投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ピーズの曲が引用されてるってことで読んでみました。
風景の描写がとても具体的なので、九州に行ってみたくなりました。
「ゆたー」という方言がとてもいい言葉だと思った。
「ゆたー」と感じる瞬間を大事にしたいと思った。
ピーズの歌詞はやっぱすごいな。
本当にどーしょもなくなってる自分を、ぶっきらぼうだけどやさしい、だけどぶっきらぼうな、そうゆう言葉で救ってくれる。
小説や映画に引用したくなるのわかる。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
博多産まれの博多育ちの21歳の女子大生、名古屋産まれで名古屋嫌いの24歳のサラリ-マンが躁と鬱病で入院した病院を脱走しオンボロ車で九州各地を「糸の切れた凧」のように指宿まで逃亡する。彼女が使う博多弁がなかなか面白いし自分の住んでる町が出てくるのもいいもんだ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
精神病院から逃げ出した男女二人がピーズを聞きながら九州を縦断する逃避行。
そんな設定を思いついただけで、もうほとんど全ては決まっていたのだと思う。
それに負けないニュートラルな語り口がまたとてもいい。
意味なんて重力から自由な軽さ。
まるで主人公ふたりの関係のような。
そして、恐ろしいほどリアルな九州弁を読みながら、自分も「ふるさとをこんなにも複雑な仕方で愛してる」ことを思い出した。
「日が暮れても彼女と歩いてた」が好きな人や、九州出身の人や、日々逃げてばかりだけど、すべてを振り切る一歩を踏み出せない人は、ぜひ読んでみてください。
続いてく日々が少し軽くなるから。
たぶん。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
いまさらながら読みました。これ、もうあっちこっちで書評やら感想やら読むつもりもなくても読んでいて、あらすじも、「なごやん」も、方言も、どうという事件もないということも、知らず知らずインプットされていたのでなんだか新鮮味がなく……。勝手にほのぼの系だと思っていたけれど、わたしはけっこうこわいと思ってしまって。方言とかちょっとしたエピソードとか一見おもしろおかしいんだけどなんだかせつないような。幻聴とか幻覚とかわたしだったら耐えられないな、と。だれにもわかってもらえず、だれかに言っても引かれそうだし。ひとりで耐えるしかないところが。あと、逃げても逃げてもあてもなく、どうしていいかわからないところとか。読後感は悪くはないけど、それほど爽快でもなかったし。もうちょっと希望がもちたかったというか。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
花ちゃんの言葉にうれしくなりなごやんの言葉にむかつくやっぱり私の故郷は九州なのだと再確認やまねこ病院で”しょしょしょ”と笑うところがとっても好き
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ぼろ車で国道をひた走るだらだらした逃亡であるはずなのだが、行く先々での印象的な出来事や抱えている病との闘い(慣れ合い?)を中心にテンポよく話が進んでいくのが痛快だった。躁鬱を抱えている主人公らは薬を服用し、時折幻聴まで聞こえるのだから、すべて夢現のファンタジーなのかもしれない、そういった非現実的なストーリーがよかった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
絲山秋子の逃亡くそたわけを読みました。躁鬱病の若い女性が、収容されている病院を抜け出して車で九州を縦断するという物語でした。テーマは重いのですが、描かれているタッチは軽く、主人公とたまたま同行することになってしまった若い男性の掛け合いが楽しめます。幻聴に悩ませられながらも、前向きに生きていこうとする主人公がけなげに感じられます。とは言え、テーマがはっきりしない物語なので、ちょっとイマイチと感じました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
*引用*
なごやんが、くやしがるときに唇を噛むのは、そうすると可愛い顔になるのを自分で知っているからで、そんな余裕もないほど口惜しい時には頭をグッと後ろに引いて目が細くなるのですぐわかる。普通にしていればかっこいいのに、顔に上半身と下半身があって、作り笑いをする時は口だけで笑う。得意になった時にはまゆ毛が上がる。気に入らないときには目鼻がばらばらになって福笑いみたいな顔になる。本当の気持ちは顔の上半身を見ていればわかる。自分がどう見られたいのかは顔の下半身に出る。
―― 『逃亡くそたわけ』 p38ー39
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
テトロピンってきっとセレネースのことよね。
読んでよかった。とても爽快。
なごやんの優しさが明かされたときに少し感動した。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
がちゃがちゃの絲山節全開。
最後まで一気に走り抜けてしまう感じ。だから、あっという間に読める。
なごやん、という登場人物だけでもう、ノックアウト。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
86点。ロードムービーやロードノベルになぜか涙してしまうという人は自分だけではないはず。たわいもない内容にそこはかとなく漂うユーモアとペーソスっていうか。
なんか気持ちのいい読後感。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「色々難しく考えんと、これでも読みなさい」と、活字中毒のツレから渡された本。
自分の仕事と切り離して読むにはあまりにテーマがあれやったけど、「あぁ、まぁこういうのもありかもなぁ」なんて思って(←おいっ)、とりあえずグダグダになりそうだった負の思考スパイラルから一時抜けられた。
まぁ、実際こういうことされると困るけど(苦笑。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
博多の精神病院に入院している躁鬱患者の女“花ちゃん”と、病院の中庭の隅で悲しそうな顔をして野良猫をかまっていた男“なごやん”の脱走劇。白のルーチェで九州を南下する過程で、逃走対象は徐々に変化していく。花ちゃんは“死”から、なごやんは“生”からの脱走へと―
「人間の精神は言語によって規定される」というウィトゲンシュタインの語を引き、「自分の精神を名古屋弁に規定されたくない」と述べる名古屋出身のなごやん。一方、花ちゃんの選択する“秋月”や“いきなり団子”は感情や感覚に起因する。この両者間に生じるズレこそが、危うい逃走を破綻スレスレで成立させている。なごやんは体系的な知識のみでしか思考を形成できない。ヒルに襲われたときは我を忘れて逃げながら「ツツガムシ病の病原体はリケッチアからオリエンチアに名前が変わったばかりなんだっ」と叫び、唐揚げ定食の名が脈略なく「諭吉定食」であることに激怒する。なごやんの異常なまでの“標準”語や“教養”に対する執着は、直感的・感覚的な花ちゃんとの対比も相まって、滑稽かつ脆弱な側面が浮かび上がる。“病気”というノイズを通じて、コードによって規定されたもののグロテスクさを可視化していく手法はサタイアの王道である。
いわゆる“まとも”じゃない人間の一人称小説は難しい。何故なら、はじめから終わりまで訝しいテクストであることを声高に宣言せざるを得ないから。『逃亡くそたわけ』でも花ちゃんの頭の中のノイズが何度も記述される。物語は乱れに乱れる。物語に強度を持たせるためには“対”の存在が必要だが、そこに“まとも”な人ではなく、同じ精神病棟に居たなごやんが設定されているのが面白い。しかも、花ちゃんにとって彼は“かけがえのないひとり”ではなく、たまたま居た一人。
緩やかな奇跡=代替可能な誰かでありながら決して失うことのできない誰か、という部分をはじめから終わりまできっちりと描ききっているところに、人間解体マシーン(おれが勝手に命名)である絲山さんの妙を感じた。
ちなみに好きなシーンは、東京コンプレックスから名古屋弁を封じている彼が、布団で花ちゃんに「してもよかよ」と言われて「いかんがぁ」と返してしまうところ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
普通でない二人の逃避行なんだけど、本当の所 おかしいのは周りな気もする。
逃避行しているうちに、少しずつ気持ちも身体も 二人の関係性もほぐれてきているようで、九州の自然と街と言葉に 追体験した気になりました。
この後の二人が再出発出来ます様に。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
サクッと読み終わりました。
テンポもよくて、読み易い本です。
あと、何となく前向きになる読後感はいいですね。
男と女の情事もなく、淡々と逃げてただけなのにね。