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買ってよかった、と思う漫画だった。
11人の漫画家さんたちがすごく丁寧に描いたのがわかる、思いが詰まった作品たち。
忘れちゃいけない出来事だから。
この一冊はずっと手元に置いておきたいなと思います。
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参加された作家が、みんな一様に迷った末に書いている。
福島で暮らすことや、家族を亡くしたことなど、
簡単に他者に分かるわけがないと思う人もたくさんいると思うけれど、
こうして話してくれる人と、表現してくれる人がいるから、
そうやって形になった物をきちんと受け取って身につけていこうと思う。
本をたくさん読むわたしは、「印税や収益を被災地復興のために寄付します」という運動には参加しやすいので嬉しい。
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友人のfacebookで知った一冊、e-honでお願いして店頭でゲット。
帰りの電車で読んでいたら、結構やばいことに。。
東日本大震災にまつわる実話をもとにしたアンソロジーになります。
11人の作者の方の、「伝えることの覚悟」が伝わってきました。
「伝えるっていうのは、すごくすごく覚悟のいることなんですよ」
何を伝えていけばよいのだろう、何を受取っていけばよいのだろう、
そんな呻吟を経て生み出された物語は、そのどれもが印象的で。
「ここに来て、飯食って酒飲んでお土産話持って帰ってくれれば、それで十分ですよ」
「苦しみを、少しでも分かち合っていくことが大切との思い」、
あらためて、陛下のこのお言葉を忘れずに、震災後3年目を歩んでいきたいと。
ガンバレではなく、ガンバロウだけでもなく、ガンバルゾとの覚悟を込めて。
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主旨はすばらしいと思う。
ページが足りないのか、プロの描いた漫画作品としてはひどいものがほとんど。
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ネットで趣旨を知って以来、発売を心待ちにしていた一冊。
よくある感動もの、実話再現ではなく、「そのあと」「何をし、なにを考えたのか」「そして、どんな決断を下していったのか」という断片が生々しく切り取られている作品ばかり。
ここに書かれていることは、決して他人事ではない。日本に暮らしている以上、自分たちの身の上に起こることなんだということを痛感させられた。
まだ終わっていない。まだこれからなのだ。そのために、私たちは何が出来るのか。どんな支援ができるのか……ということを、深く考えさせられた。
そして。
収録された作品の中で、一番心を揺さぶられたのが、原発事故から生じた放射能(あえて「放射能」と記載します)由来の不安と恐怖に翻弄されるお母さんたちのエピソードだった。
不安と恐怖は、正常な判断力や理性を低下させる。対処知識がないということは、それにさらに輪をかける。
目に見えない放射性物質が自分の子供に取り返しのつかない健康障害を引き起こすかもしれない……という情報が、お母さんたちに与えた不安と恐怖はいかばかりのものだっただろう。
大事をとって、危険喚起のために、大げさに知らせることも必要なのかもしれない。「心配しすぎて馬鹿みたねー」と、後で笑い話にできるくらいのほうがいいのかもしれない。
けれど、私に甲状腺異常(橋本病)があるのが発覚したときに、母親がどれほど衝撃を受け、自分を責めていたか。
(良性のもので、結婚も出産も問題なくできるものだったのに)
そして落ち込む母親に対して、主治医が何度も何度も粘り強く、
「気がつかないでいるだけで、甲状腺に腫瘍を持っている人はものすごく多い」
「お母さんのせいではない。誰も悪くない」
「むしろ早く見つかってよかった。きちんと治療したらちゃんとよくなる。ナントカ水とか健康食品を試す前に、まずはきちんと検査をしましょう」
と、話していてくれたことを日記で知った私は、とてもじゃないけど、そうは思えないのだ。
むしろ不安を煽るだけの「情報」をネットで流したひとたちに対して、怒りすら覚えるわけで。
(健康食品というのは、親戚がソレ関係にハマっていたため。当然のように、これ飲めば治るから!と持ちかけられていた)
正しい情報を得るということ。自分で判断するということ。
闇雲な恐怖は、これを邪魔することしかしない。
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限られたページ数なので、もう少し深く読みたいなと感じる作品もあるのですが、とはいえ、涙なしでは読めませんね。漫画という形なので読みやすいし、これからも一人でも多くの人の目に触れるとよいなと思います。
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あまちゃん震災回からの流れで購入w
想像以上に踏み込んだ作りになっていたのにびっくり。その辺の心情を少女漫画ならではの繊細さで描かれていて、すうっと心の中に入ってくる。
ただ、やはり頁数の少なさが惜しいとゆーか、もったいないとゆーか。チャリティで描いていただいてるのは百も承知ではあるが、痒いところまで手が届きそうで届かないところがモヤモヤと。
とは言え、このようか形で普通のひとの心情やエピソードが一冊にまとめられたことには大いに価値があるとは思うし、関わったすべてのひとびとにありがとう!と言いたい。
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『あの日』から起こった出来事を女性気鋭の漫画家たちが自ら現地に赴き、取材を重ねて描かれたオムニバス漫画です。さまざまなエピソードがありますが一番印象的だったのは料理人兄弟の避難場所での話でした。
2011年3月11日。東日本大震災で被災した現地の様子を気鋭の女性漫画家たちが自ら現地に足を運び、ここで拾い集めたエピソードを漫画化するというオムニバス作品です。
「漫画に描き残すことで“語り部”的な役割を果たせないだろうか? 」
その一心で描かれた話は、本当に胸に迫ってくるものがございます。鮮魚店で働く若者は被災し、「生かされた」命を故郷をPRする仕事につくという形であらわし、ある被災した家族は買出しに行き、やっとの思いでたどりついたスーパーで見知らぬおじさんからジュースをもらい、それを避難場所で待つ自分の娘の下へと届ける。
福島県に在住する小学校の女性教師は生徒とともに現地に暮らし、取材の後日談では結婚もされたということで読みながら胸をなでおろしたことを書きながら思い出しました。南三陸町で被災した料理人の兄弟は瓦礫の中から何とかして食べるものを探し出し、マヨネーズや醤油を見つけ出したり、また、めかぶや鯖缶を使い、乏しい機材を何とかして動かし、『料理人』のプライドをかけて料理を作り避難場所にいる人々に振舞う姿はとても印象に残っております。
本書の単行本と電子本の印税全額と出版社利益の一部は被災地に寄付されるということですので。そういった取り組みは本当に尊いものであると思います。
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ひとりの漫画家に託されるのはたった8ページなのに、まんがという表現手段はとてもたくさんのこと、深いことを伝えてくれます。
伝えきれないことに対して、漫画家さんたちが、恐れを感じながら描いているのがよくわかります。恐れながら、それでも描き伝えたいと思う心を、その描線の丹念さに感じます。
全部はとても無理でも、その一端でもいいから伝え、記憶を共有したい。忘れないでいたい、という著者たちの気持ちに、共感せずにいられない掌編集です。
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良質な企画から出来た本だと思う。
でも一人の漫画家に割り当てられたページ数が短すぎて、漫画家もむりやりページのためにストーリーを削り過ぎた感じあり。
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東日本大震災で被害にあった岩手・宮城・福島の方々を、有志で集まった様々な漫画家がエピソードとして描いた短編集。
このプロジェクトに参加された漫画家のみなさまが口をそろえて「難しかった」と仰っていることを考えても、やはりとても難しい問題を漫画にしたのだろうと思います。それでも「漫画」という誰もがわかりやすい形に落とし込んで、多くの方に被災地の現状や語り部としての意味をもって残すことは非常に意味があったものだと感じました。
一方でやはり漫画では表現しきれない現地のあり様や生死といった生々しい現実の描写がしきれない印象は拭えなかったですし、ルポライターやマスメディアのように本業としてまとまった時間や滞在ができなかったであろうことからどうしても内容に深みは無いと感じてしまいました。
ただそんな取材をお受けされた現地の方々の勇気は頭が下がりますし、ともあれ前例がない表現で震災を描いた漫画家の方々には尊敬の念を感じます。
興味関心を持つきっかけの1つとして、この1冊が広まることを祈ります。
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『温故知新3.11 #4 コミック④』
ー『ストーリー 311』ー
講談社の漫画雑誌『Kiss』の無料WEBコミックサイト「デジキス」で連載('12.3.11〜'13.1.11)された作品が収録されています。2013.3.11発行。
「語り継ぎたい想いがある」「残したいストーリーがある」をテーマに掲げ、多くの企業・団体の協賛・協力を得て生まれたプロジェクト第一弾らしく、<本書の印税は全額、被災地復興のために寄附>と謳っています。素晴らしい!
参加は以下の11名の漫画家さん(敬称略)です。
ひうらさとる、上田倫子、うめ、おかざき真里、岡本慶子、さちみりほ、新條まゆ、末次由紀、ななじ眺、東村アキコ、樋口橘
取材に基づいた漫画という点は『ふくしまノート』と共通していますが、一話完結のオムニバスなので、画風も含めそれぞれ個性的な短編作品集という印象です。ややドラマチックなのは否めません。
やはり一人8ページという制約は余りに厳しく、漫画にするにも困難を極めたことが伺えます。悪しく言えば、やや深みに欠けるアンソロジーでしょうか‥。また、個人的に「ちょっと乙女チックな作画で苦手だなぁ」という作品もあり‥。ん?『Kiss』は女性漫画雑誌か! そういうことね。
しかしながら、各話の最後の1ページ分に作者のあとがき・取材後記があり、よかったです。
描いていいのかという葛藤、描ききれないもどかしさ、それでも伝えようとする覚悟など、(失礼ながら)本編以上に心に響きました。