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紙の本
身近な教材でもある<新聞>のあり方を深く考えさせられた。
2010/04/20 14:58
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:めだかの兄弟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
池上彰の解説は、“わかりやすい”。ニュースや新聞よりも、池上彰の本や番組(時々スペシャル番組がある)によって、難しいことやわからないことが、スッキリ理解できる。だが、それだけでは足りない。著者は、新聞を読むことで、「世の中の仕組みを知り、民主主義の大切さを知ること」だ、と説く。
<子どもの学力は、どうすれば養われるのか> それは、「新聞を読むことです」と著者は断言している。文部科学省が毎年実施してきた全国学力テストでは、試験と同時に子どもたちにアンケートを実施して、学力と生活習慣の相関関係について調査している。このアンケートの中に、「新聞やテレビのニュースなどに関心がありますか?」という項目があり、調査の結果、調査対象の小学校6年生のうち、「ニュースに関心がある」と答えた子どもと、「関心がない」と答えた子では、学力に大きな差のあることがわかり、関心のあるなしで、平均点が15点ほど違ってくるというという。国際的な調査でも同じような傾向が出ているようだ。
早合点してはいけないのは、「新聞を読む子は学力が高い」と言えても、「新聞を読めば学力が高くなる」とは言いきれないということだ。結果だけを見てやみくもに <読みなさい!>では、拒否反応されるだけ。著者の推論は、「新聞を読めば社会のことに関心を持つようになり、社会への高い関心は、「知りたい」という知的好奇心を呼び起こし、それが学習意欲につながり、高い学力をもたらすのではないか」ということなのだから、親が新聞を読み、積極的に話題にあげて、子どもに<新聞って面白そうだな>と、自然に興味を起こさせるようにすることは、親(大人)の役目だなあ、と痛感した。
○第一章 民主党政権の誕生を読む(1、本格的な政権交代が実現。他10項目)
○第二章 地球温暖化問題を読む(1、鳩山首相が出た国際会議は何だったの? 他2項目)
○第三章 海外ニュースを読む(1、オバマ大統領、ノーベル平和賞を受賞。他1項目)
○第四章 経済ニュースを読む(1、急な円高どうして起きた? 他3項目 )
○第五章 社会ニュースを読む(1、最初の裁判員終わる。他2項目)
この本は、子どもにもわかりやすくニュースを読み伝えるため、ほとんどの漢字にふりがなが付いている。大人向けの新聞の記事と、子ども向けの解説記事を読み比べることができる。塾などを否定するわけではないが、新聞を読むことによって、ニュースへの関心と興味を高め、読解力を身につけ、文章力もつくなら、高いお金を出して塾に生かせる必要はないと思うのは私だけかしら。身近な教材でもある<新聞>のあり方を深く考えさせられた。
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