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第10回吉川英治文学新人賞受賞作。
昭和51年、大手カメラメーカー半導体事業部部長をつとめていた生駒洋一郎が胃がんの末期のため死んだ。彼は息子・慎吾に手記を残したのだが、その手記には昔慎吾が誘拐され、その無事と引き換えに金塊を奪われた事件の一部始終が克明に記載されていた。時は過ぎ、昭和62年。生駒慎吾は成長し、父親と同じ会社に勤めていた。そして再び、誘拐事件がおこる・・・。
誘拐事件は犯人を見つけるものではなく、犯人は最初からわかっていて、どういう方法で目的を達成するかが書かれている。最初から最後まで、コンピュータを駆使したもので、実際にこんなにうまくいくはずがないと思いながらも、その手順はあざやかで、ドキドキハラハラも最後まであった。ただ、犯人がここまでした動機がいまいち見えてこないのと、慎吾の人物像が最後までよく理解できなかった。
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電子工学の最先端技術で行われた非の打ち所のない誘拐犯罪。誘拐犯の思い描いたとおりに事は進むのだが、解説でもあるように「実行可能か否か」などの観点から評していては真価を味わうことはできない。それにしても、疾走感が凄い。予想を覆す今までにない犯罪工作に驚かされた。また再読したくなる傑作。
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こうしてインターネットを使っていなかった時に読んでいたら自分はどんだけこの作品にハマッていたのだろうと思ってしまいました。
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後の1%は、と考えたいところ。これも綿密な構成になっていて、ホント感嘆です。
こういうタイプの犯罪を描いてる作品は、他にあまりなく面白いです。
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10年前に読んだらとっても刺激的!今読んだら、こうやって技術は発展したのかぁといった印象。
そして時代の流れによってなんでもできてしまうんだなぁ・・って思いました。
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20年前の誘拐事件をモチーフにした誘拐が起きる。
その犯行はコンピュータによって制御されていたものだった。
講談社から出たのは最近だけど
話自体は20年以上前にかかれたもの。
当時としては最新のハイテク機器をふんだんに盛り込んでいるが
今となってはちょっと古臭い感覚を覚える。
しかし緊迫感はかなりのもの。
個人的には第一章が一番面白かった。
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コンビ解消後の作品で味わった悪夢のせいで永らく敬遠していたが、やはり読まず嫌いは損だなと改めて実感した。ストーリー展開や描写など、特にどこかが秀でているとは思わないが、こんなに強烈な吸引力は久しく経験したことがない。コンピュータに制御された犯罪というのは実に興味深く、犯人が生み出した斬新奇抜な計画は、無駄なく隙なく美しい。機械の持つ無機質感と淡白な登場人物に心地よい調和を感じ、ラストまで続くその流れは期待通り。作品全体をコーディネートできる数少ない作家だと思った。
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こういう緻密って言うかこまか〜い話が好きです。展開は大きく見れば単純ですが、警察を動かすそういうやり取りとか面白かったです。
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生駒洋一郎が残した手記には8年前に起こった息子(慎吾)の誘拐事件に関する記憶が綴られていた。
当時5歳だった慎吾は誘拐され、身代金として5千万円分の金塊を要求される。慎吾は無事に戻ったものの、金塊は奪われ、犯人も捕まらないままに時効を迎えた。
誘拐事件から12年後、そしてまた新たな誘拐事件が発生した。
第10回吉川英治文学新人賞を受賞した作品。
誘拐の仕方、身代金要求の連絡・受渡方法など、どれをとっても新鮮。ハイテクを駆使して動き回る犯人。
1988年と20年近く前に書かれた本とは思えない。
暴力や殺人などの描写がないし、読みやすい。
ただ、犯人探しやどんでん返しの面白みがなかった分、少々物足りなさを感じるのも確か。
2つの事件後の慎吾のその後がどうなったのかもぜひ書いて欲しい。
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凄く綿密なトリックの誘拐でした。時代が時代なので感動は薄れちゃうんですが、発売当初はそうとう衝撃かも。
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すごい、彼はスゴイ。知識がものすごい。さらに親子愛です。チャットがハイテクだった時代がたったの2年前・・・。時代の進化はすごいねぇ
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通信使ってのトリック
ネタ的にはパソコン通信とか、ちと古くなってますがコレを20年前に考えてたとはすごいと感心しました。
引き込まれてどんどん読み進めてしまう快作!
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これ、面白いね。
一気に読んでしまいました。
1988年に書かれたってんだから驚き。
20年前の誘拐事件に端を発して、今また誘拐事件が起きる。
しかもすごいハイテクな完全犯罪。
全部独りでやる孤独な犯罪。
でも、独りだからこそ意味がある。
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テクノロジーの話がちょっと古いかなぁ。1998年文庫化だから、そんなもんか。ストーリー的にはぐいっっと読ませてよかったです。
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20年前、生駒洋一郎の息子・慎吾が誘拐された。救出のために洋一郎は会社を立て直すために準備していた多額の金を使ってしまい、慎吾は無事に戻るが会社は大手メーカー「リカード」に吸収される。
本編の舞台は20年後。当時犯人に奪われたはずの身代金が海の底から発見され、「あの誘拐事件はリカードの事業拡大のために仕組まれた犯罪ではなかったのか」という推測が生まれる。そしてリカード社長の孫である葛原兼介が誘拐されることになる。20年前の事件をベースにハイテク技術を駆使して行われる誘拐事件、仕組んだのは20年前に誘拐された生駒慎吾―。
今読むと登場するハイテク技術がなんだか古臭く感じてしまうところはあるが、トリックそのものよりも主人公・生駒慎吾が着々と計画を進める様子に思わず読み入ってしまう。
タイトルのセンスも良い。