投稿元:
レビューを見る
久しぶりの山田詠美さん。昔と少し変わったように感じるのは、いまの年齢になって読んだからか。
要所要所でハッとする表現あり。
血縁有無によらない家族の在り方とか死の受け入れ方とか、すごく興味深いです。おもしろい。
最後も一瞬ドキッとするんだけど、そういきたか、という感じ。そういえば詠美さんの小説はいつだって救いようのない終わり方はしないんだった。
投稿元:
レビューを見る
暗い。でもちょっと軽やかで、甘いものが広がるような感じ。
最後のみんなが集まる五月のシーンが、最高にきれい。
映像化したら・・・ってずっと考えてる。
投稿元:
レビューを見る
山田詠美の文章って本当に濃密な文章だな~と思う。
以前に読んだ「学問」という小説とは違って、
この小説は熟したワインのような、
甘いケーキのような、そんな濃密さ。
死を描いているのに、
この小説は全く違う問題を描いているように感じられる
死をいちばん極端な例として、
異なる喪失に当てはめてもこの小説は成り立つのかもしれないね。
この小説を読みながら、なぜかMr.Childrenの「未来」という
曲を何度も聞いていたんだけど
読み終わってなんだか理由がわかるような気がしてきた。
投稿元:
レビューを見る
一気に読んだ。
そうきたか、というラスト。
死ということにとりつかれながら生きることを考え続けている家族の話。
投稿元:
レビューを見る
幸運にも私はまだ身近な家族を失ったことがなく
こういう経験をしたことがないので
代わりのいない大切な人を亡くした時の対処の仕方
心の持って生き方疑似体験しながら読んだ。
やはり人ひとりなくなるっていうことは
とてつもない影響力を及ぼすこと改めて感じられた。
あと複雑な家庭に育った子供たちそれぞれの
血のつながりに対しての苦悩もよく描けていて
興味深かった。
「ある特定の人物をかわいそうだと思ってしまうことで縛られる」
って文言に共感。
投稿元:
レビューを見る
創太かわいそう。
長男の死に対して、正しい向き合い方ができなかった家族。
それぞれが、それぞれに向き合おうとして
最後の場面に収束する様は、とても愛にあふれている。
いい本でした。
投稿元:
レビューを見る
相変わらず、独自の独特の目線で、夫婦とは、愛とは、家族とはについて説いているんだけど、なんだか、もう時代錯誤というか、ちょっとこんなめんどくさい形はありえないんじゃないかと疑問を感じてしまう。
山田詠美らしい、常に達観した愛の形はもう、存在しないんじゃないか。もう恋愛は描けないんじゃないか。なんだか、退屈だった。
投稿元:
レビューを見る
こんな家族小説はありそうでなかったのでは?と思わせる書き手の巧さを感じる。 細部にわたる繊細な描写が活きている。 精神的に壊れた50代前半の母とその息子たちとの関係、という似たような題材を扱った江国香織の「ちょうちんそで」を最近偶々読み、著者の独善的嗜好とも言える展開(の無さ振り)と読み心地の悪さに辟易したのとは好対照。
投稿元:
レビューを見る
誰もか一目置いていた兄が突然亡くなってから、家族のバランスの崩れ方、踏ん張ろうと模索する姿が、不器用だけど人間臭かった。
タイトルから重いかなとは思ったけど、視点が変わるので中弛みしなくてよかった。
投稿元:
レビューを見る
何と言っても山田詠美ワールド全開。これまでにエッセイで積み重ねられてきた「彼女を形成するもの」がふんだんに散りばめられていて、それでいて息を飲むディテイルが満載で、素晴らしい。学問よりも好きだなぁ。
投稿元:
レビューを見る
誰もが、誰かのかけがえのない大切な人。
失ったものは、家族の一員であると同時に、幸福を留めるための重要なねじだった・・・突飛で、愉快で、愚かで、たまらなく温かい家族が語る愛惜のモノローグ。
「私」:真澄(長女)の語り、「おれ」:創太(次男)の語り、「あたし」:千絵(次女)の語り、そして最終章は「皆」:第三者の視点と・・・、家族のそれぞれの語りで、長男を唐突に亡くして以来の澄川家が語られてゆく。
山田詠美の作品もいいもんですね。
投稿元:
レビューを見る
2013年42冊目。
一人の死をめぐる、ある家族のお話。
章ごとに、家族の各人の視点から語られていく。
最後の章では、一瞬の「?」の後に、「あ、そういうことか」と心があたたまった。
死生観に関するいくつもの言葉が心に残った。
特に、「死者の死」ではなく、「死者の生」に目を向けるということについては。
出会えてよかったと思う1冊。
投稿元:
レビューを見る
ひさびさに山田詠美氏の作品を読了。
死はほんとうに「~かもしれない」で、まさかあの人が、生き物が、それが望んでいない場合がほとんどだけれども、望んでいた場合も少なからず、ある。どちらにしても「まさか」であることは、確か。そしてその可能性は、特に3.11以降は、だれにでも確証できたことなのではなかろうか。自分にはもちろん、山田氏は「あなたたち」とも読者に示す。
そのまさかが起こった際、死を取り巻く社会は当然変化する。死までの過去は変わらないはずなのに、死によって、変わらないと信じていたものがまったく違うものであったことに気づくこともあるのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
澄川澄生の雷による突然の死、寄り合い家族の核であった彼の死が少しずつ何かを蝕んでいく。かけがえのない人を失う事の恐さがしみじみ伝わってきた。創太のママに対する想いやけなげさが、本当にかわいそうだった。
投稿元:
レビューを見る
誰もが、誰かの、かけがいのない大切な人。
と、帯にある。
本文の中、真澄の曾祖母の辞世の一言。
人生よ、私をたのしませてくれてありがとう。
ということで、ある一家の記録。
最高の家族、家庭を作り上げようとして協力していく子連れ同志の再婚家族・澄川家。
家族について。
親について。
子について。
生について。
死について。
じっくりと考える時間。
この本を読みつつ考えてみた。