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耳袋を中心に不思議な「おやっ?」の影に
現実におきた隠し事を暴きだす
世情に通じ多くの経験から「妖やかし」
と思われることや、不可思議な行動にも
合理的な絵解きをする奉行
カッコいい
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殺す側に哀しい事情が内包されているタイプの話だった。
とはいえ
最後に殺されてしまう弟と
(結果的に全員死んだとはいえ)復讐半ばで逃げて逃げ延びた姉と
ホントに哀しいのはどっちだろうな
なんて考えたりもした。
冒頭の茶屋の遣り取りがちょっと意味深だったのが
なるほどそこに繋がるのか、と感心することしきり。
最初は坂巻のことかと思ったんだけどな(笑)。
最後におたかさんが
「200年後の内藤新宿は…」と語り出したのにはちょっと噴いた(爆)。
まぁ確かに当時の内藤新宿とは比べ物にならないけど。
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内藤新宿でやくざが次々に殺される。
事件の影に忍の者が浮かび上がる。
本シリーズは毎回話がスッキリ痛快に終わる訳じゃないので、本作では読後、心にもやついたものが残った。
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復讐の連鎖と仇討をさせたい人情に対し、それに対する信仰と実社会(法律)による救い、秩序の維持と信念が窺える物語。
人情に長けた根岸が、断固として個人による復讐をさせてはならないと断言する。復讐をする者、しようとする者自体を救うという信念。
そして、『この世のことは、この世で裁く。天の裁きはまたのちにくだるだろう』という言葉に、良識を感じ、深く感じ入った。
人を殺してヤクザをしても浮世の徒花に溺れた生き方には馬鹿馬鹿しさしか残らぬことや、
消えてしまうことはなく、全ては形を変えて存在しているのではという話の結び(質量保存の法則を思い出す)は、
生死一如、死は断絶ではないというグリーフケアと、生きながら貪る貧困とを描き出す。生きることを優しく肯定してくれる。
妖の裏に人の意図ありの挿話も楽しめ、気軽に楽しみながらも哲学的なことにも思い至らせてくれる筆者に感謝。