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「本格推理小説での伝説の一冊」らしい。
たしかに、トリックも論理的だし、殺害の動機もまぁ分かるが、トリックをなんでそこまで複雑にする必要があるのかなぁ、と思ってしまった。
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日本版「樽」と呼び声高いらしいので読んで見たのですが、解説によれば「蝶々殺人事件」にインスピレーションを受けたらしく、ほぇーなるほどー。内容については凄まじかったです(^^;クロフツの樽を彷彿とさせる幕開けから、またまた樽臭溢れる地道な捜査が行われ、最後にやられました。解説にも言われていた通り、どうやってこんなトリックを思いついたのかが本当に良く分かりません。感激しました。九州の方に詳しくないせいか地名には終盤になっても手こずりましたが、読んで良かったです。近い内に再読をして理解を深めたいですね^^
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緻密に組み立てられた論理が美しく、また文章も読みやすいため一気に読み進めた。
アリバイトリックもので、派手さはないけれど非常に引き込まれる作品。こんなに真剣に時刻表とにらめっこしたのは初めてかもしれない。
本編も素晴らしいですが、解説の座談会に愛を感じました。
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トリックの中のトリック。華麗なる盲点とでも言おうか。モノの「すり替え」を考える時、どこが変化点になっているか、を、つい大局的に見てしまうところをうまくついてきている。「え?そこ?」と言いそうになりながらも秀逸さに負けた。
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複雑な詰め将棋の、ただひとつしかない解を示されたかのような面白さの内容だった。「ネジ式」のメメクラゲは、××クラゲの誤植だったのか (wikipedia にも書いてあった)
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何枚もメモ書きながら読んだが途中で投げ出す。火サスの再放送の鬼貫さんに嵌り読み始めたので時刻表のトリックには覚悟をしてのぞんだのだが。混乱の糸で読者の頭をぐるぐるにひっ絡めてやるぞ!いう作者の執拗な思いを感じずにはいられない。トリックの複雑さでしんどくなったが意外と内容はシンプル。ドラマもそうだったが、謎に対して真摯に真面目に向き合っている作者の姿勢が伝わる硬派な推理小説だと思う。
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派手さはなくとも、トリック一つと丹念な描写でこれだけのものが出来上がるということを示してくれている。
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難しいーー。時刻表のくだりは読み飛ばしてしまった。笑 でもトランクのトリックは、非常に頭を使って、面白かった。
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論理性にこだわった推理小説との触れ込みで読んだ。主人公の警部を中心に登場人物がすべて知り合いであるという設定。登場人物が限られて少ない中、推理の重心は犯人探しでなく、トリックの解明に紙面を費やす。少し回りくどい説明で辟易するが、読者が迷子にならないよう丁寧な説明を心掛けているのだろう。鮎川哲也というペンネームが、本書から得られた経緯が解説にある。推敲を重ねる著者らしく、作中に物語性に色を添える紅一点が登場するが、初稿ではいなかったのには驚かされる。
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汐留駅で発見された死体入りの黒いトランク。
調べれば調べるほど強固になる鉄壁のアリバイを崩すべく
クリスマスも盆休みもなく、彼方此方に列車で行き来する鬼貫警部の捜査の道程に仄かな旅情を感じつつ
微にいり細を穿つ論理と、可能性の取捨選択の連続に身を浸していった。
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自分が九州出身で、元の勤務地の通勤路に、物語中登場する別府(べふ)があるので、親近感を持ちつつ読み進めた。
人の心理として、ここまで綱渡りの凝ったアリバイ作りをするかしら、という点で、どうしてもリアリティを感じることが出来ないが、ミステリーとはそういうもんだ、と思えば、盲点を突いた面白いトリックではありました。
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再読。初読のときはよくわからず、後に光文社文庫版の解説の図とにらめっこしたのを思い出します。この創元版は会話などにも手が入っているのかとても読みやすくあれほど難しかった人とトランクのルートが今回はちゃんと伏線があることも気づけて素直に読み進めることができました。ひとつひとつ足で稼いで真相を明らかにしていく過程は本当に細やかでもつれた糸が綺麗に解ける様は感動します。でも事件の関係者がもともと警部の関係者ということもあり、心に響いたのは犯人との対決シーンと独白。ただのアリバイ崩しだけじゃない読後感も好みです。
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解説で有栖川氏が「世界で一番好きなミステリ」「私が好きなミステリとはこういうもの」と述べているが、まさに私にとっても、好きな要素をとにかく詰め込んでまとめてくれたような小説であった。
まず、クロフツ式の、地道な裏付け捜査とそれにより過去の被害者や犯人の動きが徐々に明らかになっていく過程は、人によっては退屈に感じるかもしれないが、私には、その過程に特に読書の喜びを感じる。
例えば他の人は、最後にどんでん返しがあってその驚きが大きければ大きいほど面白いとか、過去にさかのぼって何があったかを調べていく過程より、小説の中の時間の進行に伴って、どんどん新しい展開(第二、第三の殺人など)が次々に起こっていく方が良いとする向きもあるだろう。だが、有栖川氏が指摘しているように、この小説では必要最低限の登場人物しか用意されていない。だから犯人が意外な人物だったということも、実はない。過去にあったことを丁寧に捜査して明らかにしていく、実はそれだけなのだが、こんなに先が気になり、展開がスリリングなのは、本書が優れた「本格もの」であり、奇抜さや奇を衒うのではない王道の推理小説ということだと思う。
それから戦後すぐの時代の、当時の時刻表を題材にとっている点。当時の鉄道網や鉄道史にも興味がある読者なら、必ず本書も興味を持つことだろう。石川達三や北原白秋など、いわゆる純文学系の話題にも触れられている点も良かった。
また、探偵役たる鬼貫の人となりの描き方も好感を持った(これは個人の好みだが、私は天才肌の奇人変人的探偵より、鬼貫警部のような生真面目で好人物な探偵の方が良い)。
さらに、巻末の解説部分で、鮎川氏が無名の新人だった頃、苦労して本作を書き上げた経緯や、初版から大きく改稿されてきている箇所も多いこともわかり、長年に渡って作者や編集者、さらには読者が、大切にしてきた作品だということが伝わってきて、そのような作品を読むことができて大変嬉しく思った。
また、クロフツの「樽」をあらかじめ読んでいたので、さらに読む楽しさが増したのだろうと思う。「樽」のように、トランクが複数存在すると思われることが明らかになった箇所は、思わず唸ってしまったほどだが、決してクロフツの作品の焼き直しではないことは無論である。「黒いトランク」の方が、よりテンポが早く、やはり日本人が読者なので地名などの位置関係も頭に入りやすかった。
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名作と誉れ高いが、まだ読んだことがなかったので。
トランクに関する論理や、容疑者のアリバイを地道に崩していくのは、今読んでもとても面白いのだが、やはり時刻表アリバイトリックはリアルタイムで読むほうが楽しめるものなのだろう。
作中では1949年の日本が描かれているが、当時の常識も70年を経た今では変わってしまっている…。時代の流れを感じさせる作品だった。
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面白かった。とことん論理的思考。トリック関係は頭がこんがらがるくらい複雑な印象受けたけど、読んでいて楽しかった。