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作者は福岡生まれなのかと思ったが、東京生まれだそうで。佐賀弁と博多弁の違いなど地元に住んでいないと絶対わからなさそうなところまで細かい。通ったことがある人はわかると思うが南阿蘇から宮崎までの道は本当にひどい。へとへとになって通った記憶がある。読んでいて、道路特定財源、道路特定財源、と幻聴が聞こえてきそうだった。全体的に九州をかなりよく書けている。「花ちゃん」「なごやん」の名コンビもいい。資本論とは何の関係もない。
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躁病の女子大生の方言混じりの一人称、訳のわからない勢いに押されるように一気に読んでしまいました。わりと好きです。そして女の子の方言やっぱり好きです、いいなぁ。
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「亜麻布の二十エレは上衣一着に値する。」・・・マルクスの資本論ということが途中の会話からわかるんですけど、うちにととったらわかったうちに入りません!!
資本論なんて社会や公民の授業で習った程度の知識やし・・・文庫版だと後ろに解説がついていて、この一節が作品にどう関係するか書いていますが・・そんなんうちのオツムでは・・!躁鬱病と鬱病の二人の逃亡ってことですが、精神病院や警察からの逃亡ってわけじゃなくて、社会的なことからの逃亡。花ちゃんの方言、二人の関係性、ヘビーな精神状態なのにこの開放感、そしてラストの「くそたわけ」がいい味出してる。
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こういうコテコテの博多弁を話す友だちってまわりに一人もいないな・・・とちょっと違和感があった。おばあちゃん言葉っぽい。意図的としても、なんか嫌だ。
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くそたわけ。
あたしは自分から逃げたいのに、逃げれらない。
どうしていいかわからなくて、走り続けてる。
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博多弁が読んでて面白く、知っている地名もバンバンでてきたので楽しく読めた。
精神病ってたいへんだ。これから増えそうだし、どうしたもんか。
そんなに暗い話ではないけど考えてしまうね。
なごやんは優しい。
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逃げて逃げて逃げるお話。
でも、一体何から逃げているのか。
奇抜なタイトルだなぁ、と思いましたが、読むと納得。
躁鬱のある主人公がリアルです。
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ろーどむーびーー。
基本的に旅が好きだし、旅番組も好きだし、それも
「ねずみーランドでなんとかマウンテンに乗って!」「いやあーーこの老舗旅館のこの名物料理が!」
ってんじゃなく、
ひたすら街を歩いていく映像のみを流すような国民放送の散歩番組とか、
ひたすら移動だけする北国放送のさいころ旅行とか、
ひたすら世界の不思議を発見する神的長寿番組とか、
が好きなわたしにとっては心地のよい、旅、の感。
国道で田舎をひた走るってのがいいよね。
そんでもって宮崎市を見つけた時の輝き!きらめき!
嘘のように便利で素敵な県庁所在市での生活!
そこには祭りの最中の興奮と同時に終わりを予感させるせつなさも、匂う。
なんかちょっと都合ええ話やな。
これまで作った罪、全部放ったまま、の彼ら。
その辺のわだかまり放ったまま、ハッピーな感じに終わらせちゃった、作者。
ちょっと「都合ええよな」って胸にしこりも残るっちゃ残るが、
ま、でも、いっか。
そんなことより「おもしろかったし。」
主人公が精神科の患者ってのがいいよな。
そこでぐっとおもしろさ増した。
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本書は「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞を受賞している作者の作品だが,今回この作品が『逃亡くそたわけ〜21才の夏』として映画化されるにあたり文庫化されたもの。初版は2005年とのこと。「イッツ・オンリー・トーク」は廣木隆一監督,寺島しのぶ×大森南朋で『やわらかい生活』として映画化された作品のはず。
前の日記にも書いたように,映画版『逃亡くそたわけ』を舞台挨拶の回で観,原作を読んで,もう一回観ようということで,ほとんど読むことのない現代日本小説を読むことになった。生きている日本の作家は島田雅彦くらいしか読まない。やっぱり駄目だ。台詞が次々と続き,ページを余白で無駄にするような小説はとても読めないのだ。日本映画も最近はそのほとんどが原作小説があるが,ストーリー的には大抵満足できる。でも,小説として読む読書体験としては別だ。映画はストーリー以外にも楽しむべき要素はいっぱいあるし。
本書は基本的に一人称の視点。すなわち,主人公の花ちゃんの語りからなっている。事実を説明する語りは標準語。しかし,「」で括られた台詞は博多弁。一応,語り手が第三者的視点に立つことはないようだが,こういういかにも的な文体はどうにも好きになれない。
それは映画にも反映されているが,この作品には私にも身近な思想家たちが登場する。マルクス,ウィトゲンシュタイン,そしてヘーゲル。身近なといっても,どの著者も1冊ずつしか本を読んだことないが(あ,マルクスは2冊か)。マルクスに関しては,花ちゃんが幻聴で悩まされていますが,その時の決まり文句が『資本論』の一節だという。ウィトゲンシュタインとヘーゲルに関しては,大学で西洋思想をかじったなごやんが,引用という形ではなく,非常に一般論として言及している。そもそも作者はこうしたものに精通しているのだろうか。『資本論』のその一節が有名であるかどうか,私には分からないし,ヘーゲルが主張したとされる考え方についても私は知らない。そもそも私はそういう入門書の類が嫌いなので,「だれだれは○○といった」という類の一般論は知らないことが多い。
作者は精通した上でこのような使い方をしているのか。あくまでも,なごやんの知ったかぶりとして言及しているだけなのか,あるいはそれらの言葉に何らかの意味を持たせたくて,入門書の類で学んだことを安易に利用しているのか。まあ,私は勝手に後者だと推測しているが,渡部直己なる人物による解説では,特にマルクスの一節にこだわってテクスト分析がなされていて,この種の作品解説にしては格別に面白い。むしろ,作品より面白いといっていいかもしれない。
まあ,ともかく邦画で,映画を観てから原作を読むという経験は初めてのような気がしますが,それなりに面白かったかな。やっぱり登場人物を俳優にあてはめて読んでしまうことはどうしようもないね。
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なんの救いになっているんだか、2人の関係が続くのかどうかもわからない。むしろあっさりと離れてしまいそうな2人だ。寂しい。でも、嫌ではない。
やっぱり 九州に行ってみたい。
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ジャケ買い、ならぬタイトル買い。
「くそたわけ」じゃなくて
「くそたーけ」が正しい発音かも(笑)
最初は名古屋を小馬鹿にした感じが、
どうしようもなくイラっときたんだけど、
徐々にそれだけじゃないって事が分かってきて、
違う。このなごやんの名古屋に対する気持ち、
私も持ち合わせてるじゃないか!と気づいた。
結構短い話なんですが、
読み終えると本当に九州を縦断したかのような、
不思議な達成感があります。
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初まり方ががエグそうな感じもしたけど
中盤から爽やか青春モノを突っ走った。
テンポが早いからあっさり読める。
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職業柄、精神疾患ものは、なかなか読むのが厳しい。
しかし、さすがは現役。
異論ございません。
本当に描写が美しく、
とにかく九州を旅したくなった。
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昨日1年半ぶりくらいに図書館に行ってきた。
先月公開された映画の原作で少し気になってた本とハリーポッターを借りてきた。
映画の原作本の方は絲山秋子の『逃亡くそたわけ』という小説。
九州を舞台にした、ロードムービーのような物語だ。
「二十一歳の夏は一度しか来ないのにどうしよう」
病院を脱走して銀行で逃亡資金を下ろし、ぼろ車の「ルーチェ」で南へと向かう。
博多、秋月、耶馬溪、中津、国東、別府、阿蘇、高森、椎葉村、小林、宮崎、鹿児島、指宿
出てくる地名はどれも聞きなれたものばかりだ。
その多くは僕も訪れたことのある町。
学校や駅ビルやカフェの名前まで実在するものでちょっとしたタウンガイド。
主人公の花ちゃんは福岡の方言でずっと台詞を話している。
なんだか身近な感じがした。
病院を抜け出して旅をする話なので、岩井俊二の『PiCNiC』のような雰囲気もある。
本当に久しぶりにハードカバーの小説を読んだ。
170ページ足らずの薄い本ですぐに読み終わった。
話も面白かったのかもしれない。
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前に図書館で借りて読んだらおもしろかったので、文庫を買って再読。「いきなり団子」、食べたことがあったのでなんだかうれしかったことを思い出した。方言がいいなあと思う。