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G 2012.9.27-2012.10.12
事件はとても面白い。
オリヴァー&ピアのシリーズらしいが、残念なことにこの二人がわたしは好きでない。
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う〜ん、面白かった!
最初は、この読者に隠しているようで隠していないマルクスとエラルドの関係の書き方が不思議だったけど、途中で成る程なぁと納得。
最後はめでたしめでたし……なんだけれど、ユッタみたいな人物が結局のうのうとしているなんていう苦々しさもあったりして、きっとそれがまた小説としていいんだと思う。
しかし、ヴェーラが過去の悪事の証拠を延々残しておいたのが解せない。傲慢な人物というのはそういうものなのか。
それとも、過去の記憶が曖昧になって、嘘に綻びが出るのを防ぐ為だったとかだろうか。
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全員怪しすぎるし
疵が深すぎる!!
しかし嫌いではないです。
むしろ好きです。
こういう濃さは大好物です!
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「深い疵」
ホロコーストを生き残り、アメリカ大統領顧問をつとめた著名なユダヤ人が射殺された。凶器は第2次大戦期の拳銃で、現場には「16145」の数字が残されていた。司法解剖の結果、被害者がナチスの武装親衛隊員だったという驚愕の事実が判明する。そして第2、第3の殺人が発生。被害者の過去を探り、犯罪に及んだのは何者なのか。
オリヴァー&ピアのコンビが連続殺人事件を追う独警察小説シリーズ。キーワードはドイツでは大きな意味と歴史を持っている「ナチス」「ユダヤ」と言う言葉。この「深い疵」ではまさにその意味と歴史が深く刻み込まれています。
きっかけは高名高齢なユダヤ人が殺害された事件。それは普通の殺人事件と思われたが、被害者がナチスの隊員だったこと、カルテンゼー家というこちらも高名な一族が関係していたこと、そして謎のメッセージ16145が残されていたことから次第に事件が普通の事件ではなくなっていく・・・。さらに、カルテンゼー家に恨みを持つ複数の人物も現れ、オリヴァーの天敵まで登場して、事件は更なる混迷に・・・
という展開です。登場人物が多く、カルテンゼー家には何やら悪が潜んでいそうで、更にオリバーもピアもそれぞれ色々抱えているので、読みながら様々な箇所に気を取られました。しかし、そんな中でも一番はやはり「犯人の動機と連続殺人事件に潜むもの」です。
犯人の動機には悲しい過去があり、そして真犯人(殺人事件の被害者の多く)には許しがたい過去と人間が持ち、発揮し得る最大の悪がありました。特に、悪に関しては「何故ここまで残酷なことをしていていながら、ここまで落ち着いているのか」とピアが犯人を見て思うのですが、私も同感です。また、ピアは同時に「犯人の犯行を立証して、真犯人を追い詰め、罰を与えたい」という感情を抱き、犯人側に立って事件の真相を追いますが、この点も私は同意したいと思いました。それほど、真犯人の残虐性は許しがたいです。
また、一連の殺人事件と同時に別の事件も発生していきます。実はこの別の事件には今回の犯人ではない別の人間が関わっているのですが、そこにあるのは嫉妬や執念を超えた悪です。まさしく人間の嫌な部分が潜んでいる事件ばかりでした。
それでも読むことを止めなかった理由は「ピアが私の思いを代弁してくれたこと(刑事として人間として悪を見ていた)」と「犯人を捜すという推理小説の醍醐味(と思う)が存分に込められていた」からです。特に「犯人は誰なのか」という点に関しては、登場人物が多い上、彼らの視点での物語も進行し、更に様々な箇所に「こいつが犯人ではないか」というミスリードトラップが仕掛けられているので、非常に厄介です。
しかし、オリヴァーとピアの捜査が綿密に描かれている為にそこまで置いてけぼり感も無く、個人的な推理が楽しめます。ちなみに、私は犯人が外れました。まさか、そこに繋がるなんて・・・という伏線もありで、著者の強さを感じます。
シリーズ作品ではあるけれど、この1冊でも十分楽しめる作品です。次と前作が読みたくなる。
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登場人物 A が あらわれた!
A は ミスリード を つかった!
登場人物 B が あらわれた!
B は ミスリード を つかった!
登場人物 C が あらわれた!
C は ミス(以下省略)
…
これがNくらいまであると思ってほしい。苦痛!
でもそんな苦痛を吹き飛ばすシーンが地下室で待っていてくれて、星を四つもぎ取っていく。
胸に一はけの鮮烈さを遺す作品。
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良質の警察ミステリ。物語の方向性はシンプルなのだが、中身は濃くて、色んな要素が複雑に絡み合っている。根っこの深さに驚愕するなかれ。矢継ぎ早に出てくる人名と地名に混乱しないように。
名門一家、隠された過去、ナチス──陰惨さを予想させるキーワードがベースになっているが、冒頭からの事件が派手に前進することで謎解きとのバランスが保たれおり、想像したような重苦しい雰囲気にはならない。
中盤辺りですでに満腹なのに、そこから更に方向転換をして突っ走るスタミナに翻弄させられた。そして“疵”の意味でクラッシュする。小説と割り切っていても、あの時代だったらアリだったかもと、ナチを知らないだけに想像力だけ逞しくなり、そしてしばし凹む。作中のナチに対して、もう少しこってりしたアプローチがあるのかと期待したが、人物造形のピースとして扱われてるようだった。もう一点残念だったのは、真犯人が判明するプロセス。それまでの捜査はなんだったのか?
本作品はシリーズ三作目。四作目もすでに刊行が決まり、評価次第では一作目から順に訳すとのことだが、前作で何かあっただろうなと思わせる人物間のやりとりが出てくるので、もったいぶらずに順番に読ませて欲しいところではある。今年は警察ミステリの当たり年かな?
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ノイハウス氏を知るきっかけの1冊。白雪姫も面白くよんだ。3冊めには今行き詰まっているけど。。。。
ドイツ・ミステリーの深みにはまる途で出会った作者。好きです。
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ドイツミステリの女王と呼ばれているノイハウスの日本デビュー作(シリーズ3作目)。ホロコースト、ナチス・ドイツといった過去の大戦と現在を絡めたストーリー運びが凝っていて、重厚感があり、クライマックスでの対決シーンではハラハラさせられた。登場人物もそれぞれ豊かな造形で、特に主人公の女性刑事ピアがキュートで魅力的。
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やっと読み終わりました。返却期限の20分前(移動図書館が去ってしまうまで)にギリギリ読了。
登場人物が多く、慣れないドイツ人名。人物リストを自分で作りながら読むべきだったと途中で後悔しました。「クリストフ? これ、ファーストネーム? あれ、登場人物一覧に名前がない……ってことは重要人物じゃないの?」などと惑わされつつ、500頁を読み切ったときの達成感はある意味大きかったです。シリーズ物の3番目なんですね。次の作品を読むときは最初からメモを取ることを忘れないようにしよう……。
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回送先:稲城市立第四図書館
濃厚きわまりないミステリ。小説の一気読みが昨今ほとんどばくなった評者が久しぶりに一気読みした一冊(背景として、日本語環境での小説がえてして「陳腐」の一途を極めつつあるのがその最たる要因なのかもしれない)である。
登場人物の複雑な絡み合い、「The Past Within Us(過去は死なない)」を地でいく歴史が織りなす大胆で、でも繊細な動機の形成――そのどれをとっても久しくお目にかかっていなかった「想い」の美しさに評者は惚れ惚れとしてしまうのである。
おそらく本書の「二時間ドラマ化」は不可能であろう。というよりも、小説で無ければならない理由の数々が文中の繊細な言葉ひとつから見えてくるのであるから。
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なかなかの込み入ったストーリーで楽しめた! ヨーロッパはずーっとナチの呪いを引きずっているのか、、、。
あと、ドイツ系の名前の覚えにくいこと、、、。
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作者はドイツ・ミステリの女王だそうで。やはりナチスの重い影はあり。しかし今回、うまくドイツ名に馴染めず、人物名が覚えきれなかったので読むのに大苦戦。ユダヤ人やドイツ人一族縁者が引っ掻き回すので、余計にややこしい。例えば、モーアマンとエーアマンは関係ないのに、ずっと関係者だと思ってた!星3つは作品のせいではないかも。
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ホロコーストを生き残り、アメリカ大統領顧問にまで登り詰めたユダヤ人が射殺され、現場には謎の数字が残されていた。
司法解剖の結果、被害者はかつてナチスの武装親衛隊員だったことが判明する。
やがて第二第三の犯行が…。
予想以上に面白かった!
こういう警察小説大好き。
容疑者たちに振り回されながらも淡々と進む捜査。
邪魔にしかならない上司。
きちんと貼られた伏線。
惜しむらくは、日本での読者アピールを優先した結果、三作目からの訳出になったこと。
そのせいで、署内の人間関係を始め、主人公二人の微妙な空気感が今ひとつわからず、悔しい。
次は四作目になり、その結果次第で一作目から訳出されることになるようなので、なんとか売れて欲しいなぁ。
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翻訳ミステリーの世界に足を踏み入れてまだ日も浅いのに、
本当にいいもの、読ませていただきましたm(__)m
ドイツ人なので、人の名前覚えにくくて、登場人物のページ、
何度もひっくり返しながら。前半は入りにくかったです。
それでも頭の中に構想が見えてくるや否や、
ページを繰る手がノンストップ。
あの家系図からして、トラップじゃないですか!
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読了、82点。
**
2007年、ドイツホーフハイムである老人が殺された。
彼はかつてホロコーストから生き延びた後アメリカに渡り大統領顧問まで勤め上げた人物であった。
さらに同じ手口で殺されたヘルマン・シュナイダーの元にも"16145"という謎の数字が残されていた。
ホーフハイム警察のオリヴァーとピアは捜査を続けて行った結果、国内外で大きな権力を有するカルテンゼー家に行き付く。
**
後書きに書かれている通り本作はドイツミステリの女王と称される著者のシリーズ作品で、本作はそのシリーズの3作目(ただし日本語訳された作品としては最初)であり、このズレの為に何も知らずに読むと戸惑う部分が多い。
作中では1年前の事件として語られるものが本作の伏線として後半に登場するのかと思い読んでいたら実は別作品の話でした、と言うパターンが多く、また登場人物の人間関係も過去の作品をベースにしているが、その部分の説明がされず正直なところ理解し難い部分が非常に多くあった。
また本作はドイツの地理、歴史、警察の捜査制度など詳細に描かれているが、個人的に非常に残念なことにその部分の知識が殆どなく、知っていれば楽しめただろう部分が楽しめなかったのは勿体ないとしか言えない。
とマイナスの部分ばかり挙げてみましたが、小説のストーリはドイツの歴史の暗部として切っても切り離せない第二次世界大戦でのナチスや人種問題などを扱っており、それが現代にまで影響を与えているという非常に骨太の物語で、その骨格部分の読み応えは相当なもの。
真相もそう来るかと言う展開でした。
キャラクター小説的な側面も持ち合わせており、一番最初に自分の中で浮かんだのは、ドイツ版道警シリーズ。
ただこの小説のキャラクター小説的な側面はどちらかと言えば女性の理想に焦点が当てられ過ぎていて、その点が馴染めない部分でもありました。
今年中に日本語訳第二弾(シリーズ通算4作目)が発売されるらしく、せっかく1作読んだんだから何とか2作目にも挑戦したい気持ちであります。