀しいのかもわからない、自分がどうしたいのかもわからない生きているか死んでいるかわからないようなぼんやりした生き方をしていると死んでもさまよってしまうらしい。
白兎が「俺のこと覚えてないんだ。」「忘れないっていったのにな。絶対忘れないって」といった場面だせつない。「悼む人」も忘れられるのがつらい話だった。忘れられつというのは、そんなにつらいものだろうか?
白兎君の不思議がいいねえ。
投稿元:
レビューを見る
死者の魂を行くべき場所に行かせるべく、死者と生者との橋渡しをする存在、白兎をめぐるシリーズ2作目。
このシリーズはどうやら自覚のない死者が出てくるのがお約束のようなので、誰が死んでいて誰が生きているのか推測しながら読んだけど見事に外れた。今回の主役は心中未遂(?)をおこした女性で、当然ながら彼女の内面はかなり暗いものだったけど、だんだんと謎が解明されていき、最終的にはなかなかいい読後感で終わってよかった。
しかしあさのさんは児童文学も書くので、最初はこの表紙といい本のサイズといい児童文学かと思って手に取ったので、ちょっと驚いた。間違って児童書の棚に置かれたら結構まずいんじゃないかと思う。
投稿元:
レビューを見る
白兎(はくと)シリーズ第2弾。「白兎」という名前の少年と出会ったとある女の再生の物語。やはり難解な漢字が気になります。「躑躅」なんて「ツツジ」でよかろうもん。
投稿元:
レビューを見る
あさのあつこさんが好きで
「白兎シリーズ4」が同時発売ということで読んでみた
さまよっている魂 手をひいてくれる人と魂を結び付ける
誰が生者で 誰が死者なのが とても不思議なお話
その中の2「地に埋もれて」
内容データベースより
心中を約束しながら土壇場で怖気づいた男によって、ひとり仮死状態のまま地中に埋められた城台優枝。地面を掘り起こして救い出してくれた、白兎と名乗る見ず知らずの少年は、優枝に復讐をそそのかす。しかし自分を捨てて逃げた男への憎しみよりも、生きることへの倦怠に支配されていた優枝は、死に直したいと、白兎と連れ立って故郷へと旅立つ。
~*~*~
まったく予備知識がないまま 読んで 途中で性被害ノンフィクションを
読んでいるような気持ちになった
大衆が 事件の真相を知らない善意ある(と思っている)人が
報道によって 悪意に変わる瞬間
被害者が加害者となり 逃げ場を失う・・・怖かった
「相手を破滅させたいと望むほど、憎むんです」
失ったコトがある人には それすらむずかしい
憎めるというのは「生きている」ということかもしれない
生きているのか死んでいるのか分からない現実感の中では
死んでも 死んだことを信じられない、というコトで
ものがたりの中で いろんな人が出てくる
時空を超えて結びつく「死」
優しい許し・・・なぞ 残酷だ
なんか 考えさせられた
私は好きなお話でした
迷った時やキツイな、と感じた時にまた読みなおしたいお話
投稿元:
レビューを見る
心中を持ちかけられるも、怖気づいた男に仮死状態のまま地中に埋められた『優枝』だったが、白兎と名乗る少年に助け出される。しきりに男への復讐をそそのかす白兎だったが、自分を捨てて家を出た母親が死の床についていると知り、共に故郷へ向う。
今回も暗い話だったけど、期待が持てるラストに救われた。
彼のことはまだよくわからない事の方が多いけど、彼もそれが哀しいのでしょうか?