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うーん…
レズビアンの話が二篇としか記憶に残らないかも。
一編目、こんなルームシェアは現実に可能だろうか?と思ってたらやっぱり壊れた(^_^;)
期待通りに進んでくれた感じ。そうね、いかにお互いに性的な関心がなくてもそうは上手くいかんのよ。生活空間を共にするということはいやでも重い関係になってしまうんだよ、とこの結論に溜飲が下がる。
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この方の本は初めて読みました。
なんとなく図書館で惹かれて読んだんですが・・・
2編あって、
ホモに見られがちだけど女性は好き、だけど淡白でただ女性とワイワイ仲良くしていたいだけっていう変わった40代の男性と、
レズビアンで35歳の女性の友情話。
だけど、女性の方に仲のいい友達が出きて、男性は嫉妬するのよね。
そんな自分に驚くっていうか・・・
もう1編は高校生の話なんだけど、
ある事件をきっかけに、自分の中に潜んでいた同性に対する思いで悩む話。
こういう話が多いのかな?松浦さんは。
文章は凄く読みやすいです。流れるようで。
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変態を書かせたら当世右に出るもののいない倒錯性欲専門かつ寡作作家「松浦理英子」の中篇2本。とはいえ、本書は「犬身」などに比べると「ありがち」と言っていいくらいの倒錯度。現実感があるとも言える。
松浦理英子なので評価は厳し目の星三。期待度高いのです。
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松浦理英子さんの作品は初めて。どちらもレズビアンの話だったが、文章は好き。「奇貨」とは珍しい品物や人材のことだそう。「変態月」もよかった。
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『親指Pの修業時代』『犬身』で熱狂的な支持を得る著者5年ぶりの新作! 男友達もなく女との恋も知らない変わり者の中年男・本田の心を捉えたのは、レズビアンの親友・七島の女同士の恋と友情。女たちの世界を観察することに無上の悦びを見出す本田だが、やがて欲望は奇怪にねじれ――。濃く熱い魂の脈動を求めてやまない者たちの呻吟を全編に響かせつつ、男と女、女と女の交歓を繊細に描いた友愛小説(amazonより抜粋)
初読み作者です。
けっこう絶賛されている作者みたいですが、あまり魅力がわからない。
むしろ私的には書き方が好みではないんだと思いました。
ダラダラと文が詰まっている感じというのか、すらすら読める時もあれば、ウっと詰まってしまう処も多々ありました。
やっぱり好きじゃないのかなぁ。
展開も魅力的ではなかったけど。でも情緒的ではあったなぁ。
レズビアンの話なだけに?
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★2,8 誰からも安全圏と言われる男がレズの女性のルームメイトを迎えた。心地よい友人関係を続けていくうち、少しずつ変わる気持ちが綴られていた。自分にはラストがすっきりせず、消化不良だった。
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表題作「奇貨」、「変態月」の2編。表題作は楽しめる。こういう男性がいるかどうかは、別として、七島はよい。なかなか芳しい読後感でした。
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表題作は…。主人公の本田の描写がとにかく細かすぎてドン引きしつつも、気が付いたら目で字をひたすら追ってました。何で盗聴なんかしちゃったのかなー…。関係を覗き見したいっていう気持ち(自分の心境に関する理由)以外も何かしらあった気がするんだよね…。七島のキャラは好きでした。ノンケでもない、レズビアンでもない中途半端な存在の人を半端ヘテロとか言っちゃう分析のよさはさすがだと思いました。
変態月はさわやかに読めました。事件を追っているヒロインもその気があるって事を徐々に自覚していく辺りがちょっと切ないなと思いました。あの後、土手に入って行って、無事に〝生還〟した事を祈るばかりです。続きが何気に気になります。
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中篇がふたつ。久々の松浦理恵子だ。
表題作は、45歳の私小説作家の男、本田が、10歳年下のレズビアンの七島美野と同居し、別れる話。
同居といっても、性的な関係はなく、お互い性的な興味を持たないのだが、あるとき、七島が特定の誰かと長電話をし始めたことに本田は嫉妬してしまう。
―私はあきらかに七島にとって二番手以下の友達に成り下がっていた。今までにも女友達をめぐっては覚えのある経験だったが、今回ほど落ちつかない気分に支配されたことはない。私はこれほど七島に依存していたかとおののいて、他の人間関係が希薄なせいだ、少しは外に眼を向けようと思い、近くの将棋会館に行ったり、親しい編集者を誘ってキャバクラに遊んでみたりしたが、…ますます七島の充実が羨ましくなった。-
とにかく、いっしょにいると心地よい七島と離れたくないという本田の気持ちが、彼女の部屋に盗聴器をしかけさせるのだ。
表題の奇貨とは、珍しい品物や人材のこと。
本田は、七島をそういう存在として、持っていたかったのかもしれない。
しかし、盗聴器はばれてしまい、七島は彼のもとから離れていった。
性的な興味でなく、女友達のように気に入った女の子と接していたい男、本田。性的とはどういうことか、肉体的な接触はなくとも、いっしょにいたいということの中に性的な匂いはあるだろう。
いっしょにいて気持ちが良い関係ということのは何かと改めて、思った。
もうひとつは、「変態月」という話。
こちらは、逆に、同性愛の肉体的な欲望が主題になっていて面白い。
昔親しかった後輩の中学生が殺され、その加害者が、同級生の女子だと知る中、自分の同級の友達に対する性的な思いが露出していく、といった話。
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前に読んだ『ナチュラル・ウーマン』は出てくる三人の女性の熱量がすごくて、構成も面白く、圧倒される感じだった。『奇貨』は「女の人と、女友達のように接したい男性」という微妙な立ち位置の人が主人公なことで、人が人に惹かれるってどういうことかな、とか一歩ひいて考えさせられた気がする。
七島のような、さっぱりと自立していて、周りに対して毒舌だけれども弱さもあり、でもやっぱり一本筋が通っている女性……って実はなかなかいないキャラクターだと思う。女性とのセックスに興味があるといいうだけで自分と関係を持ちたがる女を《半端ヘテロ》というのは痛快。
主人公の男性がした、盗聴ってひいてしまうけれど、七島みたいなさっぱりした人間が自分の知らないところで精神的に密な関係を結んでいる相手がいると知ったら、秘密を漏れ聞くスリルみたいな感じで、やってみたくなるのだろうか。
共感は出来ないけれど、描写に引き込まれた。
主人公も七島もやっていることは読者とは離れていたりちょっと気持ち悪かったりするんだけど読後感は悪くない。
丁寧に心情描写するところと、読者に想像させるところのバランスが良いのかな?
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男女の友情なんて原則ないと思っているが、価値観が似ている人ほど恋愛感情は抱きにくいのかもしれない。それと本の内容は全然違うのだけど。
誰でも他人のち。ょっとした生活の一部を垣間見たいという欲求は少なからずある。ただそれを実行する術を知らないし実行する時間などもないからやらないだけ。
分かっていたとしても倫理観がそれを抑制する歯止めにはなるのかな。
二話収録されているがどちらの主人公にも同情の余地もなければ共感すら覚えない。似た感覚にもならないから大雑把に分類するとつまらない部類に入ってしまう。時間潰しにはいいけどね。
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親指Pの・・・で有名な松浦理英子さんの小説『奇貨』を読了。微妙すぎる小説だ。悪くないけどすっきりしない。テーマは分かるが突っ込みは足りない。正直言って消化不良か。出す作品すべてが凄い分けないので仕方ないが、北が高かったので少し残念。次に期待か。。
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二編とも同性愛が描かれている作品。表題作は、私自身が自分の友達の交友関係に嫉妬をすることがないので共感はできなかったけど、本田さんと似た感情を抱く人はきっといるのだろう。ただああいう行動に走ってしまうかどうかの違いだけであって、抑えがたいほどの衝動を含んだ友情の気持ちも存在するのだなぁ、と。
『変態月』の方は、私にはより印象的だった。恋する気持ちが強い欲望、そして執念にまで繋がる怖さと脆さ、繊細さがひたひたと伝わってきて良かった。
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私小説家の本田は男っぽさというものが皆無で
性欲も独特な部分しか持ち合わせず、
それを安全と判断された10歳も年下の七島と同居している。
レズビアンの七島が最近親しくしているヒサちゃんにたいして、本田は友情からくる激しい嫉妬に狂い
彼女の部屋に盗聴器を仕掛けて、会話を盗み聞きする日々。
男女の関係からはほど遠いけれど
七島に対する愛情は深い本田の誤ち。
女々しく、滑稽でいながらも切ない。
他短編。
3歳年下の中学生がかつての陰気な同級生に殺害された事件。
バレー部での日々。同性に対するそう簡単じゃない複雑な気持ち。
私は同性愛者じゃないけれど
同じ女の子にたいする愛情というか愛着というか
ドキドキする気持ち、嫉妬に変わってしまう思いはわかるよ。
なんか懐かしい気持ちになったな)^o^(
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この人の小説を読むのは高校生(「ナチュラルウーマン」や「セバスチャン」を読んだ)以来だから、25年ぶりくらいになるのかな。
ルームシェアしている女友達の女友達に嫉妬する男の心理を、生々しく滑稽に描いた中編小説。
女性同士の友情に対する憧れが歪に募っていき、
ついには盗聴行為に及ぶのだが、
不思議とこの男に対する嫌悪感を抱くことはない。
プライドをあっさり捨て去った清々しいまでの独白により、
男のひととなりがリアルに浮かび上がり、
男が自分の10年来の知古であったかのような錯覚を覚えるからだろう。
衒いのない淡々と落ち着いた文体が非常に心地よい。