紙の本
くそたわけな日常・・・
2023/07/02 17:56
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投稿者:えんぴつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルを見て、何だこれ、と思った。
一体、どういう本?
・・・そして一気に読んだ。そうだね、くそたわけ!と叫びたいよな。
初めての絲山作品だった。入院経験があることを読後に知ったが、ストンと胸に響いた。さりげなく資本論が取り入れられ、見えない葛藤があったのだろうなと推察した。
重いテーマを、しっかり書き込み、笑い飛ばす。すごいなと感じた。
くそたわけな日常・・・逃亡できない現実!
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どこがとかなにがとか上手く言えないけど、良い。実は相当にヘビーなんだけど、特に何が起きるわけじゃない。ただ、ちょっと変わった二人旅が描かれてるだけ、なんだけど、やっぱり良い。この感じ判る判る、みたいな共感もなく、でも、ただ良い。
いや、ちゃんとした人が読めば、きっときちんとその良さを説明できるんだろうなあ。読書力不足。
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いや、さ。
もう、ほ ん と こ の 人 な に 。
すごいなーすごいよーごいすー!
あたし、生きるわ……!(……)
正直あとがきの資本論とか全く分かんないけど、なんか分かったからもういいやっ!(おい)
この人、何でこんな内面の内面の中の描写を書くのがすげーのか。
圧倒されてしまう。
うー、言葉に出来ん。
ジレンマとか、そういう人間である故に滲み出るどうしようもなさみたいなものを他人と主人公との対話や衝突だけで描いてしまう。
しかもそれに気付くのは読み終わった後にブワーッと来る感じで、ああ、何言ってんの! わかんない!(落ち着けよ)
とにかく「亜麻布二十エレは上衣一着に値する」から始まる憎らしいほど軽快であっけない、だが、苦しくなるほどの行き場のない彼らの渇望の旅を是非読んで欲しい。
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「クワイエットルームにようこそ」の表と裏(内と外)と言ったら言い過ぎかしら?(どっちにかはしらんけど)
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最初から勢いがあり、面白いのだが、途中から目的がないような気がしてきて若干だれた。
しかし中盤、徐々に描こうとしてるものが見えて来て、グッと引き込まれた。
一組の男女の話なのだが、これが恋なのかは分からない。
男女の友情?それともやっぱり恋?そんな話。
淡い、なんだか憧れる、そんなひと夏の物語。
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舞台は九州。
「あたし」は躁鬱病で精神病院に入院中。それを同じく入院中の「なごやん」と一緒に脱走。博多から鹿児島まで幻聴と戦いながら南下する逃亡劇。
「逃亡劇」と書いたものの、実際に追っ手が迫ってくる様子が書いてあるわけではなく、むしろ幻聴とか自殺憂慮とかそういったものから逃亡しているという方がわかりやすいか。
方言全開の「あたし」と出身地名古屋弁を話そうとしない東京オタク「なごやん」。最後の方に出てくる「なごやん」の方言が、「この旅で何かが変わったのでは」ということに効果的な印象。
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2/2 博多弁がやや無理がある感はあるがそこはご愛嬌。精神病の話をこんなに普通にしっかりと書いてある本は珍しいかも。ロードムービー風のストーリーも活きているし、全体的に骨太な感じが絲山さんぽくてすごくステキでした。
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作者は福岡生まれなのかと思ったが、東京生まれだそうで。佐賀弁と博多弁の違いなど地元に住んでいないと絶対わからなさそうなところまで細かい。通ったことがある人はわかると思うが南阿蘇から宮崎までの道は本当にひどい。へとへとになって通った記憶がある。読んでいて、道路特定財源、道路特定財源、と幻聴が聞こえてきそうだった。全体的に九州をかなりよく書けている。「花ちゃん」「なごやん」の名コンビもいい。資本論とは何の関係もない。
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躁病の女子大生の方言混じりの一人称、訳のわからない勢いに押されるように一気に読んでしまいました。わりと好きです。そして女の子の方言やっぱり好きです、いいなぁ。
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「亜麻布の二十エレは上衣一着に値する。」・・・マルクスの資本論ということが途中の会話からわかるんですけど、うちにととったらわかったうちに入りません!!
資本論なんて社会や公民の授業で習った程度の知識やし・・・文庫版だと後ろに解説がついていて、この一節が作品にどう関係するか書いていますが・・そんなんうちのオツムでは・・!躁鬱病と鬱病の二人の逃亡ってことですが、精神病院や警察からの逃亡ってわけじゃなくて、社会的なことからの逃亡。花ちゃんの方言、二人の関係性、ヘビーな精神状態なのにこの開放感、そしてラストの「くそたわけ」がいい味出してる。
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こういうコテコテの博多弁を話す友だちってまわりに一人もいないな・・・とちょっと違和感があった。おばあちゃん言葉っぽい。意図的としても、なんか嫌だ。
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くそたわけ。
あたしは自分から逃げたいのに、逃げれらない。
どうしていいかわからなくて、走り続けてる。
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博多弁が読んでて面白く、知っている地名もバンバンでてきたので楽しく読めた。
精神病ってたいへんだ。これから増えそうだし、どうしたもんか。
そんなに暗い話ではないけど考えてしまうね。
なごやんは優しい。
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逃げて逃げて逃げるお話。
でも、一体何から逃げているのか。
奇抜なタイトルだなぁ、と思いましたが、読むと納得。
躁鬱のある主人公がリアルです。
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ろーどむーびーー。
基本的に旅が好きだし、旅番組も好きだし、それも
「ねずみーランドでなんとかマウンテンに乗って!」「いやあーーこの老舗旅館のこの名物料理が!」
ってんじゃなく、
ひたすら街を歩いていく映像のみを流すような国民放送の散歩番組とか、
ひたすら移動だけする北国放送のさいころ旅行とか、
ひたすら世界の不思議を発見する神的長寿番組とか、
が好きなわたしにとっては心地のよい、旅、の感。
国道で田舎をひた走るってのがいいよね。
そんでもって宮崎市を見つけた時の輝き!きらめき!
嘘のように便利で素敵な県庁所在市での生活!
そこには祭りの最中の興奮と同時に終わりを予感させるせつなさも、匂う。
なんかちょっと都合ええ話やな。
これまで作った罪、全部放ったまま、の彼ら。
その辺のわだかまり放ったまま、ハッピーな感じに終わらせちゃった、作者。
ちょっと「都合ええよな」って胸にしこりも残るっちゃ残るが、
ま、でも、いっか。
そんなことより「おもしろかったし。」
主人公が精神科の患者ってのがいいよな。
そこでぐっとおもしろさ増した。