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「言うまでもなく、ローソンの経営者としての新浪の第一歩は、2002年5月の株主総会で印された。ダイエー出身の社長が会長に退き、新浪が新任社長に選出された日である。
株主総会といっても、株主から厳しい叱責を受けるのは議長役である前任社長であり、新任の新浪にとっては晴れがましいセレモニーになるはずだった。社長として全権を掌握し、前に向かって頑張ろうと全軍に大号令をかける日だった。
だが新狼は、この株主総会が閉会したあとに衝撃的な報せを受ける。
ローソンの加盟店オーナーが、株主総会の会場で、抗議のため自ら命を絶ったのだ。会場となったビルの階段で首を吊った。ローソン旧経営陣に対する抗議だった。家族に宛てたもの以外にも遺書が残されていた。株主総会で、社長から会長に退いたダイエー出身の藤原謙次宛と新社長の新浪剛史宛だ。
この悲痛な出来事はローソンの社内でもほとんど知られることなく、いまに至っている。
けっして公にされることのなかったこの悲劇こそが、新浪剛史の生き方を規定したのだ、と私は感じた……」
コンビニエンス業界が好調だ。その理由は明確で、変化しているニーズに、スピード感をもって応え、お客が欲しいと思うものを店頭に並べているからにほかならない。著者は、好調なコンビニエンスストアのなかでも特にユニークな経営をしているローソンに注目した。
不況のなかでも持続的成長を果たし、10期連続最高益が見えてきたローソン。多くの大企業が収益モデルを変えることができずに苦しんでいるなか、ローソンは次世代のコンビニの姿をめざし、経営を根本から変えただけでなく、サプライチェーン全体を見直して従来のコンビニの概念を乗り越えようとしている。
新浪剛史社長のめざす次世代コンビニとは、どのようなものなのか。新浪社長をはじめとした各キーパーソンの「告白」が詰まった本書を読み進めていくと、その姿およびローソンが好調な理由が浮かび上がってくる。
組織と個人が時代の変化の波を乗り越えて生き残り、成長を遂げるヒントが満載の一冊です。
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増収増益を続けているローソンの成功の秘訣が経営陣、現場社員等
への綿密な取材を交え解き明かされている。
新浪社長はショップ99との統合交渉やフランチャイズオーナーへとの熱心なコミュニケーションといった重要な担務については自ら積極的にこなす一方、本書にも頻繁に出てくる「現場への権限委譲」を進める
など非常に優れた経営者だと思う。
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コンビニ二番手のローソンがすごく気になるワタシ。
気になる理由がこの本に書かれていました。
コンビニが登場した当時は、マーケティングで言えば1.0。モノを置き、24時間がむしゃらに営業すれば売り上げが作れた時代です。
チェーンや店舗数が増えてお客様の要望に応えてATMを設置、公共料金の支払い、チケット購入などなどサービスに特化したマーケティング2.0時代。
そして、これからはオーナーと本部、お客様が協働する時代、マーケティング3.0が来たのではないか、と思わされる本でした。
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セブンイレブン以外のコンビニを深く取り上げた本は珍しい。
ローソンも凄いことが分かった。
でも、それでもこれだけ業績に差があるということはセブンイレブンが更に凄いのだということを再認識させられることになった。
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2015年7月6日読了。新浪元社長をはじめとしたローソン社員へのインタビューを多数収録したノンフィクション。親会社ダイエーの意向に振り回され活力を失ったローソンがいかに自らを変えて立ち直ったか、特に大震災時に「まちに明かりを灯しつづける」「最後まで被災地から撤退しない」ことを社長・東北支社長が決断するくだりは非常に熱い。「まかせる」ためには情報が必要だし、そのことについて常に思考し、シミュレーションしている必要があるものなのだな…。ローソンが組織を改革し、熱い人材を多くそろえているのは分かったが、それでも王者のセブンイレブンとの差は大きいと思われる、今後その差が縮まることはあるのだろうか?
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ローソンの事を知るには面白い本。
ダイエー傘下から外れてからも業績好調で、順風な企業と思い込んでいたがなかなか大変。
あまり具体的には踏み込まれていないが、コンビニという形態を変えようとしているらしい。
ミニ経営者を育てようとしているのは、果たしてどうなのか。
オーナーにとっては一店舗やるよりは面白そう。
残念なのは著者が独白みたいに、自慢なのかちょいちょいアピールしてくる。
あなたのことには誰も興味ありませんよ、と言いたくもないが言いたくなる。
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新浪氏のことを調べようと読んだが、どちらかというと個人というよりローソンのトピックに重点が置かれていた印象。本書一環として読むというよりは章ごとテーマが違うという感じ。連載をまとめたもの、って印象が強い。
SHOP99の買収劇や、その後の社長となる玉塚社長のエピソードなど、知らなかったエピソードもあった。
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・「信頼はするが信用はしない」という思考法
・「最後に残るのはスマホとコンビニだ」
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震災時にローソンだけが毎日店を開け続けた話は熱くて涙が出そうになります。新浪さんの社長就任時とそのあとの出来事もリーダーシップとは何ぞやと考えさせられます。