投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
統合失調症の花ちゃんとうつ病のなごやんが精神病院を脱走し、博多から九州の先端指宿まで逃亡するお話。
逃亡するのは病院からというよりかは幻聴からの逃亡。逃げても逃げても追ってくる。統合失調症といってもまるっきり社会生活がおくれないわけではない。
花ちゃんはどちらかというと躁状態ではあるが自分の病状もよく理解できている。途中、ATMでお金をおろしたり、レストランで食事をしたり、ユニクロで買い物をしたり、結構ちゃんとやっている。ホテルにだって泊まれるし、ガソリンスタンドで給油だってできる。車が故障したら、修理だってやってもらえる。私よりよっぽどえらい。
阿蘇山の雄大さに富士山しか認めていなかったなごやんがショックをうける。いきなり団子食べたい。なごやんも食べてみたい。九州を縦断ドライブしてみたくなる一冊。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
<あらすじ>
「どうしようどうしよう夏が終わってしまう」
軽い気持ちの自殺未遂がばれ、入院させられた「あたし」は、
退屈な精神病院からの脱走を決意。
名古屋出身の「なごやん」を誘い出し、彼のぼろぼろの車での
逃亡が始まった。道中、幻聴に悩まされながら、なごやんと衝突しながらも
車は福岡から、阿蘇、さらに南へ疾走する。
<感想>
まさに小説版ロードムービー(ムービーじゃないか)。
犯罪に巻き込まれるとか、誰かを捜す目的とか特別大きな事件や目的などなく
精神病院から(ただ逃げたかった)躁症状の花ちゃんが、鬱症状のなごやんを誘い出し
ひたすら九州の南へオンボロ車で旅する話である。
特別な言葉で何かを得たとか、自分と向き合えたなんて表現がないところが絲山秋子さんの好きなところ。
「沖で待つ」も「海の仙人」も男女の友情的な関係が描かれていたけれど、恋心のない男女関係を描くのが
上手いなと思う。
この小説、第133回直木賞候補作品となっていたらしい。
読み終わって、最初に思ったのが、車でゆっくり九州を旅してみたいなーっと言うこと。
小説に出てきたところをまわってみたいと言う気持ちにさせられた。
躁鬱で苦しむふたりが主人公だか、あまり重い読感は残らなかった。
ある意味、そこれがこの小説の魅力ではないだろうか。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ロードムーヴィ物。
躁病(双極性障害の躁状態)の描写に所々首を捻りつつ、主観と客観は違うと納得して読めば割と面白かったなと。
(臨床)心理や精神医学を囓った人は客観性を一旦忘れて読んだ方が楽しめるかもしれない。
2009.08.16読了
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
以前読んだ2冊とは雰囲気の違う話。 こういう人たち、自分の周りに何人か居るもので、笑えないなあ。 それとも笑った方がいいのかなあ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
するっと読めて、すーっとする読了感。
2人の掛け合いが自然で良かった。それぞれの思い。
一緒に九州を旅してるみたいな気持ちになりました。
元彼が九州の人だったので、方言読んででちょっと懐かしくなったり。
そしてピーズ!!!!
リアルだなーと思ったら、絲山さんご自身も躁鬱病を経験しているんですね。知らなかった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
自殺未遂に理由なんか何もなくて、だから躁の自殺は怖い。
人間の精神は言語によって規定される。語りえないことについては沈黙するべきである。
鬱の治り際は案外長いから気をつけないといかん。何事も決めつけず焦らずのんびりだ。
人間の欲望は他者との相関性にしかない。
なんでも薬で解決できると思ったら、大間違いだよ。そこが一番間違っている。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
九州に住む私にとって、なじみのある場所が出てきて、身近に感じられる物語。
車でどんどん旅して、疲れちゃったりするところが、リアリティがあって大好きです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
精神疾患を持つ男女二人組が精神病院から逃亡するおはなし。
男は軽いうつで、女は躁状態。
九州各地を逃亡…というか旅行するのですが、二人の雰囲気がなんか好きです。
ただ、精神疾患を持つという状態がなんか薄い。少し思考がおかしな健常者二人組って感じです。
昔旅行で行った九州の景色が思い浮かぶので何度か読み直したくなる小説でした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
九州出身名古屋育ちの私にはかなり面白い内容だった。
とにかく方言が楽しい。
内容は思ったほど暗くなくて、さくさく読めた。
二人の距離とか関係が好き。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
なかなか面白かった。
なごやんの頼りなさと、花ちゃんの強気なかけあいがいいですね。
久留米の人に聞くと、こんな会話は普通。まだまだ上品。とのこと。。
んー。九州、奥が深いです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「どうしようどうしよう夏が終わってしまう」軽い気持ちの自殺未遂がばれ、入院させられた「あたし」は、退屈な精神病院からの脱走を決意。名古屋出身の「なごやん」を誘い出し、彼のぼろぼろの車での逃亡が始まった。道中、幻聴に悩まされ、なごやんと衝突しながらも、車は福岡から、阿蘇、さらに南へ疾走する。
主人公の「わたし」が、小気味よい博多弁を話しながら脱走を試みるロードノベル。
自由奔放で豪放磊落。そんな性格の主人公だからこそ、幻聴や幻覚に悩まされる姿もどこかユーモラスに映ってしまい、一緒に逃走を試みることになってしまった「なごやん」のとぼけた雰囲気と相まって、なおさらユーモア小説に思えてしまう。
しかし、病気のことや、悩み、葛藤といった小説のキーワードとなるべき事柄についてはきちんとした書き込みがあり、なかなか読ませてくれる作品だろうと思うし、絲山氏の作品の中でも好きな部類に入る作品に出会えた感じがする。
2007年8月/講談社/講談社文庫
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
<>久々の文芸!夜中に読み出したが、嬉しいやら面白いやらでそのまま完走(´;ω;`)やっぱ文芸いいね!ないと生きていけないね!で、感想はというと、絲山秋子という作家いいなぁと思った。文章とか展開とかそういうの全部でちゃんと雰囲気が作り上げられてる。そんなかんじが好きだった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
逃亡することのスリルと疲労。
逃亡なんてしたことないけどなんかわかるー。
九州の方言もかわいくてよかった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
躁鬱病の男女が福岡の病院を脱走し、ただひたすら車で鹿児島を目指して逃走するだけの話。
逃走といっても具体的に追われているか定かではなく、道中でも特に事件は発生せず、本当に車で走っているだけ。それなのに何故か二人のことが徐々に愛おしく感じてくるのが不思議。
この作品の裏に何か深いテーマがあるとしても自分には理解できませんでしたが、結局は絲山氏の作品が好きなんだと思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「沖で待つ」が好きだったのですが…。躁病の若い女の子、花ちゃんと、軽い鬱病の青年、なごやんが病院から逃げ出して、九州を車で南下するロードムービー。気持ちの病には、本人に原因がある場合とない場合があって、花ちゃんは後者。頭の中で意味なく繰り返される囁きが太宰治の「トカトントン」を思わせます。気持ちがいいくらいの九州弁の花ちゃんと、生まれ故郷の名古屋を「捨てた」なごやん。花ちゃんに翻弄されながら、序所に自分を取り戻していくなごやんの心情が一番読みどころだったように思います。ただ、旅行中に繰り返される軽犯罪(当て逃げ、万引き、無免許運転に飲酒まで!)が、私にはどうにも辛くて…。今度、同名の映画になるということで、(主演は美波、吉沢悠)その監督さんにインタビューすることになったので予習を兼ねて読みました。本橋さんがどんな風に原作を料理しているのか、興味津々。ただ、せめて飲酒運転だけでもやめててくれるといいんだけどなぁ。