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言わずと知れた谷崎の代表作ですが、『負け犬の遠吠え』の後に読むとちょっと違った楽しみ方ができます。子沢山で家計が苦しく、本家として旧家の体面を保つことに汲々としている鶴子。自由で裕福な奥様の幸子。対照的な性格の雪子と妙子はさしずめ昭和の負け犬か…? 谷崎は三女・雪子に彼の美意識の全てを注ぎ、究極の女性像を体現しています。今ではこんな女性はいないのでしょうが、ちょっと憧れてしまいます。
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何か名作を読もう、と思って選んだのが細雪です。なんとなく。
読んでみると、日本語というより、私的には関西弁が美しいと思いました。つい声に出したくなるような。
京都のあちこちが出てきて、昔の京都を想像するのも楽しかったです。
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わたしは関東の人間なので、関東の人間が書いた関西弁小説に関する違和感など感じずに読んじゃいました。
3姉妹物語。姉妹でもこうまでに違う人生を歩むものなのだなぁ。という感じです。
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大学に入ってから、予備校の現代文の授業によって、
ちゃんとした日本文学作品が読みたくなり、大学の図書館を漁ってみたら、出会った一冊。というか三冊。
おおさかに住む姉妹を細やかに丹念に綴った作品。
母の実家が兵庫なだけあって、関西弁が心地よい。
それぞれ個性的な姉妹が年を追うごとに変わっていき、日常の中でいろいろな事件がおこる。
姉妹のきずな、女のそれぞれな生き方がしとしと書いてある。それがまた心地よいのだなあ。
私は好きです。この作品。
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とにかく美しいです。やはり谷崎潤一郎は天才作家といえるでしょう(変態とも言うが…)。
三島由紀夫は谷崎に感化されたといいますが、谷崎の世界の美しさには及ぶべくもありません。
谷崎の作品は、美しいけれど狂気に満ちたものが多いですが、細雪は純粋に正統的に美しいですよ。
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華麗な文体で綴られる美しい姉妹の物語。上から末娘まで順番に時代の流れが感じられる性格の陰影には思わず惚れてしまう。
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ぐああ、やられた!
まさに日本の美がここにあるのです。
文字のはずなのに、これは映像、いや情景なのです。
もっそい着物が着たくなって、思わず引っ張り出してしまった。
08.10.23
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上巻読了。
この時点での印象は、「大阪(関西)弁わからない人にはキツいかもなー」。
似たような印象は川端の「古都」でも受けたけれど、この舞台、この話し言葉あってこその世界。それが、関西以外の土地の読者に文章で伝わるものかどうか…私自身、両作者同様、関西と縁のある人間であるので、こればかりは一寸判断しかねる。ただ、私はなんとなく好きな世界。(でもまだ上巻しか読んでないので星は三つで。)
しかし当時の女性は大変だ〜シミ一つ出来ただけで、縁談に支障が出るなんて…!
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こちらもかなり好きな作品。
映画化されたものも素敵。
女の美しさ、いやらしさ、醜さがよく描かれている。
男たちはただ翻弄されるだけ…
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谷崎は蓼喰う虫+陰翳礼賛がベストだとは思うけれど、このご時世なので婚活本としても読めるコレを。
手広く商売していた父親の事業が尻すぼみ→死去で、「いいとこのお嬢さん」として「いいとこ」に嫁ぐはずだった梯子を外されてしまった姉妹。
姉の雪子はあくまで受け身に見合い話をじっと吟味。いわば回転寿司方式。
妹の妙子は若い頃やんちゃしちゃったし〜…で、待ってても無理!と自活&身分とかかなぐり捨てて婚活。
明日はどっちだ…!
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図書館で借りました。
話の内容としては決して私の好きな系統ではないのだけれども、
読むことに全く抵抗がない。
素直に受け入れられる。
つまり文章が素晴らしく平凡なんだろう。
褒めてます。
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なんて上手い描写だ、などと意識する事もなく、ふとした折に流れる文章に驚嘆する、これが小説が優れているということではないか
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昭和初期の大阪で、名家蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子を巡る長編小説。
舞台版のCMを見て面白そうだな〜と思って読んでみました。
雪子役が檀れいさんなのですが、繊細で可憐な雪子像が
檀れいさんとぴったりです。
文字が非常に小さいので、最初は読みづらかったですが
面白かったのですぐに読めました。
中巻に期待です!!
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お見合いはいかにして場が設けられるか。
いかにしてお見合いは決裂するか。
なかなか結婚できない女性は、
周りからどう思われているか。
お見合いのシーンだらけです。
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読みごたえのある作品でした。
なかなか物語が進行しないのでペースが上がらず読みきるのに時間がかかってしまったが、昭和初期の上流階級の人の生活模様をうかがい知ることができるのみならず、歌舞伎座や、見合いといった今ではあまり目立っていない習慣、文化と古人がどのようにかかわってきたかを知ることできた。
雪子のような理想的な女性の美しさと生活の中で人々が織り成す何気ない美しさがかかれており、その点が作品をただの風俗小説から脱却させている。
『痴人の愛』ほど強烈な印象を受けなかったが勉強になった作品であった。
最後の雪子の縁談が決まるまでがあっという間で今までこんなにも苦労したのにあっけないなと感じてしまった。